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スマイル37
生い立ち・1
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施設に着いた。株価をチェックすると、たった数分で見事に悲惨な底値の金額まで値下がりしていた。
これじゃあ、売ることもできねー。ま、架空会社のこの株が今後上昇を見せる事は無い。
借金、決定だな。
随分貯めこんだお前の資産も、これでパーだ。
施設の土地も、偽造して俺から奪い取ったモンだって証明するから、これもすぐに手元に戻る。
ま、どっちみち借金抱えたんじゃ、この土地だって差し押さえされんだろーけどな。そうなった時の手配も、既に整えてある。俺が押さえた。
この土地はもう、絶対に誰にも渡さねえ。
美羽。ようやくお前を取り返す事ができるんだな。
お前の生い立ち、横山に聞いて驚いた。お前がこの土地、施設そのものに拘ったのは――きっと、俺の想像もできないような、辛い理由なんだろーな。
でも、そんなの俺には関係ねー。
俺は、お前を絶対に取り返して、手に入れるんだ!!
久々の施設。二か月近く来なかったんだ。ボロ門は相変わらずだし、何も変わっちゃいねー。
俺の、大切な、大切な場所。
もう二度と、誰にも汚させない。踏み荒らさせない!!
横山と一緒に施設に入った。玄関と門は真秀に開けさせておいたから、難なく入れた。
コトが済んだら花井を警察へ連行してもらえるよう、SPも施設の外に待機させてある。
美羽の仕事部屋に、花井と真秀は居るハズだ。だから、俺は先に遊戯室へ向かった。
ガキ共がいた。
一、二、三・・・・数を数えたら全員、変わらず居た。誰一人、減っちゃいない。
嬉しくて、叫びたくなった。
ガキ共の姿を見ただけで、涙が溢れそうになった。
「お前等っ、元気だったか!」
遊戯室に足を踏み入れ、声をかけた。
「おっ・・・・お兄さんっ!」
「おーっ!!」
「王雅にぃっ!?」
「おーちゃん!」
「お兄さんっ!!」
俺は傍に駆け寄って来てくれたガキ共を、めいっぱい抱きしめた。
「ただいまっ! 待たせて悪かったな! 悪者を倒す準備ができたんだ! だから、帰ってきた!!」
「おかえりーっ!!」
口々にお帰りって言ってもらって、マジ泣きしそうになった。
あぁ、幸せだ。やっぱり俺は、マサキ施設が、お前等が大好きだ!!
「お前等、悪者を倒して、美羽先生を取り返すんだ! 俺様についてこいっ」
「おーっ!!」
全員、ウルトライダーの剣を持ち出した。これはライタの誕生日パーティー後、俺が円プロに高額な謝礼を送ったお返しに、全員分送ってくれたモンだ。
ただ、届いたものはそれだけじゃねーんだ。他の玩具も大量に届いたんだけど、美羽が他の施設のガキ共に分けたんだ。
沢山あるものは、みんなで分けましょう――美羽は、そんな風にガキ共に言ったんだ。
俺は何でも独り占めだったから、みんなで分けたりすることの大切さが良く解らなかったけど、スゲー優しい気持ちになれたんだ。
だからケンカにならないよう、ライタが一番欲しかったこの剣だけを人数分施設に残し、他は全部別の施設にやっちまったんだ。
他の施設のガキ共が、マサキ施設宛にお礼の手紙を送ってくれたのを見た時、ガキ共も喜んでいたし、俺も嬉しくなったんだ。
「いくぜっ!! ついてこいっ!!」
そんな優しさの詰まった大切なウルトライダーの剣を握りしめ、俺と横山とガキ共のパーティー全員で、悪者が待つ仕事部屋へ向かった。
これで花井、お前を倒してやる!!
俺と横山とガキ共パーティーで仕事部屋に向かうと、美羽と花井の声が聞こえて来た。
――美羽さん、さあ、行きましょう。
――触らなくても、自分で行けるわっ。
――反抗的な態度も、もう終わりですよ。貴女は今日から、私の妻になるんだ。
「そこまでだっ!!」
バーン、と思い切り派手な音を立てて扉を開け、全員で中になだれ込んだ。
これじゃあ、売ることもできねー。ま、架空会社のこの株が今後上昇を見せる事は無い。
借金、決定だな。
随分貯めこんだお前の資産も、これでパーだ。
施設の土地も、偽造して俺から奪い取ったモンだって証明するから、これもすぐに手元に戻る。
ま、どっちみち借金抱えたんじゃ、この土地だって差し押さえされんだろーけどな。そうなった時の手配も、既に整えてある。俺が押さえた。
この土地はもう、絶対に誰にも渡さねえ。
美羽。ようやくお前を取り返す事ができるんだな。
お前の生い立ち、横山に聞いて驚いた。お前がこの土地、施設そのものに拘ったのは――きっと、俺の想像もできないような、辛い理由なんだろーな。
でも、そんなの俺には関係ねー。
俺は、お前を絶対に取り返して、手に入れるんだ!!
久々の施設。二か月近く来なかったんだ。ボロ門は相変わらずだし、何も変わっちゃいねー。
俺の、大切な、大切な場所。
もう二度と、誰にも汚させない。踏み荒らさせない!!
横山と一緒に施設に入った。玄関と門は真秀に開けさせておいたから、難なく入れた。
コトが済んだら花井を警察へ連行してもらえるよう、SPも施設の外に待機させてある。
美羽の仕事部屋に、花井と真秀は居るハズだ。だから、俺は先に遊戯室へ向かった。
ガキ共がいた。
一、二、三・・・・数を数えたら全員、変わらず居た。誰一人、減っちゃいない。
嬉しくて、叫びたくなった。
ガキ共の姿を見ただけで、涙が溢れそうになった。
「お前等っ、元気だったか!」
遊戯室に足を踏み入れ、声をかけた。
「おっ・・・・お兄さんっ!」
「おーっ!!」
「王雅にぃっ!?」
「おーちゃん!」
「お兄さんっ!!」
俺は傍に駆け寄って来てくれたガキ共を、めいっぱい抱きしめた。
「ただいまっ! 待たせて悪かったな! 悪者を倒す準備ができたんだ! だから、帰ってきた!!」
「おかえりーっ!!」
口々にお帰りって言ってもらって、マジ泣きしそうになった。
あぁ、幸せだ。やっぱり俺は、マサキ施設が、お前等が大好きだ!!
「お前等、悪者を倒して、美羽先生を取り返すんだ! 俺様についてこいっ」
「おーっ!!」
全員、ウルトライダーの剣を持ち出した。これはライタの誕生日パーティー後、俺が円プロに高額な謝礼を送ったお返しに、全員分送ってくれたモンだ。
ただ、届いたものはそれだけじゃねーんだ。他の玩具も大量に届いたんだけど、美羽が他の施設のガキ共に分けたんだ。
沢山あるものは、みんなで分けましょう――美羽は、そんな風にガキ共に言ったんだ。
俺は何でも独り占めだったから、みんなで分けたりすることの大切さが良く解らなかったけど、スゲー優しい気持ちになれたんだ。
だからケンカにならないよう、ライタが一番欲しかったこの剣だけを人数分施設に残し、他は全部別の施設にやっちまったんだ。
他の施設のガキ共が、マサキ施設宛にお礼の手紙を送ってくれたのを見た時、ガキ共も喜んでいたし、俺も嬉しくなったんだ。
「いくぜっ!! ついてこいっ!!」
そんな優しさの詰まった大切なウルトライダーの剣を握りしめ、俺と横山とガキ共のパーティー全員で、悪者が待つ仕事部屋へ向かった。
これで花井、お前を倒してやる!!
俺と横山とガキ共パーティーで仕事部屋に向かうと、美羽と花井の声が聞こえて来た。
――美羽さん、さあ、行きましょう。
――触らなくても、自分で行けるわっ。
――反抗的な態度も、もう終わりですよ。貴女は今日から、私の妻になるんだ。
「そこまでだっ!!」
バーン、と思い切り派手な音を立てて扉を開け、全員で中になだれ込んだ。
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