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スマイル9・王様の告白
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それより、王雅は大丈夫なのかしら。
リカちゃんを庇って守ってくれるなんて、やっぱりいい所あるんだ。
子供には、優しいのね。昨日の夜も子供達の事心配してくれたし。
見直したわ。
二回ほど冷たいタオルを取り換えた所で、王雅が目を覚ました。
いきなり身体を起こそうとするから、声をかけた。「気が付いた?」
「平気だ。大した事ねえよ」
完全なウソだということはこの状況を見ればわかるけど、男だからヤセ我慢でもしているのでしょう。
「何言ってんの。頭に衝撃受けたのに、平気なワケないでしょ! 急に起き上がったりしたらダメよ。脳震盪起こしてるんだから」
王雅は複雑な顔をした。
「それより、リカは? アイツ、大丈夫か?」
「勿論、大丈夫よ。アンタのお陰で」
「そっか。そりゃよかった」
王雅が心底安心したような顔で、笑顔を漏らした。
優しいのね。本当にリカちゃんの事を心配して、守ってくれたんだわ。
ありがとう。
「リカちゃん、アンタの事すごく心配してたよ。お兄さんが死んじゃうって、泣いてた」
「死んじゃう!? んなわけねーだろが! 俺様を誰だと思ってんだ!? 不死身のオトコだぞ」
「アンタがぜんぜん目を覚まさないからでしょ。不死身だとでも思ってるんなら、さっさと目、覚ましなさいよね」
そう言うと、王雅が黙ってしまった。
あ、ちょっと傷ついた顔してる?
リカちゃんを助けてくれたのに、キツイ事言って悪かったかしら。
「でも、リカちゃんを庇ってくれて有難う。マーサ君が飛び出して来たから、咄嗟にリカちゃんがマーサ君を庇おうとして、アンタの前に飛び出しちゃったのよ」
「もういいよ、別に。ガキ共に怪我無かったんだろ?」
「ええ。それは大丈夫よ。それから、恭ちゃんも、ちょっとやり過ぎたって反省してた」
「やり過ぎ? そんな事ねーよ。男同士の真剣勝負だったからな。いーんだよ。だからアイツは経験者の癖に、コーナーの隅狙ってボール蹴ってゴールさせるようなセコイ真似しなかったし。もしかしたら単に俺を狙ってただけかもしんねーけどな」
恭ちゃんらしいわね。
まあ、王雅を狙ってたっていうのは、半分間違いじゃないでしょうけど。
「それより王雅、恭ちゃんがサッカーやってた事、知ってたの?」
気になったのよね。そんな事をわざわざ王雅に言った覚えないから。
「俺が知るわけねーだろ。やりやってりゃ、解る。メガ・・・・恭一郎のボールの威力はハンパなかったからな。ボール取るのも上手かったし」
なるほど。勘がいいのね、この男。
「恭ちゃん、Jリーガーになるのが夢だったからなあ」
「なりゃいーだろ。アイツならなれんじゃねーの」
「それはムリよ。大手企業の社長になるんだもん。その為の結婚も決まってるし」
「ふーん。でも、アイツが社長ね。お前と施設経営してる方が、よっぽど似合ってんのにな。貧乏はイヤになったか」
「違うわよ!」思わずムキになった。「恭ちゃんはね、施設のために、社長令嬢と結婚するの! 今、この施設本当にピンチだから、援助してもらってるのよ。・・・・恭ちゃんの、婚約者になった人に」
「で、めでたくお前は失恋したわけか。アニキに」
「なっ・・・・何言ってんのよ!」
突然の言葉に、動揺を隠せなかった。怒ってごまかした。
リカちゃんを庇って守ってくれるなんて、やっぱりいい所あるんだ。
子供には、優しいのね。昨日の夜も子供達の事心配してくれたし。
見直したわ。
二回ほど冷たいタオルを取り換えた所で、王雅が目を覚ました。
いきなり身体を起こそうとするから、声をかけた。「気が付いた?」
「平気だ。大した事ねえよ」
完全なウソだということはこの状況を見ればわかるけど、男だからヤセ我慢でもしているのでしょう。
「何言ってんの。頭に衝撃受けたのに、平気なワケないでしょ! 急に起き上がったりしたらダメよ。脳震盪起こしてるんだから」
王雅は複雑な顔をした。
「それより、リカは? アイツ、大丈夫か?」
「勿論、大丈夫よ。アンタのお陰で」
「そっか。そりゃよかった」
王雅が心底安心したような顔で、笑顔を漏らした。
優しいのね。本当にリカちゃんの事を心配して、守ってくれたんだわ。
ありがとう。
「リカちゃん、アンタの事すごく心配してたよ。お兄さんが死んじゃうって、泣いてた」
「死んじゃう!? んなわけねーだろが! 俺様を誰だと思ってんだ!? 不死身のオトコだぞ」
「アンタがぜんぜん目を覚まさないからでしょ。不死身だとでも思ってるんなら、さっさと目、覚ましなさいよね」
そう言うと、王雅が黙ってしまった。
あ、ちょっと傷ついた顔してる?
リカちゃんを助けてくれたのに、キツイ事言って悪かったかしら。
「でも、リカちゃんを庇ってくれて有難う。マーサ君が飛び出して来たから、咄嗟にリカちゃんがマーサ君を庇おうとして、アンタの前に飛び出しちゃったのよ」
「もういいよ、別に。ガキ共に怪我無かったんだろ?」
「ええ。それは大丈夫よ。それから、恭ちゃんも、ちょっとやり過ぎたって反省してた」
「やり過ぎ? そんな事ねーよ。男同士の真剣勝負だったからな。いーんだよ。だからアイツは経験者の癖に、コーナーの隅狙ってボール蹴ってゴールさせるようなセコイ真似しなかったし。もしかしたら単に俺を狙ってただけかもしんねーけどな」
恭ちゃんらしいわね。
まあ、王雅を狙ってたっていうのは、半分間違いじゃないでしょうけど。
「それより王雅、恭ちゃんがサッカーやってた事、知ってたの?」
気になったのよね。そんな事をわざわざ王雅に言った覚えないから。
「俺が知るわけねーだろ。やりやってりゃ、解る。メガ・・・・恭一郎のボールの威力はハンパなかったからな。ボール取るのも上手かったし」
なるほど。勘がいいのね、この男。
「恭ちゃん、Jリーガーになるのが夢だったからなあ」
「なりゃいーだろ。アイツならなれんじゃねーの」
「それはムリよ。大手企業の社長になるんだもん。その為の結婚も決まってるし」
「ふーん。でも、アイツが社長ね。お前と施設経営してる方が、よっぽど似合ってんのにな。貧乏はイヤになったか」
「違うわよ!」思わずムキになった。「恭ちゃんはね、施設のために、社長令嬢と結婚するの! 今、この施設本当にピンチだから、援助してもらってるのよ。・・・・恭ちゃんの、婚約者になった人に」
「で、めでたくお前は失恋したわけか。アニキに」
「なっ・・・・何言ってんのよ!」
突然の言葉に、動揺を隠せなかった。怒ってごまかした。
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