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Office09・長電話
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しおりを挟む「ええ――っ、櫻井さん、片想いしている女性がいるんですかぁっ!?」
現在、三輪さんとお食事中でございます、ハイ。
あの後三輪さんは櫻井さんと打ち合わせをすることになったから、真吾悪魔と二人で社に戻って、報告書諸々提出して、仕事をダダーっと終わらせて、アイツに捕まる前にさっさと帰社した。
毎度毎度、口止め料の支払いなんてやってらんないわ。誰とデートしようが、私の勝手だし。
三輪さんと待ち合わせして、お店に入って、今日の仕事のトラブルの事とかしっかり三輪さんに報告終わったトコロ。
その流れでナイトワンの話になったから、自動的に櫻井さんの話になり、やっぱり素敵な人だから、彼女位いますよねーって話から、櫻井さんが片想いしている女性のコト、聞いたトコロです。はい。
あぁーっ!! 残念っ!!
そりゃそうよね。櫻井さんみたいなイケメン、好きな女の一人や二人、居ても当然よねっ。
でも、片想いってスゴくない?
私だったら、あんな素敵なイケメン、自分を好きになってくれたらすぐオーケーするけど。
しかも櫻井グループっていう日本で指折りの会社の一人息子。次期社長候補で、超VIPなお金持ちっ。
最高じゃない? 好意を寄せられている女性が羨ましすぎるっ!
櫻井さんがどんな女性に片想いしてるか、気になる人は『コロッケスマイル』っていう作者別の作品読めば解るみたいよ。私も見てみようかな。
それより櫻井さん、二十三歳って聞いた。あの悪魔真吾君と同じ歳だよっ?
信じらんないっ!! 櫻井さん、大人っぽすぎるっ!
年上だと勝手に思った。私の方が二歳も年上なんて。
まあ、三輪さんも素敵だけどね。
結局私はココに落ち着いてしまうのよ。
あぁー。社外のラブ期待していたんだけどなー。
言い寄られた(?)のは、ブッ飛ばしたハゲオヤジ――和田さんの事よ――だけだし。
結局、櫻井さんはイケメンで素敵! って思ったけど、全く脈ナシな事が判明したからどーしようもないし、三輪さんを忘れさせてくれるような男がそうそう私の目の前に現れるとは、とても思えない。
はぁぁぁぁ。心の中で超特大のため息を吐いた。
今日は焼き鳥屋でお食事なの。お気に入りの焼き鳥屋、教えたんだ。
ココも、しょっちゅうアヤネと飲みに来る。三輪さんは焼き鳥も好きみたいで、美味しいとつくねを頬張っている。
ここのつくねは絶品なんだ! 私も大好物。
こーいうの食べていると、幸せを感じるわぁー。
仕事終わりの一杯はまた格別だし、本当はビールをガブ飲みしたいところだけど、三輪さんがいるからおしとやかに振舞っているのよ。おほほ。
レディースグラスの生ビールなんか初めて頼んでしまったし。普段の私なら、こんなんじゃ全く足りないわ。
でも大将に、あれ、今日和歌子ちゃんビール大ジョッキじゃないの? って大声で言われたから、今日は調子悪いのよ、って睨んでおいた。
空気読め! 好きな男連れてきてんのよっ。見たら解かるでしょーがっ!!
大将の言葉は苦笑いで流して、美味しい最高の焼き鳥を食べて、三輪さんと楽しくお喋りして、帰宅した。
悪魔が煩いから、ちゃんと午後十時前に帰宅した。
まあ、健全なデートだから?
間違いも起こらないし?
ただ、食事してるだけだし?
間違って欲しい訳じゃないけど、何もないっていうのもなー。
でも、奥さんを裏切ったりできないし。
どーしたらいいのかしら。
応援ありがとうございます!
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