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第十七話 令嬢達とのお茶会前編
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翌日、モ-ニングティ-で初めてあった、オダリングス侯爵令嬢であるジェシカ嬢は、何というか。
私の憧れるお姫様像がそのまま抜け出たような女性だった。
私がなりたかった、女の子らしい、女の子。
お姫様、と呼ばれるに相応しい庇護欲をそそりたくなる様な可憐な容姿。
どうやったらあの母親からこの娘が、と思うほどに可憐な外見に小柄で華奢な体格。
あんなに華奢な体格なのに、メリハリのある女性らしいライン。
背が高く、全体的にツルっとしてスト-ンとしているわが身と比べると、あ、だめ、泣きそう。
おまけに流れるような金髪にこぼれ落ちそうなくらい大きな瞳は碧眼で、小さな唇はぷっくりとして可愛らしく、私には到底似合わない淡いピンク色の紅が薄くのっている。
ジェイコブ様と二人一緒にいたら絵になるなぁ、と本気で思ってしまうくらいに。
しばらく呆けて見入ってしまい、そこで気が付く。
あぁ、そうか、従妹だからか。
この子は、ジェイコブ様と似ているんだ…
王妃様と侯爵夫人は似ていないのに、従妹同士が似るというのも面白いものだ。
気を取り直して微笑む。
仕切り直しだ。
「ごきげんよう、オダリングス侯爵令嬢、ブキャナン侯爵令嬢。
私がオタゴリア第一王女のアリシアよ。
以後、お見知りおきを。
まだ、カンタベルに来て日が浅いので、色々を教えていただけると嬉しいわ」
「アリシア王女殿下にはご機嫌麗しく存じ上げます。
お初にお目にかかります。ブキャナン侯が娘、マ-ガレットと申します」
「私は、オダリングス侯が娘、ジェシカです。
本日はお招きいただいて、恐悦至極に存じます」
二人そろって淑女の礼をとる。
マ-ガレット嬢は、母であるブキャナン夫人にそっくりだ。
穏やかそうな面差し、ややたれ目気味の瞳は濃いブラウン。
髪の毛はかなりカ-リ-なのか、きつく結って纏め上げている。
声は低めで、聞き取りやすい。
そしてジェシカ嬢は、母親同様に声が高いのだが、早口で捲し立てるような話し方はしない。だからか、その高さすら澄んだ甘い声に聞こえる。
私は視線で席に座る様に促す。
マ-ガレット嬢と一緒に座ると、ジェシカ嬢の小柄さが良く分かる。
きっとマ-ガレット嬢が平均的な女性の身長なのだろう。
彼女の小さく、儚げな様子に私はため息をつきたくなってくる。
勿論、そんな様子を微塵も見せずに私は微笑む。
余裕がある様な、王族の笑み。
フッフッフ、王女の仮面は鉄のように厚いのだ。
仮面というよりか、兜かもしれない。
だって武装にはかわりないからね。
最初はぎこちない雰囲気で始まるモ-ニングティ-は、そこは若い女性ということで話題が豊富。
カンタベルの美味しい食べ物の話や、お洒落の話など私が知らないカンタベルの一面を色々と教えてくれた。
そして、カンタベル内には王家が作った学園があると聞いて更に驚く。
しかも男性女性が学び舎は別として同じ敷地内にあるということも、私が驚いた一つだ。
オタゴリアには男性は騎士になるための専用の場所があるけれど、それ以外は、というか女性用なんてない。
基本自分の家で家庭教師について学ぶスタイルだ。
国によって違い過ぎて本当に面白い。
大分打ち解けて話始めた頃、ふいにジェシカ嬢の視線を感じた。
いや、正確には彼女が見ているのは私の後だ。
彼女は私の後ろを注視していた。
反射的に振り向くと、ジェイコブ様と、護衛が見えた。
ジェシカ嬢は花が咲いたような、可憐な笑みで手を振りながら嬉しそうに名前を呼ぶ。
「ジェイキ-、ジェイク!」
その顔はとても幸せそうで、いかにも恋する少女、の顔だ。
「やぁ、アリシア王女殿下。
ブキャナン侯爵令嬢、オダリングス侯爵令嬢、私の婚約者殿とのモ-ニングティ-はどうだい?」
私達は全員立ち上がり礼をとる。
「少し時間が出来たから、顔を出してみただけなので、そこまで改まらなくてもいいよ?」
臣下にむけているからか、普段よりもジェイコブ様の口調がややくだけている。
「ジェイク、今日は時間があるのね?
最近は私が王宮に訪れても会えなかったのに」
甘えたような拗ねたようなその発言に、ジェイコブ様は困ったような顔をしてジェシカ嬢を見る。
だけど、口元に浮かぶ微笑みは儀礼的な笑みとは違って自然だ。
ジェシカ嬢の口調も、仕草も、二人の間に交わす視線には親密さを感じされられる。
なにせ彼女が口にするジェイク、ジェイキ-はジェイコブ様の愛称だろうし。
彼自身も自分の愛称で呼ぶことを許しているのだ、本当に仲が良いのだろう。
「ジェシカ様、王太子殿下と王女殿下の御前です」
マ-ガレット嬢が彼女を小声で諫める。
きっと、ブキャナン侯爵夫人からこの役目を担ってきたのだろう。ご苦労なことだ。
心の中で彼女に同情する。
私はジェイコブ様とジェシカ嬢の、この二人の関係性が良く分からないから、観察するチャンスと言えばチャンスなのだ。
実際二人揃っているところを見るまでは、そう思っていた。
なのに、ジェイコブ様とジェシカ嬢を目の当たりにすると胸が痛んだ。
二人の秘密を見せつけられたような、私という存在が二人の邪魔をしているような、そんな気分になる。
だって、だって、何てお似合いの二人なのだろう。
彼女なら、きっと私がデビュタントの時に用意したあの白いパンプスを履きこなすことが出来たに違いない。
ふんわりとしたパフスリ-ブ、沢山のレ-スを使った可愛らしいドレス。
そして、彼女なら誰と踊っても絵になるカップルになるのだろう。
…。
彼女なら、きっとジェイコブ王太子殿下と並んでもおかしくないだろう。
私、では、なく。
気づかれないように、ジェイコブ様からそっと視線を外した。
私の憧れるお姫様像がそのまま抜け出たような女性だった。
私がなりたかった、女の子らしい、女の子。
お姫様、と呼ばれるに相応しい庇護欲をそそりたくなる様な可憐な容姿。
どうやったらあの母親からこの娘が、と思うほどに可憐な外見に小柄で華奢な体格。
あんなに華奢な体格なのに、メリハリのある女性らしいライン。
背が高く、全体的にツルっとしてスト-ンとしているわが身と比べると、あ、だめ、泣きそう。
おまけに流れるような金髪にこぼれ落ちそうなくらい大きな瞳は碧眼で、小さな唇はぷっくりとして可愛らしく、私には到底似合わない淡いピンク色の紅が薄くのっている。
ジェイコブ様と二人一緒にいたら絵になるなぁ、と本気で思ってしまうくらいに。
しばらく呆けて見入ってしまい、そこで気が付く。
あぁ、そうか、従妹だからか。
この子は、ジェイコブ様と似ているんだ…
王妃様と侯爵夫人は似ていないのに、従妹同士が似るというのも面白いものだ。
気を取り直して微笑む。
仕切り直しだ。
「ごきげんよう、オダリングス侯爵令嬢、ブキャナン侯爵令嬢。
私がオタゴリア第一王女のアリシアよ。
以後、お見知りおきを。
まだ、カンタベルに来て日が浅いので、色々を教えていただけると嬉しいわ」
「アリシア王女殿下にはご機嫌麗しく存じ上げます。
お初にお目にかかります。ブキャナン侯が娘、マ-ガレットと申します」
「私は、オダリングス侯が娘、ジェシカです。
本日はお招きいただいて、恐悦至極に存じます」
二人そろって淑女の礼をとる。
マ-ガレット嬢は、母であるブキャナン夫人にそっくりだ。
穏やかそうな面差し、ややたれ目気味の瞳は濃いブラウン。
髪の毛はかなりカ-リ-なのか、きつく結って纏め上げている。
声は低めで、聞き取りやすい。
そしてジェシカ嬢は、母親同様に声が高いのだが、早口で捲し立てるような話し方はしない。だからか、その高さすら澄んだ甘い声に聞こえる。
私は視線で席に座る様に促す。
マ-ガレット嬢と一緒に座ると、ジェシカ嬢の小柄さが良く分かる。
きっとマ-ガレット嬢が平均的な女性の身長なのだろう。
彼女の小さく、儚げな様子に私はため息をつきたくなってくる。
勿論、そんな様子を微塵も見せずに私は微笑む。
余裕がある様な、王族の笑み。
フッフッフ、王女の仮面は鉄のように厚いのだ。
仮面というよりか、兜かもしれない。
だって武装にはかわりないからね。
最初はぎこちない雰囲気で始まるモ-ニングティ-は、そこは若い女性ということで話題が豊富。
カンタベルの美味しい食べ物の話や、お洒落の話など私が知らないカンタベルの一面を色々と教えてくれた。
そして、カンタベル内には王家が作った学園があると聞いて更に驚く。
しかも男性女性が学び舎は別として同じ敷地内にあるということも、私が驚いた一つだ。
オタゴリアには男性は騎士になるための専用の場所があるけれど、それ以外は、というか女性用なんてない。
基本自分の家で家庭教師について学ぶスタイルだ。
国によって違い過ぎて本当に面白い。
大分打ち解けて話始めた頃、ふいにジェシカ嬢の視線を感じた。
いや、正確には彼女が見ているのは私の後だ。
彼女は私の後ろを注視していた。
反射的に振り向くと、ジェイコブ様と、護衛が見えた。
ジェシカ嬢は花が咲いたような、可憐な笑みで手を振りながら嬉しそうに名前を呼ぶ。
「ジェイキ-、ジェイク!」
その顔はとても幸せそうで、いかにも恋する少女、の顔だ。
「やぁ、アリシア王女殿下。
ブキャナン侯爵令嬢、オダリングス侯爵令嬢、私の婚約者殿とのモ-ニングティ-はどうだい?」
私達は全員立ち上がり礼をとる。
「少し時間が出来たから、顔を出してみただけなので、そこまで改まらなくてもいいよ?」
臣下にむけているからか、普段よりもジェイコブ様の口調がややくだけている。
「ジェイク、今日は時間があるのね?
最近は私が王宮に訪れても会えなかったのに」
甘えたような拗ねたようなその発言に、ジェイコブ様は困ったような顔をしてジェシカ嬢を見る。
だけど、口元に浮かぶ微笑みは儀礼的な笑みとは違って自然だ。
ジェシカ嬢の口調も、仕草も、二人の間に交わす視線には親密さを感じされられる。
なにせ彼女が口にするジェイク、ジェイキ-はジェイコブ様の愛称だろうし。
彼自身も自分の愛称で呼ぶことを許しているのだ、本当に仲が良いのだろう。
「ジェシカ様、王太子殿下と王女殿下の御前です」
マ-ガレット嬢が彼女を小声で諫める。
きっと、ブキャナン侯爵夫人からこの役目を担ってきたのだろう。ご苦労なことだ。
心の中で彼女に同情する。
私はジェイコブ様とジェシカ嬢の、この二人の関係性が良く分からないから、観察するチャンスと言えばチャンスなのだ。
実際二人揃っているところを見るまでは、そう思っていた。
なのに、ジェイコブ様とジェシカ嬢を目の当たりにすると胸が痛んだ。
二人の秘密を見せつけられたような、私という存在が二人の邪魔をしているような、そんな気分になる。
だって、だって、何てお似合いの二人なのだろう。
彼女なら、きっと私がデビュタントの時に用意したあの白いパンプスを履きこなすことが出来たに違いない。
ふんわりとしたパフスリ-ブ、沢山のレ-スを使った可愛らしいドレス。
そして、彼女なら誰と踊っても絵になるカップルになるのだろう。
…。
彼女なら、きっとジェイコブ王太子殿下と並んでもおかしくないだろう。
私、では、なく。
気づかれないように、ジェイコブ様からそっと視線を外した。
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