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第十九話 鬱々とした気分
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私の機嫌が良かろうが悪かろうが、きっちりと朝がくる。
そしてもう毎朝恒例のジェイコブ様と一緒に取る食事。
昨日の二人がちらついて、素直に彼の顔を見ることが出来ない。
そんな私に気が付いて、瞳を覗き込む様にして大丈夫なのか確認してくれるジェイコブ様の優しさに、嘘はないと思う。
だから、私も色々と立て込んでいるので少々疲れただけです、と微笑む。
まさか言えない。
一緒にいて、彼に恥をかかせたくないと思ってしまった、なんて。
まさか、言えない。
ジェシカ嬢と一緒にいるところを想像して落ち込んだなんて。
彼女と比較されたくない、と思ったなんて。
私は、こんなにも弱い女だったのか。
こんな醜い思いを抱く人間だったのか。
自分が知らない自分の嫌な部分に驚く。
話も途切れがちになり、モ-ニングティ-はあっという間に終わり、ただジェイコブ様に気を使わせるだけの時間になってしまった。
出来るだけ普通に王女モ-ドの私で接していたのだけど、いや、まぁ、うん、普通とは言えなかったけど、気が付くなんて。
これだけ長い間家族と離れて過ごしたことがなかったので、とでも言ったらもっと真実味が出たかもしれない。
そうだよ、そう答えれば良かった。
ジェイコブ様と弟のアンドリュ-王子とジョアンナ王女のやり取りを見て懐かしく思ってしまいましたの、と答えれば良かったのだ。
寂し気に目を伏せて。
あながち間違えていない。
あんな兄だけど、やっぱりいるといないとでは心強さが違うから。
それにこのセリフの方が、儚い感じの女の子らしさが出ている感じもするし。
あぁ、失敗した。
今更思いついても意味がないじゃないか。
ジェイコブ様の傍にいると、なぜか落ち着かなくて王女の仮面が剥げやすくなってしまう。
全てが今みたいに後手後手な感じで。
これが一番の問題かもしれない。
彼の慧眼を褒めたほうが良いのか、私が己の未熟さを嘆いたらいいのか。
両方ね、うん。
私もまだまだ、だわ。
レセプションパ-ティが近い為、最近は付きっきりでキャンベラ伯爵夫人とパ-ティについての話し合いが多い。
オタゴリアにいる間の1年間で色々と覚えたつもりでいたけれど、やっぱり現地に来ないと分からない事が多いのを身をもってしった。
正直言えば覚えることが多すぎて、私も息抜きのお茶の時間が嬉しい。
「改めて言うまでもありませんが、レセプションパ-ティがオタゴリアでいう結婚式みたいなものです。
ようは、お披露目ですからね。
そんな浮かない顔をして、レセプションパ-ティに出てしまわれてはオタゴリアはこの結婚に不満があると誤解されてしまいますよ」
キャンベラ伯爵夫人に窘められても、私の気持ちは晴れない。
しっかりしないと。
そう思っていても。
「…ジェイコブ様、ジェスって愛称でお呼びになっていたわ。
そして、彼女もジェイキ-とかジェイクって話しかけていたわ」
私のつぶやきに、キャンベラ伯爵夫人は片方の眉を少しだけ上げる
そしてさり気なく周囲を見回してから、声を落とす。
「それは、オダリングス侯爵令嬢令嬢の事でよろしいのでしょうか?」
私はそれに否とも是とも答えない。
「それだけ、親しいのでしょうね。
私はまだ彼と会って日数も短いのです、仕方ないかもしれませんが…
彼女、婚約者がいないと言ってました。
まだ私と結婚前なのにすでに側妃候補として名前があがっているのか、と穿った見方をしてしまって」
キャンベラ伯爵夫人が私から目を逸らした。
彼女も思い当たるのだろう。
「確かに…侯爵令嬢で、あの年で婚約者がいらっしゃらないのは不自然ですものね…
この国の王族は側妃が認められていますけど、まだ結婚式もあげていない段階でそんな話は聞いたことありませんから、あまり深くお考えにならないほうがよろしいですわ。
王妃様が第2子が中々授からなかったので側妃様を召し上げになったと聞いております。
…確かにオタゴリアでは考えられない事ですから、王女殿下の気持ちも分からなくはないですけど」
気遣う様に優しげな声で、キャンベラ伯爵夫人が私を慰める。
頭では分かっている。
だけど、気持ちが追い付かない。
本音を言えば。
普通の身長で、普通の恋人同士みたいに、彼に寄り添って甘えてみたい。
そう、あの時のジェシカ嬢みたいに。
甘える、なんて、私はそんな柄じゃないのは分かっているけど。
そしてもう毎朝恒例のジェイコブ様と一緒に取る食事。
昨日の二人がちらついて、素直に彼の顔を見ることが出来ない。
そんな私に気が付いて、瞳を覗き込む様にして大丈夫なのか確認してくれるジェイコブ様の優しさに、嘘はないと思う。
だから、私も色々と立て込んでいるので少々疲れただけです、と微笑む。
まさか言えない。
一緒にいて、彼に恥をかかせたくないと思ってしまった、なんて。
まさか、言えない。
ジェシカ嬢と一緒にいるところを想像して落ち込んだなんて。
彼女と比較されたくない、と思ったなんて。
私は、こんなにも弱い女だったのか。
こんな醜い思いを抱く人間だったのか。
自分が知らない自分の嫌な部分に驚く。
話も途切れがちになり、モ-ニングティ-はあっという間に終わり、ただジェイコブ様に気を使わせるだけの時間になってしまった。
出来るだけ普通に王女モ-ドの私で接していたのだけど、いや、まぁ、うん、普通とは言えなかったけど、気が付くなんて。
これだけ長い間家族と離れて過ごしたことがなかったので、とでも言ったらもっと真実味が出たかもしれない。
そうだよ、そう答えれば良かった。
ジェイコブ様と弟のアンドリュ-王子とジョアンナ王女のやり取りを見て懐かしく思ってしまいましたの、と答えれば良かったのだ。
寂し気に目を伏せて。
あながち間違えていない。
あんな兄だけど、やっぱりいるといないとでは心強さが違うから。
それにこのセリフの方が、儚い感じの女の子らしさが出ている感じもするし。
あぁ、失敗した。
今更思いついても意味がないじゃないか。
ジェイコブ様の傍にいると、なぜか落ち着かなくて王女の仮面が剥げやすくなってしまう。
全てが今みたいに後手後手な感じで。
これが一番の問題かもしれない。
彼の慧眼を褒めたほうが良いのか、私が己の未熟さを嘆いたらいいのか。
両方ね、うん。
私もまだまだ、だわ。
レセプションパ-ティが近い為、最近は付きっきりでキャンベラ伯爵夫人とパ-ティについての話し合いが多い。
オタゴリアにいる間の1年間で色々と覚えたつもりでいたけれど、やっぱり現地に来ないと分からない事が多いのを身をもってしった。
正直言えば覚えることが多すぎて、私も息抜きのお茶の時間が嬉しい。
「改めて言うまでもありませんが、レセプションパ-ティがオタゴリアでいう結婚式みたいなものです。
ようは、お披露目ですからね。
そんな浮かない顔をして、レセプションパ-ティに出てしまわれてはオタゴリアはこの結婚に不満があると誤解されてしまいますよ」
キャンベラ伯爵夫人に窘められても、私の気持ちは晴れない。
しっかりしないと。
そう思っていても。
「…ジェイコブ様、ジェスって愛称でお呼びになっていたわ。
そして、彼女もジェイキ-とかジェイクって話しかけていたわ」
私のつぶやきに、キャンベラ伯爵夫人は片方の眉を少しだけ上げる
そしてさり気なく周囲を見回してから、声を落とす。
「それは、オダリングス侯爵令嬢令嬢の事でよろしいのでしょうか?」
私はそれに否とも是とも答えない。
「それだけ、親しいのでしょうね。
私はまだ彼と会って日数も短いのです、仕方ないかもしれませんが…
彼女、婚約者がいないと言ってました。
まだ私と結婚前なのにすでに側妃候補として名前があがっているのか、と穿った見方をしてしまって」
キャンベラ伯爵夫人が私から目を逸らした。
彼女も思い当たるのだろう。
「確かに…侯爵令嬢で、あの年で婚約者がいらっしゃらないのは不自然ですものね…
この国の王族は側妃が認められていますけど、まだ結婚式もあげていない段階でそんな話は聞いたことありませんから、あまり深くお考えにならないほうがよろしいですわ。
王妃様が第2子が中々授からなかったので側妃様を召し上げになったと聞いております。
…確かにオタゴリアでは考えられない事ですから、王女殿下の気持ちも分からなくはないですけど」
気遣う様に優しげな声で、キャンベラ伯爵夫人が私を慰める。
頭では分かっている。
だけど、気持ちが追い付かない。
本音を言えば。
普通の身長で、普通の恋人同士みたいに、彼に寄り添って甘えてみたい。
そう、あの時のジェシカ嬢みたいに。
甘える、なんて、私はそんな柄じゃないのは分かっているけど。
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