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第2章
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「あ、すいません」
通り掛かった店員さんに声を掛ける。
あたしの呼びかけを受けた彼女はちらり、視線を向けると。
「はい!いかがなさいましたか?」
「………」
『えー…と、カフェオレ二つで』
「かしこまりました!ごゆっくりどうぞー」
直ぐに視線を(強制的に)イサゾーへと向け直し、受注体勢へ。
声を掛けたのは間違いなくあたしなのに。
まるでこっちの存在は最初から無かったとでも言う風に、イサゾーにのみ注文を求めるから。
ちょうど女が厨房へと姿を消した瞬間を見計らって、眉尻を思い切り吊り上げたあたしはイサゾーに耳打ち。
「ちょっと何、あの女。ウエイトレス向いてないんじゃないの」
『オンナなんてそんなモンじゃない。つまんない生き物』
「ときにイサゾー。聞きたいことが山ほどあるんだけど」
隻手をぶらぶらさせて半眼でこっちを見据えるイサゾーは、前触れ無く身を乗り出したあたしを目の当たりにするや否やギョッと目を見開いた。
『分かったから落ち着きなさいってアンタ!』
「イサゾー、あんまり大きい声だすとオネエだってばれちゃうよー?」
『このアマ』
「あたしはイサゾーのキレるポイントが未だによく分からないよ」
はあ、と細く息を吐き出したイサゾー。
潔く席に再度腰をおろしたあたしを見て安堵したらしく、ふわふわなハニーブラウンの髪を一気に掻き上げる。
するとその腕に通されていたお洒落なブレスレットが、カラリと小さな音を立てて肘のほうへ移動した。
『ほんと、なーんでアタシあのときアンタには最初からバラしちゃったんだろ。いつもなら徹底的に隠すのに』
「それってオネエのこと?」
『………、まあ』
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