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第2章
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無事に両替を終え、ユカリたちの元に戻ろうと踵を返し掛けたときだった。
「………あの」
眼前を肉壁の如くガードされ、向こうの様子すら窺うことが出来ない。
思わず寄った眉根もそのままに、その当事者である人物たちにぶっきら棒極まりない声音を向けるあたし。
ニヤニヤと、正直(失礼かもしれないけれど)薄気味悪い笑みを貼り付けて此方を見下ろす男三人。
あの、って言ってんじゃん。つまり退けってニュアンス的には伝わってる筈じゃん?
……にも関わらず、目の前に居る三人の男どもは道をつくる気配すら見せない。て言うか、明らかにあたしをターゲットとして見ている雰囲気が露骨すぎるほど伝わってくる。
ガタイがいい癖に制服を身に纏っていることから見て、どうやら向こうも高校生らしい。
寧ろあんたらに着られている制服が可哀相だ。
「退いて欲しいんですけど」
「ひゅー、強気な女は嫌いじゃねぇよ?」
「……はぁ?」
「つーかアンタも悪いんだぜ?そんなに脚出してて男に寄るな、ってほうが無理あるだろ」
「確かにー」
ギャハハ、と至極下品な笑い声を響かせて大きな身体を揺する男たち。
その視線は舐めるようにあたしの太腿を滑っていて、思わず吐き気を催した。気持ち悪いったら無い。
そのまま何事も無かったことにしたくて、僅かながらに存在する男たちの隙間を縫って脱出しようとしたけれど。
「―――…待てって。分かってんだろ?」
まあ、無理だろうなとは思った。
ガシリと掴まれた手首は痛いくらい力が込められていて、思わず「っ」小さく呻きを上げてしまう。
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