上 下
30 / 30

㉚続後書き

しおりを挟む
手紙
足長お兄さんへ。
私の体は三ヶ月しか持ちません。
って、知ってるか。
色々ありがとうございます。
私は生まれて来ていいんだと思わせてくれて本当に感謝しています。
照れ臭いからあまり言わなかったけど愛しています。この気持ちだけは変わりません、永遠に。
教会での結婚式嬉しかったな、あれほどときめいたことはありませんでした。私が結婚式で着けてたヘアピンは分かった。あれは、式の人が取った方がいいって言われたけど、始めての足長お兄さんからもらったものだから、着けました。
無理して。
でも、可愛かったでしょ。
惚れ直したでしょ。
いくつもの足長お兄さんとの記憶は消えません。だから恋して下さい。
私を忘れない程度にね。
私を忘れないでね。
私は幸せでした。
それ以上にお別れは言っていたので、割愛します。
生きていれなくてごめんなさい。
一日でも長く生きたかった。
私は生きたかった。
あんまり足長お兄さんのことを困らせたくないので以上にします。
大好きな足長お兄さん。
手紙終わり

手紙を持ち涙が溢れている。
死という現実を変えれなかった。

「でも、これでいいんだよね。足長お兄さん」

文字での変装をとり、光に戻った。
そう、光は足長お兄さんに変装していた。月菜の願いを叶えていたのは光だった。
これで、足長おにいさんこと、翔の願いは叶えたよ。
病院を後にした
「そうだ」
「神様の前で嘘いっちぇった。でも許してくれますよね神様」
「だってあの子の為だから」
神は気まぐれで悪戯好きなのだ。
ありがとう、あの子に最後の時間をくれて
光は晴天の雲が全くない空を見上げている。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...