①三人の天秤~二人だけの友達~

落雷リョウ

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㉖安倍晴明登場

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一か月が過ぎようとするころ、
 この霊山に踏み入ろうとする奴がいる。
「何者だ」
 太郎は不審者の前に立ちふさがった。
「私は京の安倍晴明様の使者です」
 懐から、手紙を出した。
「亮様にこれを、京で待ってますと」
 太郎は手紙を受け取り、侵入者が出て行くのを見て、師匠に手紙を渡した。
 そして、俺ら三人は京に上った。
「ここか、安倍晴明って奴の場所は」
 太郎は周りを見ている。見ると京の中でも特別な作りがしていて広そうだ、しかし、俺達がいた霊山の方が数十倍大きい。でも、見るからに特別に見える。町では考えられない場所であるということは理解はできている。それもそのはず門からしても考えられない仕様である。
「おい、お前たち誰の許しをへて入って来ているのだ」
 ひょっとこの仮面をつけた謎の男が三人の前に立ちふさがった。
「この方たちは安倍晴明様から招集をかかった方たちです。」
門番はひょっとこの仮面に三人の説明をした。
「うるせえ」
「勝負しろ、そして、俺に勝てたら認めてやるよ」
「俺が行こう」
 太郎はそいつを見ている
「お前名前は」
「俺は柳一門の宗だ」
「俺は、太郎だ宜しく」
 二人は礼儀正しく頭を下げた。
「じゃ、俺の文字を見せてやる。化物」
 体が四周りも大きくなった。
「へえ、でかいだけ」
 宗はカチンと来て右手で太郎目掛けて攻撃した。
 するりとかわす太郎、目が宗から離れない。
 攻撃を乱打で攻撃してくる宗、それをかわす太郎は相手の出方を研究している。
 攻撃が止みお互いが一定の距離を離す。
「一撃で決めてやるよ」
 太郎は、宗を挑発する。
 それに向かって行く宗は、痛い目を見るだろうということは、宗には予測は出来ない。
 太郎は叫んだ。
 体に火を纏い、鯉の滝上りみたいに周りの酸素を吸収し大きくなる。
 周りをねって酸素を取り入れて動くだけで、龍へと消化した。それも火の龍へ。太郎はまだまだ火力を上げるために雲の中へと消えた。
 そして、太郎は雲の中から出てきて大きな火の龍が化物の宗に大声を上げながら攻撃する。
「飛煉群如」
 攻撃は宗に当たり宗は体から煙を出しながら倒れた
「悪いな手加減できなくて」
 そこにいた者は気づいた、こいつはなかなかやる奴だ。
「兄さんたちいいんですかい」
「早く清明様の所に行かなくて」
 後ろから小太りな男が喋りながら出てきた。
「やあやあ、来るのが遅すぎてこちらから来てしまいましたよ」
 安倍晴明がいた。嫌。いる。どっちだ。そんなことはいい。なぜ、気配に皆は気づかなったのか。流石、安倍晴明だと思ってしまう。
「でもいいものが見れました」
「君の文字は火なんだね」
 安倍晴明は興味深そうに言葉を続けている。
「はい」
太郎は安倍晴明を軽く見ていた。太郎たちのずるに気づかない奴らだと小馬鹿に考えている。でも、違った。安倍晴明様は凄い方だと次の言葉で思い知ることになる。
「でも君一人の力じゃないよね。他に協力者がいる。だから、この勝負は引き分けでいいね」
 安倍晴明だけは分かっていたんだ。どうやって小細工を入れたかも知らないひよっこどもだと思っていたけど、この人は格が違う。
「はい」
 何故わかったんだ、やっぱりこいつはただ者ではないと考えつつ、もう一度安倍晴明をちゃんと見た。この人の前で粗相は出来ないと直感で気づいた。まるで、針のむしろに立たされているようだ。決して、師匠は弱くない。でも、この人は師匠よりも強いと直感した。
 言葉がでない。
 太郎と正は自分達の違法行為を咎められた。さあ、この二人はどんな違法行為をしたのか。それは、正の操作の文字で空気量を操作したのだ。太郎一人で龍にはなれない。正の空気操作があって初めて龍になれるのだ。一対一の勝負に水をさした。分からなければいいと思い、違法行為をした。本当に反省ものだ。
 清明がこちらを見てほくそ笑んでいる。
「今日から京に滞在することを許可する」
「きょうからときょうのね」
 なんか掴みどころがなさそうな人だ。
「あっはははは」
 案外いい人、なんかこの人は温かそうだ。
 清明はここから立ち去る。
 側近の丑寅に清明が言葉を出した。
「あいつらにここの主人は誰かを認めさせるために博愛を放った。このままじゃ、あの弱い宗を見てこの京のレベルを誤解されそうだからね。あいつは、末端の末端だ」
「私に勝てる奴はいないということを理解させないとね」
「あいつらに」
 清明様のあの怖い顔は久しぶりだと。丑寅は考えを巡らす。


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