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しおりを挟むヴィクトールは、汗ばんでいる相手の首を眼下に見た。
細い首だ――と、思う。ヴィクトールがチカラを込めて握れば、おそらく簡単に砕けてしまうことだろう。
総じて繊細な存在だと、ノアに対して感じざるを得ない。
腰を折って少女のうなじに唇を寄せれば、内部の粘膜が切なげに締まった。ヴィクトールは小さく笑う。
「なんだ、ここも良いのか?」
「ち、ちが――ぁあンッ!」
うなじに甘く歯を立ててやると、内壁がまた収斂した。打てば響く肉体の敏感さは、どうあってもヴィクトールを飽きさせることがない。
噛んだ箇所を舐めながら、彼女の秘所を指で掻きまわす。熱いうなじは、ほのかに塩の味がした。
「ひ、っん! やぅ、アッ……だめです……ッ」
「駄目なようには見えんがな。中がとろけているのは自分でもわかるだろう。ほら、指を増やすぞ」
「あっ、ァ……あっ……!」
中を乱す指を増やせば、拒絶の言葉とは裏腹にノアの腰はいやらしく揺れる。
その動きと共に細いしっぽも揺れて、まるでなにかを訴えるかのごとくヴィクトールの腕に絡みついてきた。
とめどなく溢れる愛液が指を伝い、ヴィクトールの掌と手の甲を濡らす。
故意に相手の弱い箇所を苛み続けると、ノアの膝が震えた。
「も、立てなくなっちゃいます……っ」
「若者が泣き言か? もう少し頑張らんか」
からかうふうに返せば、少女は微かにうなる。まるで、本当に猫にでもなったようだった。
執拗に、的確に、ヴィクトールの指はノアを追いつめる。
ノアは息を乱して身悶えながら、それでも崩れ落ちてしまわないよう必死に足にチカラを込めて、見るからに健気に、懸命に立っていた。
「はぁ、ア……っ! そんなにされたら、私、また……ッ」
「果てるか?」
短い問いに、彼女は頷く。ヴィクトールは、秘部への刺激をより強めた。
腰をガクガクと震わせながら、ノアは泣き声だか嬌声だかつかぬ声をあげつつ、身をよじる。
「ぁンッ、あぁっ……! いく、また……いっちゃ……!」
その台詞に、嘘はなかっただろう。なにより、この状態の彼女に嘘をつく余裕などあるはずもない。
故に、ヴィクトールは相手を攻め立てる自身の手を止めた。ノアが快感の頂に達する、まさにその寸前。ヴィクトールは手を止めて、高みに登りつめる彼女の意識を引きずりおろしたのである。
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