20 / 23
20
しおりを挟むキッチンに、卑猥な水音が響き渡る。
それは、いつも食事をしている場所で淫らなおこないをしているという自覚を強めた。
きっと、事が終わったあともノアはこの場所を目にするたびに、抱かれたことを思い出すのに違いない。
そう考えてつい笑みをうかべてしまう自分はやはり性格がよくないのだなと、改めてヴィクトールは考えた。
ひとりの男の頭の中など露知らず、少女は従順に快楽に翻弄されて、身悶えながら許しを請う。
「ふあァッ、あっ、ァあああっ! も、ゆるしてください……!」
「許すなどと、まるで儂が非道な仕打ちをしているかのような言い草だな」
依然として苛む動きをゆるめないまま、ヴィクトールは小さく声に出して一笑した。
ノアの足からは、すっかりチカラが抜けてしまっている。いや、チカラが抜けているというより、チカラが入らない――というほうが近いのかもしれなかった。
そんな相手の体を、ヴィクトールが無理矢理ささえている状態にある。
こういった現状を考えると、ある意味では「非道な仕打ち」と言えるのかもしれなかった。なにせ、相手はヴィクトールが与える愉悦から、のがれることが出来ない。
ヴィクトールは腰を押しつけて、少女の弱い箇所を微塵の手加減もなくえぐる。
すると、ノアは髪を振り乱して流し台に爪を立てた。ますます猫のようだと、どこか冷静な頭でヴィクトールは思う。
「やうぅ、ンあぁアッ! ひくひくするの、止まんな……ッ」
本人の言う通り、先程かるく達してからというもの、彼女の秘所は小さく痙攣し続けていた。絶頂の波がおさまらないのかもしれない。
愛液も、いっそ心配になるほど溢れ続けている。ノアの内腿は、きっと今ごろ粘液で濡れそぼっていることだろう。
少女の細い指が台に縋っている様を、ヴィクトールは眺めた。手は指先まで震え、それでも懸命に流し台を掴んでいる。まるで、その意思が最後の理性であるとでも言うふうに。
そんな最後の理性さえも崩してやりたいと感じるのは――おかしなことだろうか。
答えのない問いを虚空に投げて、ヴィクトールは腰を引き、次いで相手の深奥を貫いた。熱の塊で、少女の繊細かつ過敏な粘膜を攻め立てる。
「ひぁあアアッ! やめっ、ぐりぐりしないでぇ……!」
細い猫のしっぽが痙攣し、柔壁は屹立を食い千切らんばかりに収斂した。
ヴィクトールもこれにはさすがに息をつめ、眉根をきつく寄せる。
こめかみのあたりが熱くなった。脈動が耳の奥にまで響き、眼球の奥を焼く。
直後、法悦の渦がヴィクトールを飲み込み、ヴィクトールはそのまま少女の最奥で白濁を吐いた。
23
あなたにおすすめの小説
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
辺境伯と幼妻の秘め事
睡眠不足
恋愛
父に虐げられていた23歳下のジュリアを守るため、形だけ娶った辺境伯のニコラス。それから5年近くが経過し、ジュリアは美しい女性に成長した。そんなある日、ニコラスはジュリアから本当の妻にしてほしいと迫られる。
途中まで書いていた話のストックが無くなったので、本来書きたかったヒロインが成長した後の話であるこちらを上げさせてもらいます。
*元の話を読まなくても全く問題ありません。
*15歳で成人となる世界です。
*異世界な上にヒーローは人外の血を引いています。
*なかなか本番にいきません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる