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98 地下ダンジョン改造計画!
しおりを挟むそんな事を繰り返し、住人の能力を開花させた影響か、最近は地下10階まで頻繁に冒険者達が来るようになっているらしい。
そのため、今日はゴブローさんの要請でネーヴェリクと共に地下ダンジョンのバックヤードに来ていた。
「主様、今回は急にお呼び立てしてしまい、申し訳ありませんでした」
「いや、構わない。……て、ゴブロー……なんか、デカくなってないか?」
そうなのだ。ゴブリン・ロードのはずのゴブローさんが妙にデカイ。
ゴブリンは別名「小鬼」と呼ばれ、一番大きいはずのゴブリン・ロードのゴブローさんでも人間の平均的女性とそれほど体格差が無いはずなのに……
どう見ても、人間の平均男性よりは少し背が高い俺よりも、さらに顔二つ分くらいデカイ。
これは、もう「小鬼」の域を超えてないか!?
「は! 実は先日、格上のサキュバス・クイーンを倒しまして……」
「えっ!? サーキュ様を!?」
「……お、おぅ!?」
サーキュを倒した!?
思わず変な声が出てしまった。
いや、まぁ、確かに、サーキュはそんなに直接的物理攻撃力が高い方ではないが、それでも、アイツの【魅了】は男……それも、ゴブリン種みたいな「性欲が強く、子供を孕ませる能力が高い種族の成人男性」にとっては相性最悪のはずだが!?
魔力量はかなり減っていたけれども、一応、アイツ、元魔王軍四天王の一角なんだぞ!?
ルシーファみたいに、殺されて、転生してレベル0とは話が違う。
スゲーな……ゴブローさん……
「いえ、倒したと言いましても、殺した訳ではございませんのでご安心ください」
なんでも、サーキュのヤツが無駄に性欲を煽る攻撃を仕掛けて来たので、真正面からガチンコ対決したところ、精気を吸い取るはずのサキュバスが、そのあまりの多すぎる絶倫な精力に、喰い切れずギブアップした、というのだから凄まじい。
「その際に、どうやら『大鬼』に自力進化を遂げたらしく……」
「なるほど、格上喰いか」
魔族は、たまに自分の種族よりも『格上』とされている種を倒すと、自力で進化をとげることがある。
ダンジョン・ポイントによる進化と違って、その効果はゴブローさん含む一族郎党にまで及ぶことが多いのが特徴で、さらに、一度でも自力進化を遂げると、さらに同じ事が起こる可能性が高まるのだ。
これは、もしかしたら鬼神種まで進化するか?
そこまで行くと、俺達、魔王軍四天王とほぼ肩を並べられるレベルだぞ。
「下級として蔑まれるゴブリン種から高位魔族入りを果たしたか。一種の伝説だな。……実に素晴らしい!」
「す、すごいデス……!」
「ありがとうございます。これも全て主様のご配慮の賜物……程よく弱らせたサキュバス・クイーンを我々の餌としてダンジョンへ引き入れていただき感謝申し上げます」
う、う~ん……そ、そこまで考えていた訳じゃ無いんだけど、ま、結果オーライ……かな?
「いや、それはお前自身が力を研鑽し続けていた結果だろう」
「お褒めにあずかり光栄です。つきましては、我らが大鬼に進化したことにより、我が同胞より『鍛冶師』の才能を持つ者が生まれ始めております」
「おお! それは良かった!」
それはタイムリーに良い知らせだぞ!
ちょうど、ダンジョンの階層を深くしたから、そろそろ『魔鉱石』とか『魔鉄』とか、その辺の資材が採れるようになってきたところだ。
これは、普通の石にダンジョンの魔力が吸収され変異したものが『魔鉱石』、ダンジョンの魔力で地層が歪められ、鉄分の多い地層がダンジョン内に吸い寄せられるようになり、さらにその魔力を吸収したものが『魔鉄』だ。
魔鉱石はダンジョンの地下15階前後から、魔鉄は20階前後には現れ始める。
もっとダンジョンが深くなれば、『魔法銀』とか『魔白金』とか深緋鉄《ヒヒイロガネ》』とかその辺のレアメタルが採れるようになるが、今はまだそこまでダンジョンは成長していない。
「となると、本来は20階層付近を守って貰った方が効率的か……いや、この際、さらに30階層まで深堀するのもアリだな……」
小鬼だと思って10階付近を守って貰っていたが、大鬼は一応、高位魔族と呼んでも良い強さだ。
これでは、きっとまたボーギルやカシコちゃんに「落差が酷い」と文句を言われそうだ。
中央神殿に行った際にボーギルとカシコちゃんから貰ったコカトリスやサラマンダー、それにサンドワーム達の為にも、ダンジョン内を少し整備してやりたい。
……敗北者の老化サキュバスも一匹居るし?
「はい、ですので、最近は我が同胞とは別に、以前ネーヴェリク様が我々をスカウトくださったように、黒の森から新たな群れのゴブリン達を奴隷として捕らえて連れて来ております」
「え? あ、ありがとう……それは助かるぞ」
どうやら、この地下ダンジョンもそれなりにパワーバランスに変化があるようだ。
よし! それでは、大々的に改造するかー!!
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