【待合室書店】のオーナーきゅうりさんの履歴書とアクアマリンのカード

愛澤凛音

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第3話

戦略会議中

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【戦略会議中】という小道具が…

きゅうりさんと私が向かい合って座っている机の上に

置かれていました。

またまた…脳内で、なんじゃ?こりゃ?と思いつつ…

「美咲さん、【待合室書店】、はっきり言って、

儲かりは少ないけど…何とか営業はできている…

ボクもインスタやツイッターにおすすめ本を投稿しているし、

できることはやって、お客さんも少しずつだけど、

増えつつあるんだ。

で、美咲さん、何か改善点とか、

お客さんに気軽に来てもらえるような案はないかな?」

という…きゅうりさんの表情に、

切羽詰まったような感じはみられませんが、

将来的にはヤバくなるのでは…?ということでしょう。

私も働く場所がなくなると非常に困るので、

気になることは言ってみた。

「お客さんは、最近、きゅうりさんのSNSの影響か、

ボチボチでも増えてきていますよね。

きゅうりさんのお客様への対応も丁寧だし、

このまま様子をみてもいいと思います。

売れている本をみると

スピリチュアル系や心理系の本が結構売れますよね」

「そうなんだよね。不思議とね。

やっぱり昔、病院だったことも関係あるのかな?」

「関係ないと思いますよ!」

私は、冷静にぴしゃりと言ってやりました!!!

「そうだよね~」

「きゅうりさん、奥に置いてあるコーヒーメーカーを

書店の一角に置いてフリードリンクにするのはどうですか?

図書館感覚で本を読みながら選んでもらうことも…できるみたいな」

「なるほど~お子さんもいるかもしれないから

コーヒーとオレンジジュースならボクが準備できるかも…」

「では、それでいいかもですね。

あと、スピリチュアル系というか占いの本が売れるので占いをやるとか…

どうですか?」

「え?」

きゅうりさんが、急にフリーズしてしまったが、

「占いって誰がやるの?ボクできないよ…あたり前だけど…」

「私がやります。タロットカードで、占いを…」

「え?美咲さん、そんな特技あったの?」

「特技って、ほどでもないですが…」

「占いできるなら、やってもらえるかな?

希望されるお客さんだけでも…

美咲さんがよければ、鑑定代金とかさ~そんなのは、とらずにさ~

ここに来てもらって本を1冊でも購入してもらえれば嬉しいし…ね」

「もちろんです。少しでもお役に立てるなら、何よりです」

…ということで、【戦略会議】は、無事終了し、

少しずつ改善策を考えて。きゅうりさんに提案してみました。

「きゅうりさん、待合室書店のユーチューブで、私の顔出しなしで、

月の2回程度、占いの動画、配信してみませんか?」

「美咲さんが、いいなら動画とって、編集は僕がやるから…」

「では、そういうことでよろしくお願いします」

その後、私は、きゅうりさんにスマホを借りて、

タロット占いの動画を撮影しました。

かなりの占い系のユーチューバーさんが、

行っている形式…を真似ました。

スマホと三脚で、タロットカードを並べる机の部分を

写すように設置して。

机の端には、邪気を払うようにキャンドルを焚き、お香も点けました。

「こんにちは、待合室書店のまりんといいます。

今から今月上旬の運勢をこのタロットカードで占っていきたいと思います

まずここに、

3冊の本、①「こころ」、②「羅生門」、③「人間失格」があります。

この3冊からお好きな本をお選びください。

そして、①から順番に、3枚カードを引きます。

引いたカードを左から順番に置いていきますね。

で、向かって、左側から過去の状況、現在の状況、未来の状況

という感じで、占っていきます

個人的な意見ですが、私が思う占いは、占いは当たるとか、外れるとかと

ではなく、そのような運勢の傾向になるような感じがする…

と受け取っていただけたら良いと思います。

あくまで、あなたの人生は、あなたしか生きることはできませんからね!

じゃあ、そういうことでお願いします」

という感じで、動画の撮影を進めていったのです。

動画を編集した後に、きゅうりさんは、

「なかなか本格的だね。はじめてには見えなかったよ」

「またまた~あれで、結構、緊張していましたよ」

「そんな感じには、見えなかったけどね。結構、面白いと思うよ…ボクはね」

「ありがとうございます。きゅうりさんにそう言っていただけると嬉しいです」

「この動画をみて、鑑定してくださいって…お客さん来たらどうする?」

「そんな簡単には来ませんよ~世の中そんなに甘くないです」

「そうだよね~じゃあ、ボクが鑑定してもらおうかな?」

「きゅうりさんが?」

「いいですよ…」とタロットカードをきり始めたところで…

「待った…やっぱり…いいや・・・

明日死にます…とか言われたらショックだから」

と…きゅうりさんは、苦笑いをした。

「それはないです。タロットカードでそこまでは占えません。

人の生死に関することは、

タロットカードでは禁止事項だと本で読みました」

「そうなんだね

でもさ、動画編集していて思ったんだけど、

時代の移り変わりが早いしさ~

不安定な時代だからさ~

占いにも頼りたくなるよね~人は、さ~

まあ、現代だけじゃないけどね…歴史を振り返ればさ~

その時代時代さ~大変だったんだと思うよ

ボクらの悩みってさ~本人にとってはさ~

すごく大変なことなんだろうけど

宇宙レベルで考えたらさ~

ほんとに小さなことなんだよね~

でもさ~小さいことでも、痛いんだよね…すごく」

きゅうりさんは、切なそうな表情をして、うつむいていた。

「きゅうりさんも、辛いことあったんですか?」

「美咲さん、そりゃあるよ。

だてに50年以上も生きてないからね~」

「そうですよね~」と私も相槌をうった。

でも、私はひそかに知っている…きゅうりさんの優しさは、

逆境を乗り越えてきたからこそ、なのだ、と…いうことを…









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