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転生、そして出会いへ
最弱転生者、ついに
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パーティを組み、迷宮へ行くことはや二週間。
帝国への増援として出撃するときが来週に迫り、クラスメート全員がピリピリとした緊張感に包まれている。
「だあっ!」
「食らえ!」
「火よ、我らを守りたまえ!《火壁》。」
洞窟の奥へ進めば進むほどに恭也を守るために博人、勇人、観月の三人の負担が大きくなっていくのを恭也は自覚していた。
今もリザード四体の猛攻を漸く凌いだ所だ。
「ハァハァ、ちょっときついな。」
「ふぅ、このあとボスだろ?それは不味いよな。」
「うぅ、魔力回復薬は?」
俺は観月にバックから魔力回復薬を取りだし手渡す。
「ああ、ごめん。恭君。ありがとね。」
三人が疲労で動けないなか、リザードのドロップ品を集め、三人に栄養食を配る。勿論、自作だ。
「はは、毎度悪いね。」
「気にしないでくれ。俺にはこれくらいしか出来ないから。」
?おかしい、いつもなら観月辺りが「そんなことないって」と言うのだが。
「恭君、今日は戻った方がいい。」
「え?」
「ボス部屋には隠れる隙間とかもないし、一緒にいて守れるか自信はないよ
」
「いや、せめて部屋の前まで。」
「観月、もういい。恭也、行くぞ。」
※
ボス部屋前
「………ッチほんとに連れてきやがった。」
「あいつを守りながらとか無理言うなよな。」
「無能の癖に。」
クラスメートからの悪意の目が感じられる。
ここ数週間、俺が無能であるという認識がクラスメートの共通認識になりつつある。
料理もレパートリーが固定化され、次第に町の料理屋の方に流れ、部屋の掃除なども侍女、執事がやるようになり俺の存在意義は次第に無くなりつつあった。担任の木元先生ですら、直接言わないものの井上は無能であると影口を叩いていたようである。
そんな中でもハルン皇子、博人、勇人、観月の四人だけが変わらずに接してくれていた。
「よし、皆揃ったな!これより、フラベルト洞窟のボス攻略に取りかかる!まず、各パーティ散開してボスのゴーレムを取り囲み、死角のパーティが攻撃をする。そんなに時間は取られないはずだ!気合い入れていくぞ!」
「「「「「「「おう!!!!!!」」」」」」」」
実際にボス攻略には一時間とかからなかった。
各パーティの攻撃力を持ってしたらこんなもんだ。
俺への攻撃も一つもなく、怪我をしたクラスメートもいなかった。
その帰り道、事件が起こる。
「木元先生、今日はどこで食べます?」
「んー、そうだな。折角ボスを倒したんだ、ポレルでも行くか?」
ポレルと言うのは王都一の高級料亭でおいそれと行ける店ではない。
しかし、ゴーレムを倒したことで軍資金とは別に報奨が出た為懐事情は明るいものだった。
「おぉー、いいっすね。」
「さっすが、せんせ!」
クラスメートがはしゃいでいた、その時。
ザザッ
後ろの草影から何か出てきた。
一目見て、狼だと言うことが解った。しかし、「う、嘘だろ?人狼だと!」
ハルン皇子が口にしたのは人狼という言葉。そう、狼は二本足で立っていたのだ。
グルルル
人狼は魔族の中でも上位の種族。それが何故こんなところにいるのか不思議だった。
その時、一瞬だが俺と目が合った気がした。
クゥ
「逃げるぞ!」
ハルン皇子の一声で聞こえなかったクラスメートも多いが甘えた声が聞こえた。
「うりゃぁぁっ!」
しかし、逃げるという言葉と反対に木元先生が突撃する。
「ま、待て!」
グシャアッ
ウォォォォォォン
ほんとに一瞬、その一瞬で木元先生は吹き飛ばされ、木に激突。体が有り得ない方向へ曲がっていた。
それを見てクラスメート達が一目散に逃げていく。
「ちょ、恭君!」
俺は逃げることはせずに人狼へ近づく。
「観月!ほっとけ!」
「でも、勇人!」
「もういい、どうせ。今回で最後だったんだ!」
その勇人の言葉にあぁ、やっぱりかと思った。
今日の探索中どこかよそよそしい事が多くあった為パーティ解消かな?と思っていた通りだったようだ。
もういいや。
『ふむ、哀れだな。使役士よ。』
「ふふ、これが俺の能力って訳か。」
『そう言うことになる。』
「ありがとな。ジャック。」
※
時間は少し遡る。
それは先週のことだった。
何時ものように夜ご飯を作るも食べるのはパーティの三人のみ。
その後、皆で片付けをして、就寝しようかという頃。
ふと、外から
『聞こえるか、使役士。いや、飼育員。』
そんな声が聞こえた。
外を見ると魔族の中でも上位の人狼がこちらを見ていた。
その人狼は部屋に入ってきてジャックと名乗った。
ジャックによると魔族の侵攻などないという事だ。
マリーファルスの事を話すとそいつは魔族を滅ぼすための神であり創造神から追放された堕天使であることが判明した。
また、本当の創造神はゼリスと言いあの場で最後の最後干渉に成功した。
そして、俺に使役士の職業を与え、ジャックを使わした言う。
ちなみにジャックは只の人狼ではなく神人狼。フェンリルのような存在らしい。
魔族の長、魔王ファンベルは人間が過去と同じく魔族の殲滅を狙うと知ると使役士を頼るようにという先代の言葉を信じ、ジャックを魔王軍に招き入れ俺も引き入れるようにとのことだった。
そして、使役士の特徴として武器、魔法共に使えず、仲間がいないと話にならないようだ。
しかし、魔物を仲間にすることができその力を振るい戦う職業であることもわかった。仲間にするには会話をし、こちらを信用してもらう必要があり、命名することで仲間になってもらえるという。
そして、共鳴という能力。
これは仲間の魔物の能力を自身に取り入れる力。
一度取り入れると同じ種類の魔物を取り入れることはできないが魔物の種類に制限はないらしい。
『そして、主君の最後の能力。魔装。』
※
「恭也、何を言っている?」
昔を思い出していたら後ろからハルン皇子が声をかける。
「いや、嘘つき王国はもうダメかな?って話です。」
「っな!」
「恭君!ハルン皇子に向かって!」
「そうだぞ!」
ふふ、
『やるのか?主君。』
「勿論だ!ジャック、魔装!!!!!」
光が俺の体を包み、それが晴れるとそこには
「さぁ、懺悔の時間だ。」
俺は体に白い鎧を身につけ、口には多くの犬歯がならび、爪は鋭く尖っていた。
帝国への増援として出撃するときが来週に迫り、クラスメート全員がピリピリとした緊張感に包まれている。
「だあっ!」
「食らえ!」
「火よ、我らを守りたまえ!《火壁》。」
洞窟の奥へ進めば進むほどに恭也を守るために博人、勇人、観月の三人の負担が大きくなっていくのを恭也は自覚していた。
今もリザード四体の猛攻を漸く凌いだ所だ。
「ハァハァ、ちょっときついな。」
「ふぅ、このあとボスだろ?それは不味いよな。」
「うぅ、魔力回復薬は?」
俺は観月にバックから魔力回復薬を取りだし手渡す。
「ああ、ごめん。恭君。ありがとね。」
三人が疲労で動けないなか、リザードのドロップ品を集め、三人に栄養食を配る。勿論、自作だ。
「はは、毎度悪いね。」
「気にしないでくれ。俺にはこれくらいしか出来ないから。」
?おかしい、いつもなら観月辺りが「そんなことないって」と言うのだが。
「恭君、今日は戻った方がいい。」
「え?」
「ボス部屋には隠れる隙間とかもないし、一緒にいて守れるか自信はないよ
」
「いや、せめて部屋の前まで。」
「観月、もういい。恭也、行くぞ。」
※
ボス部屋前
「………ッチほんとに連れてきやがった。」
「あいつを守りながらとか無理言うなよな。」
「無能の癖に。」
クラスメートからの悪意の目が感じられる。
ここ数週間、俺が無能であるという認識がクラスメートの共通認識になりつつある。
料理もレパートリーが固定化され、次第に町の料理屋の方に流れ、部屋の掃除なども侍女、執事がやるようになり俺の存在意義は次第に無くなりつつあった。担任の木元先生ですら、直接言わないものの井上は無能であると影口を叩いていたようである。
そんな中でもハルン皇子、博人、勇人、観月の四人だけが変わらずに接してくれていた。
「よし、皆揃ったな!これより、フラベルト洞窟のボス攻略に取りかかる!まず、各パーティ散開してボスのゴーレムを取り囲み、死角のパーティが攻撃をする。そんなに時間は取られないはずだ!気合い入れていくぞ!」
「「「「「「「おう!!!!!!」」」」」」」」
実際にボス攻略には一時間とかからなかった。
各パーティの攻撃力を持ってしたらこんなもんだ。
俺への攻撃も一つもなく、怪我をしたクラスメートもいなかった。
その帰り道、事件が起こる。
「木元先生、今日はどこで食べます?」
「んー、そうだな。折角ボスを倒したんだ、ポレルでも行くか?」
ポレルと言うのは王都一の高級料亭でおいそれと行ける店ではない。
しかし、ゴーレムを倒したことで軍資金とは別に報奨が出た為懐事情は明るいものだった。
「おぉー、いいっすね。」
「さっすが、せんせ!」
クラスメートがはしゃいでいた、その時。
ザザッ
後ろの草影から何か出てきた。
一目見て、狼だと言うことが解った。しかし、「う、嘘だろ?人狼だと!」
ハルン皇子が口にしたのは人狼という言葉。そう、狼は二本足で立っていたのだ。
グルルル
人狼は魔族の中でも上位の種族。それが何故こんなところにいるのか不思議だった。
その時、一瞬だが俺と目が合った気がした。
クゥ
「逃げるぞ!」
ハルン皇子の一声で聞こえなかったクラスメートも多いが甘えた声が聞こえた。
「うりゃぁぁっ!」
しかし、逃げるという言葉と反対に木元先生が突撃する。
「ま、待て!」
グシャアッ
ウォォォォォォン
ほんとに一瞬、その一瞬で木元先生は吹き飛ばされ、木に激突。体が有り得ない方向へ曲がっていた。
それを見てクラスメート達が一目散に逃げていく。
「ちょ、恭君!」
俺は逃げることはせずに人狼へ近づく。
「観月!ほっとけ!」
「でも、勇人!」
「もういい、どうせ。今回で最後だったんだ!」
その勇人の言葉にあぁ、やっぱりかと思った。
今日の探索中どこかよそよそしい事が多くあった為パーティ解消かな?と思っていた通りだったようだ。
もういいや。
『ふむ、哀れだな。使役士よ。』
「ふふ、これが俺の能力って訳か。」
『そう言うことになる。』
「ありがとな。ジャック。」
※
時間は少し遡る。
それは先週のことだった。
何時ものように夜ご飯を作るも食べるのはパーティの三人のみ。
その後、皆で片付けをして、就寝しようかという頃。
ふと、外から
『聞こえるか、使役士。いや、飼育員。』
そんな声が聞こえた。
外を見ると魔族の中でも上位の人狼がこちらを見ていた。
その人狼は部屋に入ってきてジャックと名乗った。
ジャックによると魔族の侵攻などないという事だ。
マリーファルスの事を話すとそいつは魔族を滅ぼすための神であり創造神から追放された堕天使であることが判明した。
また、本当の創造神はゼリスと言いあの場で最後の最後干渉に成功した。
そして、俺に使役士の職業を与え、ジャックを使わした言う。
ちなみにジャックは只の人狼ではなく神人狼。フェンリルのような存在らしい。
魔族の長、魔王ファンベルは人間が過去と同じく魔族の殲滅を狙うと知ると使役士を頼るようにという先代の言葉を信じ、ジャックを魔王軍に招き入れ俺も引き入れるようにとのことだった。
そして、使役士の特徴として武器、魔法共に使えず、仲間がいないと話にならないようだ。
しかし、魔物を仲間にすることができその力を振るい戦う職業であることもわかった。仲間にするには会話をし、こちらを信用してもらう必要があり、命名することで仲間になってもらえるという。
そして、共鳴という能力。
これは仲間の魔物の能力を自身に取り入れる力。
一度取り入れると同じ種類の魔物を取り入れることはできないが魔物の種類に制限はないらしい。
『そして、主君の最後の能力。魔装。』
※
「恭也、何を言っている?」
昔を思い出していたら後ろからハルン皇子が声をかける。
「いや、嘘つき王国はもうダメかな?って話です。」
「っな!」
「恭君!ハルン皇子に向かって!」
「そうだぞ!」
ふふ、
『やるのか?主君。』
「勿論だ!ジャック、魔装!!!!!」
光が俺の体を包み、それが晴れるとそこには
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