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#1 違うんだ!
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「また雨かよ…!」
バイト帰りで疲れているのに、傘を持ってくるのを忘れて今、俺は家まで走って帰っている。
「はぁっ…ちゃんと天気予報見てきたら良かったっ…!………ん?」
俺は階段の側でうずくまっている人影を見つける。
「…誰だ……?まさか、死体………!?!?」
「………っ」
「!?」
その人影は僅かに動いた。その事で死体ではないことに安堵すると同時に生きている人がこんな所で何をしているのか、という疑問と恐怖が湧き上がる。
「ど、どうしたんですか……?」
「………」
「そんな所に居たら風邪ひきますよ……?………って!!あんた!!!」
俺の目に飛び込んできたのは、怪しい人から流れている真っ赤な血だった。
「あんた!!血が…!!」
そう、語りかけるも一向に動く気配がない。このままでは死んでしまうかもしれない!そう思った俺は、
「……っくそ!!」
その怪しい人を抱き上げ、階段を駆け上がった。
ーガチャッ
真っ暗な部屋に倒れ込むと背後から声がした。
「………のあ…………」
「!?」
「………ぐっ!」
それがさっきの怪しい人だと分かると俺は必死に語りかけた。
「おい!あんた!大丈夫か!?血、出てるぞ!? 俺の声が聞こえるか…!!?」
「………う、る、さ……」
うるさいと微かに呟いたそいつに俺は多少イラつきを覚えたが、声が聞こえているということが分かって更に話しかけた。
「あんた!その怪我どうしたんだよ!?なんでそんな格好であんな所に居たんだ!?!?」
そう、そいつは格好までおかしかったのだ。ぼさぼさの前髪が目を隠し、ぼろ衣の様な服をまとっていたのだ。
例えるならば、ホームレス…とか。
「~~~っ!とりあえず、なんとかしねぇと!!」
もしかしたらホームレスを拾ってしまったかもしれないという後悔と怪我に対する心配がごちゃまぜになった俺はとりあえず冷えている体を暖める為に風呂に入れることにした。
「あんた、女か?」
そいつは首を微かに横に振る。
「じゃあ、風呂に入れるからなんか痛かったりしたら何かしら声上げたり俺を叩いたりしろよ…!」
その男は首を縦に振る。
「よし、そうと決まれば…!」
また、俺は男を抱えあげ風呂場に向かった。
- - - - - - - - - -
「あんた……」
風呂上がりの男を見て俺は驚いた。
女の様な華奢な体。伏せ目がちな大きい目から伸びる長いまつげ。そして……あらぬ方向に曲がっている指や足首。
「教えてくれ。あんたどうしてそんな姿なんだ。生まれた時からなのか?」
「……わからない………」
「そうか……じゃああんたの名前は?」
「……わからない………」
「…そうか。見た感じ俺と同い年か俺より年下っぽいな…。」
「……のあ………」
ぼそりと呟くその言葉に俺は疑問が浮かぶ。
「さっきも『のあ』って言ってたけど、それがあんたの名前なんじゃないか?」
男は少し顔をあげて言った。
「……おれが、覚えているのは、これだけ……」
「そうか…じゃあ、『あんた』って呼ぶのもなんか嫌だからこれから『のあ』って呼んでもいいか?」
男は俺の顔を見てから、また顔を俯かせ言った。
「………好きにしろ………」
「あん…のあはなんか口が悪いな(苦笑)」
男、のあは俺の顔を見つめ、首をかしげた。
「……ん。のあ、口のところ切れてるぞ。」
「……くち…?」
俺のところを見て、そう言ったのあに俺は驚いた。
なんと、口の片方が耳の近くまで裂けているのだ。
「のあ……!痛くないのか……!?」
「?」
のあは、口のことに気がついてないのか不思議そうにした。
「んーーーーー………」
口が裂けていることを言っていいのか、言うとしてもどう伝えればいいのか分からず俺は頭を抱え込んだ。と、その時、
ーガチャ
「……なにしてんの?」
「み、みそら……」
なんと、妹の美空が帰ってきたのだ。実はこの会話、お互い腰にタオルを巻いただけの状態で行っていたのだ。
「ち、ちち、違うんだ!こ、これには訳が……」
「…へぇー……はるにぃホモだったんだ…。」
「だから、違うんだって!!」
俺の話には耳を傾けず、夕飯の具材が詰まっているであろうマイバッグを静かに置いて言った。
「…大丈夫。はるにぃがどんな趣味でも、私は否定しないから……。邪魔してごめんね…。」
言葉とは裏腹に無表情の美空は、この場から立ち去ろうとドアノブに手をかけた。と、
「…みそら……」
「へ?」
なんとのあが美空に声をかけたのだ。
「のあ…?」
「……みそらは、ほも……?」
「「は?」」
のあの予想外の言葉に、俺と美空は固まる。
「いや、別に、私、ホモじゃな、てか、男じゃないし…」
いつも冷静沈着な美空が珍しく混乱している。ここは、俺がなんとかしよう!と思い、
「と、とりあえず!俺とのあは着替えて、美空はそこに座って。そして、俺の話を聞いて。」
「う、うん…。分かった。」
「……おれ、きがえる…?」
「うん。着替える。って、そっか。のあは着替えがないからー…とりあえず、俺の服に着替えるか!」
「……きがえる……」
俺の言う言葉を復唱しながら、ずっと俺を凝視するのあと、呆れ顔の美空に挟まれた俺は苦笑しながら部屋に向かった。
つづく
- - - - - - - - - -
今回はここまでとさせていただきます!
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!
初めまして、恋する桜と書いて『れお』と申します。よろしくお願いします。
今回、このようなサイトに投稿するのは初めてでずっとあたふたしながら書いていたので、文面がおかしかったり読者様によく伝わっていない所があると思います…。
気づいた所があったり、アドバイス等があれば是非教えてください…!(頭を地面に擦りつける)
勿論、ここがよかった!等の感想もお待ちしております!!
突然出会った二人の物語。果たして、美空は『のあ』を受け入れるのか!?
これから、晴人達はどうなっていくのか!?という所が次の話の見どころになっていくと思います。
個性的なキャラクターがたくさんこれから出てくると思うので、生暖かい目で見守ってやってください。(苦笑)
全員ひと通り出し終えたら、キャラクター紹介もしていこうかな?と企んでるので、是非是非読んで、自分の推しキャラを決めたり関係性について想像を(妄想?)膨らませてこの作品を楽しんでください!
最後に、このサイトを紹介してくださった小春様。小説を書く時間をくれたお母様。読んでくださった読者様みなさんに私からの最大級の感謝を捧げます…!
これから「~のあと男子高校生達の物語~」と恋桜をどうぞよろしくお願い致します!
では、また!
バイト帰りで疲れているのに、傘を持ってくるのを忘れて今、俺は家まで走って帰っている。
「はぁっ…ちゃんと天気予報見てきたら良かったっ…!………ん?」
俺は階段の側でうずくまっている人影を見つける。
「…誰だ……?まさか、死体………!?!?」
「………っ」
「!?」
その人影は僅かに動いた。その事で死体ではないことに安堵すると同時に生きている人がこんな所で何をしているのか、という疑問と恐怖が湧き上がる。
「ど、どうしたんですか……?」
「………」
「そんな所に居たら風邪ひきますよ……?………って!!あんた!!!」
俺の目に飛び込んできたのは、怪しい人から流れている真っ赤な血だった。
「あんた!!血が…!!」
そう、語りかけるも一向に動く気配がない。このままでは死んでしまうかもしれない!そう思った俺は、
「……っくそ!!」
その怪しい人を抱き上げ、階段を駆け上がった。
ーガチャッ
真っ暗な部屋に倒れ込むと背後から声がした。
「………のあ…………」
「!?」
「………ぐっ!」
それがさっきの怪しい人だと分かると俺は必死に語りかけた。
「おい!あんた!大丈夫か!?血、出てるぞ!? 俺の声が聞こえるか…!!?」
「………う、る、さ……」
うるさいと微かに呟いたそいつに俺は多少イラつきを覚えたが、声が聞こえているということが分かって更に話しかけた。
「あんた!その怪我どうしたんだよ!?なんでそんな格好であんな所に居たんだ!?!?」
そう、そいつは格好までおかしかったのだ。ぼさぼさの前髪が目を隠し、ぼろ衣の様な服をまとっていたのだ。
例えるならば、ホームレス…とか。
「~~~っ!とりあえず、なんとかしねぇと!!」
もしかしたらホームレスを拾ってしまったかもしれないという後悔と怪我に対する心配がごちゃまぜになった俺はとりあえず冷えている体を暖める為に風呂に入れることにした。
「あんた、女か?」
そいつは首を微かに横に振る。
「じゃあ、風呂に入れるからなんか痛かったりしたら何かしら声上げたり俺を叩いたりしろよ…!」
その男は首を縦に振る。
「よし、そうと決まれば…!」
また、俺は男を抱えあげ風呂場に向かった。
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「あんた……」
風呂上がりの男を見て俺は驚いた。
女の様な華奢な体。伏せ目がちな大きい目から伸びる長いまつげ。そして……あらぬ方向に曲がっている指や足首。
「教えてくれ。あんたどうしてそんな姿なんだ。生まれた時からなのか?」
「……わからない………」
「そうか……じゃああんたの名前は?」
「……わからない………」
「…そうか。見た感じ俺と同い年か俺より年下っぽいな…。」
「……のあ………」
ぼそりと呟くその言葉に俺は疑問が浮かぶ。
「さっきも『のあ』って言ってたけど、それがあんたの名前なんじゃないか?」
男は少し顔をあげて言った。
「……おれが、覚えているのは、これだけ……」
「そうか…じゃあ、『あんた』って呼ぶのもなんか嫌だからこれから『のあ』って呼んでもいいか?」
男は俺の顔を見てから、また顔を俯かせ言った。
「………好きにしろ………」
「あん…のあはなんか口が悪いな(苦笑)」
男、のあは俺の顔を見つめ、首をかしげた。
「……ん。のあ、口のところ切れてるぞ。」
「……くち…?」
俺のところを見て、そう言ったのあに俺は驚いた。
なんと、口の片方が耳の近くまで裂けているのだ。
「のあ……!痛くないのか……!?」
「?」
のあは、口のことに気がついてないのか不思議そうにした。
「んーーーーー………」
口が裂けていることを言っていいのか、言うとしてもどう伝えればいいのか分からず俺は頭を抱え込んだ。と、その時、
ーガチャ
「……なにしてんの?」
「み、みそら……」
なんと、妹の美空が帰ってきたのだ。実はこの会話、お互い腰にタオルを巻いただけの状態で行っていたのだ。
「ち、ちち、違うんだ!こ、これには訳が……」
「…へぇー……はるにぃホモだったんだ…。」
「だから、違うんだって!!」
俺の話には耳を傾けず、夕飯の具材が詰まっているであろうマイバッグを静かに置いて言った。
「…大丈夫。はるにぃがどんな趣味でも、私は否定しないから……。邪魔してごめんね…。」
言葉とは裏腹に無表情の美空は、この場から立ち去ろうとドアノブに手をかけた。と、
「…みそら……」
「へ?」
なんとのあが美空に声をかけたのだ。
「のあ…?」
「……みそらは、ほも……?」
「「は?」」
のあの予想外の言葉に、俺と美空は固まる。
「いや、別に、私、ホモじゃな、てか、男じゃないし…」
いつも冷静沈着な美空が珍しく混乱している。ここは、俺がなんとかしよう!と思い、
「と、とりあえず!俺とのあは着替えて、美空はそこに座って。そして、俺の話を聞いて。」
「う、うん…。分かった。」
「……おれ、きがえる…?」
「うん。着替える。って、そっか。のあは着替えがないからー…とりあえず、俺の服に着替えるか!」
「……きがえる……」
俺の言う言葉を復唱しながら、ずっと俺を凝視するのあと、呆れ顔の美空に挟まれた俺は苦笑しながら部屋に向かった。
つづく
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今回はここまでとさせていただきます!
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!
初めまして、恋する桜と書いて『れお』と申します。よろしくお願いします。
今回、このようなサイトに投稿するのは初めてでずっとあたふたしながら書いていたので、文面がおかしかったり読者様によく伝わっていない所があると思います…。
気づいた所があったり、アドバイス等があれば是非教えてください…!(頭を地面に擦りつける)
勿論、ここがよかった!等の感想もお待ちしております!!
突然出会った二人の物語。果たして、美空は『のあ』を受け入れるのか!?
これから、晴人達はどうなっていくのか!?という所が次の話の見どころになっていくと思います。
個性的なキャラクターがたくさんこれから出てくると思うので、生暖かい目で見守ってやってください。(苦笑)
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最後に、このサイトを紹介してくださった小春様。小説を書く時間をくれたお母様。読んでくださった読者様みなさんに私からの最大級の感謝を捧げます…!
これから「~のあと男子高校生達の物語~」と恋桜をどうぞよろしくお願い致します!
では、また!
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