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9.早速ですが、目標ができました

 
 予想通り、俺はこれから試験を受けることになった。
 内容はまだ分からないが、パーティーに入れるにあたってどれくらいの実力があるのか知りたいのだろう。

 ま、そもそもそれ以外考えられないよな。

 スカウトされた身ではあるが、相手は実力派の超有名パーティー。
 簡単に入れるわけはないとは思っていた。

 昨日はあまりの嬉しさにちょっと浮かれてしまったけど、冷静に考えればこれが自然だ。

 あれ? じゃあもしこのテストに落ちたら俺は……

「あっ、一応誤解のないように言っておくけど、今回の結果でスカウトを取り下げるなんてことはないから。そこは安心してね」

「えっ、そうなんですか?」

「うん! だって貴方はあのカスパールに選ばれた人ですもの。あの子、ああ見えて結構シャイでね。今まで人付き合いとかに全然感心なかったんだけど、君を見てから人が変わっちゃってね。パーティーに招こうって言い出した時は思わず椅子から転げ落ちるほど驚いたよ」

「はあ……」

「それにあの子の眼が選んだのなら、貴方の実力に嘘はないと思っているわ。実際にあの子が嘘をついたことなんて一度もないしね」

「そうです。私の眼に狂いはありません」

「わっ!? いつの間にそこに!?」

 俺のすぐ背後に忽然と現れる。
 昨日もそうだったけど、影の薄さも神レベルだと思う。

「ちょっと大袈裟な気もするけど……」

「いえ、大袈裟ではありません。貴方には計り知れないほどの才能があります。これだけは自信を持って言えます」

「そうなのかな……」

 自覚はないが、神眼とまで言われている子にここまで持ち上げられるなら本当なのかもしれないな。

「とにかく、今日はテストというよりも現状クリエイターとしてどれほどの能力を持っているか確認するためだから気楽にやってほしいってこと!」

「わ、分かりました」

「よーし、じゃあ早速始めようか。ついてきてジレンくん!」

「アレンです……」

 わざと間違えているのか、ガチなのか……
 
 いや、多分後者だなこれは。

 話していると、所々天然さが垣間見れるし。

(いつかは名前を覚えてもらえるように頑張らないと……)

 俺の中で一つ、目標ができた瞬間だった。
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