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111.答えへの道

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 私は、世界で一番最低な人間だろう。

 今まで自分が生きて行く為にどれほどの人間を裏切り、犠牲にしてきただろうか。

 それは数えきれないほど、私の記憶の中に残っている。

 世の中は力ある者が全てだ。
 力ある者が白と言えば白となり、黒と言えば黒になる。

 理不尽だけど、これは真実に他ならない。
 それは一番私がよく知っている。

 そして。
 今回も私はまた、罪を重ねようとしていた。
 しかも今度は大きな何かが崩れかねない罪深き所業。

 これを達成すれば、私はまた生きながらえることができるだろう。
 
 その代わり……もう”普通”の人間には決して戻れないだろうけど。

 それでも、やるしかない。
 
 だってそれが私自身が、私の大切な人が生きていくために必要なことなのだから。


 ♦


「……準備はできたか?」

「ええ、全箇所バッチリです」

「他のメンバーは?」

「偵察に行っています。もうすぐ戻って来るかと」

 時は少し進み、王都内某所。
 
 小さな部屋に黒い姿で身を包んだ二人の魔導士たちが、息を潜めていた。

「閣下は何と?」

「そのまま待機とのことです。作戦執行時間までは余計な真似はするなと」

「ちっ、しばらくはこの調子か。軍は作戦開始の30分後に到着だったか?」

「その予定です」

「くだらん……我々の力を持ってすれば、こんな街など……」

 爪を噛みながら、愚痴を漏らす。

「とにかく、現状は待機ということでいいんだな?」

「はい」

「リーダー、只今戻りました」

 ぞろぞろと他のメンバーが戻って来る。
 同じ姿をした三人の若い男たちだ。

「おう、どうだった?」

「ギルドに全員集合って感じです。閣下からの情報は本当だったようですね」

「ふん、バカな奴らめ。どれだけ人を集めようと、コレを阻止しない限りは――」

「リーダー、大変です!」

 部屋の扉がバタンと開き、慌てて入って来る者がいる。
 同じく偵察に出ていたメンバーの一人だ。

「どうした? 何があった?」

 男は少し息を切らしながらも。
 早々とした口調で答えた。

「だ、第7エリアにて問題が発生。何者かに襲撃されたようです!」

「何だと?」

 リーダーと呼ばれる男の表情が変わり、緊迫した空気が空間内に流れた。



 ♦


 時は少し戻って、王都繁華街エリア。
 そこのメインストリートをランスたち一行は歩いていた。

 緊急事態宣言が出ているからか、繁華街エリアの中心部だというのに人は少なく、別次元のように変わっていた。

「本当にここが王都なのか不安になるレベルで人がいませんね」

「今は自粛要請を王都全体に発令していますからね。こうなるのも無理はないです」

「でもいくら街が立派でも、やっぱり人がいないと寂しいですね……」

「だな。ソフィアの言う通りだよ」

 ランスたちはある場所を目指していた。
 同行しているのはソフィア、ドロイドさんとその他数人の護衛騎士たち。
 アルバートさんにも同行してほしかったが、国家防衛の方の準備があるとのことで断念した。

 こんな状況で、王都の街を歩いているのにはワケがある。
 というのも、例の10か所についての手掛かりになるかもしれない場所をふと思いついたからだ。

 もしかしたら無駄足かもしれないけど、調べてみないことには分からないということで、ギルドを飛び出すことになった。

「ところで、ランスくん。君は一体どこへ向かっているので?」

「前にアジトを見つけた際の手掛かりになった場所です。もし自分の推測が正しければ、そこにヒント、あるいは答えが眠っているはずです」

 そう言って俺は全員を率いてある場所へ。

 そして。

「着きました。ここです」

「こ、ここって……」

 答えを見つける手掛かりになるかもしれない場所。
 それは、前に調査で王都に来たときにソフィアたちと入ったカフェだった。
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