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第三十話 あること
しおりを挟む久しぶりの投稿になります。お待たせして申し訳ございませんでした。
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「えぇ!? 俺を生徒会にスカウトしたい!?」
「はい。その方がメンバー集めもしやすいかなと思いまして」
「た、確かにそうだけど……」
でもいきなり生徒会という上部組織にこんな新参者が立ち入っていいのか?
確かにクラスも学年も違うし、会おうと思っても中々機会もないから悪い提案ではないと思うが。
「で、でも俺はまだこの学園に入ってから数日ですよ? そんな人間が生徒会に入ってもいいですか? それにこの学園の選抜システムって確か投票制ですよね?」
「そうです。基本的に生徒会役員は年に一度の総生徒役会で行われる全学年一斉投票によって決まります。ですが、例外もありまして……」
「例外?」
「はい。実は生徒会役員の選定には投票制の他にもう一つ、推薦制があるのです」
そう、生徒会役員になるには全生徒による支持を一定数集める投票制の他に現生徒会役員による推薦を受けることで認定される推薦制の二種類がある。
今回フィアットが提案してきたのは後者。
推薦制を利用したスカウトだった。
「私には一応、生徒会長として新たな生徒会役員を選定できる権限があります。もしユーリ様がよろしいとおっしゃられるのでしたら……」
「投票なしで入れるってことですか?」
「はい」
マジか。こりゃえらいことになったな。
しかも本来、一学年というのは学年上生徒会役員に入ることはできない。
でもフィアットが一言言えばそんな制約は簡単に崩れ去る。
(ジンの言っていたことは本当だったんだな……)
「どうなさいますか? 無理にとは言いませんが……」
「う、う~ん……」
どうしよう。でもこれはある意味チャンスなのかもしれない。
俺の目的はより多くの人脈を作ること。
そのためには学園のこともより知っておく必要がある。
それも生徒会という後ろ盾があればより効率よく人の輪を広げることができるだろう。
人というものは権力を持つ人間の周りに集るものだ。
別にそれを理由にして――というわけではないが、今後の学園生活がやりやすくなるのは確実だろう。
それに、ジンの話によれば生徒会に入ると色々な恩恵があるらしいし。
「……分かった、検討しよう。できれば詳しい話を聞かせてはくれないか?」
一応即答するのは控えてワンクッション置くことに。
もしかしたらとんでもない落とし穴があったりするかもしれないしね。
(まぁ……フィアットを信用していないというわけではないのだが……)
いくら親しい間柄でもこういう時は人を疑う目も必要である。
これはカトレアからの助言だ。
「それなら、今日の放課後、生徒会室でいかがでしょうか? 詳しくお話致します」
フィアットからの提案。
特に放課後には予定は入っていないので了承することに。
「では、放課後に生徒会室で」
「ああ、分かった」
フィアットはその場で一礼すると、自分の教室へと去っていく。
「生徒会かぁ……何だか入学早々えらいことになったなぁ」
俺はそう思いながらも、再び後ろを振り向き、教室内へと戻った。
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