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第二巻
★接吻の距離と前世の因縁
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「ああ、これは私の受けた占いやねんで。占い。私になんかなあ……ずっと待っていてくれる人がおってんけどなあ、、行商人やったらしいんよあっし。しかも男で。前世な。でも港々に女がおって、待っててくれる人のこと忘れて、自分も商売とか色んなこと失敗してボロボロになって、気が付いた時にはその待っててくれた女の人も死んでたんやって。最悪じゃない? だからシゲ、あんまり彼女泣かすことしたらあかんねで!」
らん? 言っちゃってる??
まあ誰がどのようには言っていないから、あれではどっかの占いの館で聞いたぐらいの軽い話にしか聞こえない。わざとそう言っているのだろう。シゲには彼女がいるとか言ってたっけ? あんまり興味ないけど。
「今あっしにそんな人おったらなあ……絶対幸せにしたるのになあ。良いなあ前世……」
いや、おるし! こーちゃんおるし! 性別逆転しているだけやんか。あっけにとられる発言だわ。そしてこう思わせてくれた。
『こいつはまたやらかすなあ』と。恐るべき因縁やねって。
樹之助のことを思い出す。彼があにぃの前世。そして私たちは何度生まれ変わっても二人一緒になるつがいの魂だった……。
ちょっと近すぎない? もうちょっと離れてよ、せめて家の隣の幼馴染とか……だったらこんなに悩むことなく、そう竜と樹之助みたいにさっさと結ばれたのに……ちょっとだけ転生が下手な自分に心で文句を言ってみた。
きっと転生ってつがいの魂にとっては、一緒に生きるということが基本になっていて、たとえば親子でも兄妹でも、そして恋人でもそれには変わりない。時間の概念すらあやふやな感じの世界に思えたから。恋人は離れているところから出会ってから結ばれてひとつになる。親族なら元から出会っていてひとつになっていて、そして、新たな門出で離れていく。この差はあっちの世界にはないのかなとも思う。
――人間界には大きな問題だけどね。
さっきのらんの発言でも思うところだけど……あれだけの努力をして二人一つになろうとしていたことに気づかされた。それに比べて自分は、ちょっとしたちゃちな自分のプライドを守るためや周囲の目を誤魔化すために虚勢を張ってみたり、あにぃの気を引くために嘘の恋愛をしているようなふりをしてみたり……まるで大事にしてきたものを叩きつけて試しているようなことをしてしまっていた。
『喉元過ぎればなんちゃらで……』多喜恵は言ってた。これが人というものの性(さが)なんだと思う。けど忘れちゃいけないこともあるとも言った。きっと私はそれらをしちゃいけないんだ……素直にならなくちゃいけないんだ。そしてちょっとでも格好悪くても傍から見たら変でも前進させなくちゃいけないんだ。
よし……。
「おーい、あにぃ……そろそろ起きてよ」
「ぐぅ……ぐぅ……すぅ……」
「……………」
可愛い……もっと見ていたい。
横に寝そべってみた。きっと前だったら怖かった。このまま寝入ってしまうときっと私の前世を夢に見てしまっていて、それが自分のなにかしらの予言だと思えていたから……怖かった。いや、予言とも言える。進め方が悪ければきっと前世の繰り返しをしてしまう。そう思えばやはり予言よね。でも今もし見ても……きっと怖くない……ハラハラするかもしれないけど、これは夢だと思える。
……本当に可愛いなあ。なんなん? この寝顔……皆も可愛く思えるよね、この寝顔……いや、私だけ? 私の色目? ふーん、何なんだろう……。
指で頬を突いてみる。
唇が変に歪む……それはそれで面白くて。
「ぷぷ……」
だっこちゃん人形じゃないんだから……。
「ふふふ……えいえいえい」
頬をさらに突く突く突く……ちょっとだけ歪む口元がすごく可愛いんよ……。
この唇に、いつかどうどうと私の唇で触れてみたいなあ。。。
「あれ……接吻の距離ですね」
……へ?
らん? 言っちゃってる??
まあ誰がどのようには言っていないから、あれではどっかの占いの館で聞いたぐらいの軽い話にしか聞こえない。わざとそう言っているのだろう。シゲには彼女がいるとか言ってたっけ? あんまり興味ないけど。
「今あっしにそんな人おったらなあ……絶対幸せにしたるのになあ。良いなあ前世……」
いや、おるし! こーちゃんおるし! 性別逆転しているだけやんか。あっけにとられる発言だわ。そしてこう思わせてくれた。
『こいつはまたやらかすなあ』と。恐るべき因縁やねって。
樹之助のことを思い出す。彼があにぃの前世。そして私たちは何度生まれ変わっても二人一緒になるつがいの魂だった……。
ちょっと近すぎない? もうちょっと離れてよ、せめて家の隣の幼馴染とか……だったらこんなに悩むことなく、そう竜と樹之助みたいにさっさと結ばれたのに……ちょっとだけ転生が下手な自分に心で文句を言ってみた。
きっと転生ってつがいの魂にとっては、一緒に生きるということが基本になっていて、たとえば親子でも兄妹でも、そして恋人でもそれには変わりない。時間の概念すらあやふやな感じの世界に思えたから。恋人は離れているところから出会ってから結ばれてひとつになる。親族なら元から出会っていてひとつになっていて、そして、新たな門出で離れていく。この差はあっちの世界にはないのかなとも思う。
――人間界には大きな問題だけどね。
さっきのらんの発言でも思うところだけど……あれだけの努力をして二人一つになろうとしていたことに気づかされた。それに比べて自分は、ちょっとしたちゃちな自分のプライドを守るためや周囲の目を誤魔化すために虚勢を張ってみたり、あにぃの気を引くために嘘の恋愛をしているようなふりをしてみたり……まるで大事にしてきたものを叩きつけて試しているようなことをしてしまっていた。
『喉元過ぎればなんちゃらで……』多喜恵は言ってた。これが人というものの性(さが)なんだと思う。けど忘れちゃいけないこともあるとも言った。きっと私はそれらをしちゃいけないんだ……素直にならなくちゃいけないんだ。そしてちょっとでも格好悪くても傍から見たら変でも前進させなくちゃいけないんだ。
よし……。
「おーい、あにぃ……そろそろ起きてよ」
「ぐぅ……ぐぅ……すぅ……」
「……………」
可愛い……もっと見ていたい。
横に寝そべってみた。きっと前だったら怖かった。このまま寝入ってしまうときっと私の前世を夢に見てしまっていて、それが自分のなにかしらの予言だと思えていたから……怖かった。いや、予言とも言える。進め方が悪ければきっと前世の繰り返しをしてしまう。そう思えばやはり予言よね。でも今もし見ても……きっと怖くない……ハラハラするかもしれないけど、これは夢だと思える。
……本当に可愛いなあ。なんなん? この寝顔……皆も可愛く思えるよね、この寝顔……いや、私だけ? 私の色目? ふーん、何なんだろう……。
指で頬を突いてみる。
唇が変に歪む……それはそれで面白くて。
「ぷぷ……」
だっこちゃん人形じゃないんだから……。
「ふふふ……えいえいえい」
頬をさらに突く突く突く……ちょっとだけ歪む口元がすごく可愛いんよ……。
この唇に、いつかどうどうと私の唇で触れてみたいなあ。。。
「あれ……接吻の距離ですね」
……へ?
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