【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件【第二作目連載中】

木村 サイダー

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第二巻

★その指先は何を語るのか

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 意識が戻って来て、薄っすら目を開けると、真剣な眼差しで僕のことを見ている……樹里がいた。
 「ああ……戻ってきたの?」
 「……うん」

 なんとなく物憂げな印象の樹里……なにか嫌なことでもあったのだろうか。
 他にも出て行ったはずの高橋君、シゲ君が戻って来ているみたい。らんちゃんの声も聞こえる。どうやら……ナンパはうまくいかなかったようだ。

 僕は確かこーちゃんと話していたけど……どっかのタイミングで寝てしまったんだな。こーちゃんも……寝ている。
 「おいすー兄さん」
 「おはようござっす」
 まだ深夜だけどね。
 「うまく行きました?」
 念のため収穫のほどを尋ねてみる。

 「ダメっすわ。ここの海岸ホモばっかりすわ」
 どんな成果だ??
 そして何があった??

 起きて聞きたくなったが、座る僕の手首あたりを樹里が掴む……
 「うん?」
 「…………」
 腕をとったまま何も言わない。表情も変わらない。

 「何かあった?」
 首を横に振る。

 ……まだ若干幼児帰りが残っているのかな?ちょっとそうとも思える。もっと普通ならハキハキとしたいことを主張してくるはず。

 うーんと、じゃあ……とりあえず上の部屋に上がる方向で進めようか。上でまた話があれば聞けばいいし。
 「じゃあ、高橋君とシゲ君には、ごめんなさいは、した?」
 僕の問いかけに大きく二度頷く。
 そっかあ、じゃあもういいか。

 「上行く?」
 一つ頷いて、即効で自分の鞄を持つ。要するにもう上がりたかったわけだ。

 「そろそろ、上行って寝ますわ」
 「ういーっす」
 「おやすみなさーい」
 「ねーたまも、おやすみ」
 「おやすみ、みんな~」

 樹里は手をパーッと上に上げて、バイバイをする。そのまま扉から僕より先に出た。僕は後から靴を履いて、扉を開ける。開けたところの反対の廊下に樹里はずっと僕を視線に当て込むかのようにして、待っていた。扉は……まあ誰かが最後閉めてくれるから良いとしよう。樹里の意味ありげな視線をとりあえずは無視して
 「上がろうか」
 と言った。

 何かこういう色っぽいことしては『はい、なんちゃって』みたいなことも良くするし、腕組んでいちゃつくかと思えば『最近彼氏がな~』とか言ってきたりするやつだ。何分にもその気になれば、とんでもない色気の持ち主だからやられている方は、たまったもんじゃない。特に僕なんてこれ、兄妹だからマシだけど、そうじゃなかったらすぐに……すぐにイカれてしまう。

 「ふぅ~」
 溜息をつく。邪念を振り払い、無心無心……どうせ……そんな気持ちにさせといて、突き放す……あれ?

 左の手のひらに感触がある。
 指……爪……?
 僕は立ち止り、左側から後ろを向くと……樹里が人差し指を僕の手のひらに、当てている。
 これ、違ってたら完全ホラーだったけど、樹里でよかった。

 てか? 何してんの?
 いつもみたいに僕をおちょくるやり方ならもっと腕をおもいっきり組んで、胸を押し付けてしてくるやんか。

 ――今日はなぜやり方が違うんだ?
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