【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件【第二作目連載中】

木村 サイダー

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第三巻

★多喜恵の視界ってどんなだったの?

「泣いたわ、ホンマ私……」

 めっちゃ皆笑いまくっているけど。
 らんちゃんなんて笑いすぎて声が枯れてきているし。
 紗良も顔が真っ赤だし。

「あにぃおるのに元カレとのどんなことしてたんかバラされてなあ……ククククッ」

 めっちゃ笑いながら、若干嬉しそうに見える樹里の顔にイラッとするし、きっと顔に出てるけど、言ってしまったことはいかんともしがたいのである。

 本当はここで、「あなたがたもどんなものなの? そういう体験は?」と聞きたいところだけど、ここの子らはちょっとそういうところからは真反対にいるような、言わば妖精?
 天然、変則、知ったかぶりの妖精たちなので、もうきっと何年も聞くことはないだろう。

 記憶を消してもらえたので、その後の振る舞いはそこそこ普通で入れた。
 後は聞いてしまったこの人らがどれだけ私のことでポロリをしないかだけだったが、その心配は徒労に終わった。

 多喜恵がぽろりしそうなところは随所随所にあった。
 タクシーに乗ってとれとれ市場に向かう時は、お兄さんに催眠術をかけて上の部屋まで連れて行った的なことを危うく言いそうになり、心の中で多喜恵のお腹にパンチを入れてやった。

「しかし、それ、どういうふうに見えているから喋ったってーや」

 運ばれてきたメインのお肉に添えつけてあるソーセージをフォークでカットした。

「ちょっと、そのソーセージ一切れよこしなさい」

「ええ??」

「さっきのガーリックトースト、クルトン多めでは済まないのよ。
 シチューも肉で返せって言ってるのににんじん入れてくるし!
 そのソーセージの切れ端で許してあげる」

「はい……しーません」

 瞬く間にしゅんとなってしまった樹里は、サッとフォークでついて私の皿にソーセージの切れ端を譲渡してきた。

「ワーオ、結衣強いね」

「だってもともと盗られたん私やし」

「ねーたまじゃあ私も」

「おまえはこれっ」

「ギャッ!」

 樹里のフォークが、らんちゃんのフォークを持つ手を突き刺していた。

「あれはね、面白いのよ。あれ見ているだけで一日中、いや、何日でも楽しめるわ」

「どんなんどんなん?」

 横で刺された手を押さえながら悶絶しているらんちゃんを他所目に、樹里が興味深々で聞いてくる。
 ちなみに紗良は何とも言えない、漫画でいうところの、冷や汗たらりな笑顔を貼り付けている。

 一応言っておくがフォーク突き刺し関連は樹里と、らんちゃんがよくやるギャグの掛け合いであるのだから、読者の皆さんは安心して読んでもらいたい。

 しかし今回は本当に深く刺さりすぎてちょっと出血しているのは予定外だったが、そこは考慮されないトホホな、らんちゃんがいる。
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