【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件【第二作目連載中】

木村 サイダー

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第二巻

★樹里と僕は『つがいの魂』らしい

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 ──勿論小説の中のキャラクターの話だが、樹里が自殺?
 いや、それは無いやろ……

「それは無いやろ~」
と僕。

「ないないない、人殺しても自殺はない」
と、らんちゃん。

「………………」

 樹里は黙って前を向いている。
 聞こえていないはずはない。

「なあ、樹里」
「え?……ああ、うん、そんなん私がするわけないやん」

 「ハハッ」と振り返って笑う。

「じゃあつまらんこといつまでも言ってないで、早くくぐろう!」

 留めていた歩みを再開する。

 はっきりとは言えないが、どことなく樹里の振り返った時の笑顔は嘘臭くて、儚げで、いつもいつも見ている強さと生命感を野性味に溢れた波動ではなく、放っておいたら消えてしまいそうな、一人でどこか遠くに行ってしまいそうな寂しい感じがしてならなかった。

「樹里……」

 誰がそうしろと言ったわけではなく、僕は前を歩いてた樹里の右隣に並んだ。
 その瞬間がちょうどくぐりだす時だ。

 樹里は右隣に突然現れた僕に見とれているようだ。
 そしてまた、誰にそうしろと言われたわけではなく、歩きながら、なぜか樹里の手を取る。

「あ……」

 ちょうど真ん中に差し掛かり、真上に芯円島の結ばれている部分がくる。
 樹里は少し声を上げたが、僕は樹里の手のひらに僕の手を合わせて、握る。

 ──しっかりしようぜ。
 そういうつもりかもしれない。

 急に生命観が薄れた樹里だったから、そんな樹里はあまり見たくない。
 ましてやこんなに縁起の良いところでいくら多喜恵さんが言ったからと言ってがっかりしないで欲しい。

 いつもならお互い恥ずかしくて、なかなか非常事態でもない限り手など握らないのだけど、ここは僕が樹里の隙をついて手を握った。
 それで僕の生命力が伝播して、あんな寂しげな顔吹っ飛ばせばいい。

「ほう……」
「あら」

 らんちゃんと多喜恵さんから吐息が漏れる。

 樹里は一瞬驚きはしたものの、そのまま歩みは止めずに逆にスピードを上げて早足になり数歩歩く……芯円島をくぐり抜けた。

「ちょ……ちょちょちょ……なに? なに~?」

 樹里が握られた右手を見て、僕を見てちょっと小バカにしたように笑いながら質問してくる。

「何なん? これ、、、何なん?」

「これは……その、さっき多喜恵さんから言われて……がっかりしたような、頼り無げな、儚げな感じがしたからやんか」

「……え? そんな……した、あっし?」
「したよ」
「………………」

 笑顔のままだが声もなく、目は僕ではなく、何を見るわけでもなくどこかを見ている。

「どっか行ってしまいそうな気がしたわ」

 僕がさっきの樹里の様子から感じた心の内を吐露した時だった。

 ──「さすが……『つがいの魂』ですね」
「……『つがいの魂』?」

「視野を変えて色々見ていましたら、びっくりするようなこと、いくつも分かってきましたよ」

 多喜恵さんはそう呟いて僕らを追い越して歩く。

(びっくりするようなこと? え? それって?)
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