《@死神アカウント》

ホラーうーさん

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フォローは呪いのサイン?

最終話「観測者の選択」

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──午前0時、玲奈のスマホが再び震える。

@4gami666:「Manabe_Yuto ノ再調整マデ、残リ 00:59:49」

その下に、見覚えのないファイルが届く。

【記録外:ナガミ・ハルカ】
「記録されなかった、彼の“最後の意志”です」

玲奈は急いで再生する。



録音データは、当時の永見遥の肉声だった。

「“死神アカ”は、僕が作ったんじゃない。
僕が、“観測”してしまったことで──“生まれた”。」

「孤独だった。誰にも気づかれたくて、怖がられたくて、
自分の存在を、ネットの向こうにでも“証明”したかった」

「だから、僕は“観測する者”じゃなく、“観測される者”になった。
それが……“死神アカ”だったんだよ」

玲奈:「……人が“見る”ことで、怪異は形を得る……
これは、都市伝説の自己言及構造……」

悠人:「つまり、“誰かに見られたい”という欲望が、あれを生んだ……」

玲奈の中で、ピースが揃う。

人はなぜ“呪い”を拡散するのか。
なぜ怖い話を、誰かに話したくなるのか。

それは──
「恐怖を分かち合えば、自分の存在が“記録”される気がする」からだ。



悠人のスマホに、最後の通知。

「最終再調整完了:カウント開始」
【残り 00:00:30】

玲奈:「間に合わない……!」

その瞬間、玲奈のスマホにポップアップ。

「最終選択:観測者ノ権限ヲ継承シマスカ?」
[YES]/[NO]

悠人:「玲奈、ダメだ、それを選んだら──」

玲奈:「私が“観測者”になれば、死神アカは私を中心に回る。
悠人を“観測”しなくなる……!」

玲奈は、選択肢を見つめる。

「YES」──“記録される存在”になる代償として、
周囲の死のリスクを一時的に引き受けられる。

「NO」──このまま、悠人が“対象”のまま、死神アカは処理を実行する。

悠人:「……バカやろう、そんなことしたら、今度はお前が──!」

玲奈:「いいの、もう決めた」

──玲奈は「YES」をタップした。



空気が歪む。

玲奈の周囲で、文字化けのような幻視が広がり、世界が“編集中”のように変質していく。

「観測者ノ交代ヲ確認。記録者:Asami_Reina」

悠人:「玲奈──!」

玲奈の身体は透明に近づき、ノイズの中に沈みかける。

だが、その時。

@4gami666:「記録ノ書キ換エ、失敗」
「対象:Reina_Asami、観測不能デス」

玲奈の記憶──「ミウとの過去」「九重の言葉」「旧校舎の記録」──
すべてが“私的すぎて”、“他人に観測されない”記録だった。

玲奈の存在は、“共有されない記憶”として、死神アカの記録プロトコルに干渉しない。

玲奈(モノローグ):「私は“孤独”を記録する。誰にも観測されない記録で、怪異を閉じ込める──」

「記録の循環、遮断成功」
「死神アカ、無効化」

玲奈は気を失い、その場に崩れ落ちた。



玲奈は病院のベッドで目を覚ます。傍には悠人。

悠人:「やっと起きたか。……72時間以上、眠ってたんだぞ」

玲奈:「……死神アカは?」

悠人:「消えた。SNS上の痕跡も、DMも、すべて。
まるで最初から存在しなかったみたいに」

玲奈はスマホを確認する。何もない。

けれど、ベッドの横に置かれた、誰も知らない黒いノート。
そこには彼女の手で、こう書かれていた。

【@死神アカウント】──この物語は、ここで終わりにする。




玲奈(モノローグ):

「怪異は、“記録”された瞬間に形を持つ。
でも、“記録されない記憶”の中に留めれば──
きっと、私たちは“終わらせる”ことができる」

「これは、誰にも届かない、私だけのエンディング」

──そして、ページが閉じられる。



《完》
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