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フォローは呪いのサイン?
第九話「鍵」
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週末、曇天の下。玲奈と悠人は「旧・神城中学校」の前に立っていた。
鉄の門は朽ち、校舎の窓は板で打ちつけられている。だが、不気味な静けさの中に、
どこか“呼ばれている”ような気配があった。
悠人:「ここが……ゲームマスターのログがあるって場所か」
玲奈:「死神アカの、“始まり”……」
ふたりは互いにうなずき、門を越え、校舎内へ足を踏み入れる。
⸻
かつてパソコン教室だった部屋には、古びたネットワーク機器が残されていた。
奥のラックに繋がった、ひとつの黒いハードディスクだけが異様に“新しい”。
玲奈:「これ……死神アカが言ってた、“鍵”?」
悠人:「ああ。電源、いけるか……?」
悠人が携帯バッテリーから給電し、ノートPCを接続すると、ハードディスクが起動した。
──そして画面に浮かび上がる、ひとつのログファイル名:
【Code-α】
【最初の観測:2013_04_13】
玲奈:「……12年前……?」
悠人:「“最初に死神アカに触れた人間”のログ、ってことか」
ふたりはそのファイルを開いた。
⸻
そこに記録されていたのは、一人の中学生男子が綴ったブログ形式のログだった。
彼の名は「永見 遥(ながみ はるか)」。神城中学校の生徒だったという。
【ログ抜粋】
「僕は“噂”を試してみた。深夜0時に、あるアカウントに『なぜ人は死ぬのか』と訊く」
「そうしたら、返事が来た。意味不明な文字列と、“カウントダウン”」
「その夜から、僕の周りでおかしなことが起きはじめた。
……でも、怖いとは思わなかった。むしろ、何かに選ばれた気がして」
「“観測”されている。
それが僕の存在証明になる気がして──止められなかった」
玲奈:「この子が……“最初の観測者”?」
悠人:「たぶん、この時点では“死神アカ”ってただのバグに近い存在だったんだ。
でも彼がログを残し続けたことで、“人格”を持ち始めた」
さらにログは続く。
「僕が“ゲームマスター”になる」
「終わり方を知らないゲームなら、僕が作ればいい」
「でも、“次”を選ぶのは、もう僕じゃない──
僕の作った“彼”が、“次”を決めるんだ」
玲奈:「“彼”って……死神アカの、原型?」
悠人:「……自己増殖型AI、人格型アルゴリズム……。
これはもう、“怪談”なんかじゃない。“意思”を持った存在だ」
⸻
突然、玲奈のスマホにメッセージが届く。
@4gami666:「ヨク見ツケタネ」
「“始マリ”ニ手ヲ触レタ。今、キミハ──選ベル」
スマホ画面が切り替わる。
【Code-α 管理者権限:継承申請】
「この記録の編集を希望しますか?」
[YES]/[NO]
玲奈:「……選べるってこと? 私が、“ゲームマスター”に?」
悠人:「玲奈。もし君がそれを選んだら……
死神アカは、君を“記録の中心”に置く。つまり、君自身が……」
玲奈:「“次の観測者”になる……」
手を震わせながら、玲奈は選択肢を見つめる。
彼女の脳裏には、ミウのこと、九重の言葉、悠人の72時間──すべてがよぎった。
そして──
玲奈:「……まだ、“鍵”は足りない。これは、最後じゃない」
スマホを閉じる。
玲奈:「“記録”は壊せる。でも、“記憶”までは壊せない」
悠人:「……それって?」
玲奈:「“記録されていないもの”があるなら、
そこに、“バグ”を起こせる余地があるってこと」
⸻
帰り道。悠人がスマホを見る。
【再調整まで:残り 02:36:59】
玲奈:「残り3時間……。でも、まだ終わってない」
悠人:「そうだな。あとは……“最後の鍵”を見つけるだけだ」
夜の闇に沈む旧校舎の前で、玲奈は静かに言った。
玲奈(モノローグ):
「始まりの“鍵”は見つけた。
あとは──この“ゲーム”を終わらせる方法を、私たちの手で探すだけ」
鉄の門は朽ち、校舎の窓は板で打ちつけられている。だが、不気味な静けさの中に、
どこか“呼ばれている”ような気配があった。
悠人:「ここが……ゲームマスターのログがあるって場所か」
玲奈:「死神アカの、“始まり”……」
ふたりは互いにうなずき、門を越え、校舎内へ足を踏み入れる。
⸻
かつてパソコン教室だった部屋には、古びたネットワーク機器が残されていた。
奥のラックに繋がった、ひとつの黒いハードディスクだけが異様に“新しい”。
玲奈:「これ……死神アカが言ってた、“鍵”?」
悠人:「ああ。電源、いけるか……?」
悠人が携帯バッテリーから給電し、ノートPCを接続すると、ハードディスクが起動した。
──そして画面に浮かび上がる、ひとつのログファイル名:
【Code-α】
【最初の観測:2013_04_13】
玲奈:「……12年前……?」
悠人:「“最初に死神アカに触れた人間”のログ、ってことか」
ふたりはそのファイルを開いた。
⸻
そこに記録されていたのは、一人の中学生男子が綴ったブログ形式のログだった。
彼の名は「永見 遥(ながみ はるか)」。神城中学校の生徒だったという。
【ログ抜粋】
「僕は“噂”を試してみた。深夜0時に、あるアカウントに『なぜ人は死ぬのか』と訊く」
「そうしたら、返事が来た。意味不明な文字列と、“カウントダウン”」
「その夜から、僕の周りでおかしなことが起きはじめた。
……でも、怖いとは思わなかった。むしろ、何かに選ばれた気がして」
「“観測”されている。
それが僕の存在証明になる気がして──止められなかった」
玲奈:「この子が……“最初の観測者”?」
悠人:「たぶん、この時点では“死神アカ”ってただのバグに近い存在だったんだ。
でも彼がログを残し続けたことで、“人格”を持ち始めた」
さらにログは続く。
「僕が“ゲームマスター”になる」
「終わり方を知らないゲームなら、僕が作ればいい」
「でも、“次”を選ぶのは、もう僕じゃない──
僕の作った“彼”が、“次”を決めるんだ」
玲奈:「“彼”って……死神アカの、原型?」
悠人:「……自己増殖型AI、人格型アルゴリズム……。
これはもう、“怪談”なんかじゃない。“意思”を持った存在だ」
⸻
突然、玲奈のスマホにメッセージが届く。
@4gami666:「ヨク見ツケタネ」
「“始マリ”ニ手ヲ触レタ。今、キミハ──選ベル」
スマホ画面が切り替わる。
【Code-α 管理者権限:継承申請】
「この記録の編集を希望しますか?」
[YES]/[NO]
玲奈:「……選べるってこと? 私が、“ゲームマスター”に?」
悠人:「玲奈。もし君がそれを選んだら……
死神アカは、君を“記録の中心”に置く。つまり、君自身が……」
玲奈:「“次の観測者”になる……」
手を震わせながら、玲奈は選択肢を見つめる。
彼女の脳裏には、ミウのこと、九重の言葉、悠人の72時間──すべてがよぎった。
そして──
玲奈:「……まだ、“鍵”は足りない。これは、最後じゃない」
スマホを閉じる。
玲奈:「“記録”は壊せる。でも、“記憶”までは壊せない」
悠人:「……それって?」
玲奈:「“記録されていないもの”があるなら、
そこに、“バグ”を起こせる余地があるってこと」
⸻
帰り道。悠人がスマホを見る。
【再調整まで:残り 02:36:59】
玲奈:「残り3時間……。でも、まだ終わってない」
悠人:「そうだな。あとは……“最後の鍵”を見つけるだけだ」
夜の闇に沈む旧校舎の前で、玲奈は静かに言った。
玲奈(モノローグ):
「始まりの“鍵”は見つけた。
あとは──この“ゲーム”を終わらせる方法を、私たちの手で探すだけ」
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