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7.本当にどうかしている。(アラン視点)
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気がつけばマレンマを抱きしめ、彼女の名を呼び頬に口付けていた自分に驚いた。
しっかりしているように見えて、隙がある彼女につい漬け込んでしまった。
もう、いい加減認めないといけないだろう。
僕はマレンマに惹かれている。
だからこそ、しょっちゅう自分の婚約の話題を出して、彼女の心を揺さぶろうとしている。
(人妻相手に何をやってるんだ、僕は⋯⋯)
目を落とすと、マレンマの腕に酷い火傷があるのが目に入った。
「腕、痛そうだ⋯⋯」
「痛くないですよ。もう、9年も前の火傷のあとです⋯⋯これは、母が私を救っていた証です⋯⋯」
マレンマの両親は火事で死んでいて、その生き残りが彼女だ。
酷い火傷を負って、女としては傷物扱いされただろう彼女が愛おしそうに傷を撫でる姿にたまらなくなった。
思わず彼女の腕をとり頬擦りすると、いよいよ彼女が僕に危機感を感じてきたようだ。
僕だって自分の行動を制御しようとしているが、マレンマが愛おしくて我慢できなくなってしまっていた。
「アラン皇太子殿下、ここで降ろしてください。もう邸宅の近くです」
「邸宅まで送ると言った。それと、明日時間をくれないだろうか。君に合わせたい人がいる⋯⋯」
「もしかして、アレクサンドラ皇帝陛下にお会いできるのですか?」
僕は聖女であるマリア・ルミナス男爵令嬢を彼女に会わせるつもりだった。
聖女の力なら彼女の火傷の痕も額の傷も跡形もなく綺麗にできる。
「あぁ、母上に会わせるつもりだ」
彼女は法改正を提言して来ていたから、皇帝である母に会いたいのだろう。
正直言って、僕自身が母に会いたくない。
母に会えば婚約者指名の話をされるに決まっている。
それに察しの良い母は僕がマレンマに惹かれていると気がつく。
母が彼女に余計な事を言うんじゃないかと不安だ。
今日は平民街での麻薬取引の調査に来た。
どうも自分のところに上がってくる報告が歪められたものに感じて信用できなかったからだ。
「アレクサンドラ皇帝陛下にお会いできるなんて嬉しいです。そういえば、酒場の店主はルトアニア訛りでしたね。リオダール帝国に移民で来て開業しているなんて、余程優秀な方なのでしょうか」
マレンマの指摘に息が止まりそうになった。リオダール帝国への移民要件は厳しく、高い教養が求められる。帝国では他国において医師や弁護士など専門性の高い職業についていたり、国際的に評価の高い人物のみを受け入れていた。
(移民2世とも考えられるが、おかしい⋯⋯)
少なくとも立ち居振る舞いから店主に教養は感じられなかった。
リオダール帝国で褐色の肌をした人間を殆ど見かけないのに対して、ルトアニア王国の民は8割が褐色の肌をしている。
店主も褐色の肌をしていた。
(不法滞在者か?)
ルトアニア王国ではリオダール帝国では違法となってる麻薬が合法で取引されている。
もしかしたら、あの酒場は麻薬の取引場だったかもしれない。
優秀なのはマレンマだ。
僕に余計な事を尋ねず、自分の気が付いた情報を伝えようとしてくれている。
これ以上、彼女を知ると本当に奪いたくなりそうだ。
カスケード侯爵邸に到着すると、皇家の馬車を見て僕を迎えた執事が慌て出した。
「申し訳ございません。アラン皇太子殿下、カスケード侯爵閣下は生憎、今、邸宅を留守にしておりまして」
真夜中に尋ねたのに、マレンマの夫であるミゲル・カスケード侯爵は留守らしい。
美しく莫大な財産と人脈を持つ彼は当然、人格も素晴らしいのかと思っていた。
それなのに、妻であるマレンマを放って真夜中に家を空けるような男だったらしい。
(マレンマは寂しくなって夜の街を彷徨っていたのか⋯⋯)
マレンマの額には彼からの暴力の痛々しい傷があり、腕にや9年前の火傷の痕がある。
ミゲル・カスケード侯爵の立場なら聖女に依頼して、彼女の傷を治してやる事も可能だったはずだ。
(僕なら彼女をもっと大切にするのに⋯⋯)
「アラン皇太子殿下、失礼します。このような夜遅くにお送り頂いてありがとうございます」
「そのようなことはどうって事ない。ただ、あのような場所に夜の1人歩きはやめてくれ」
「では、殿下が私が夜道を歩けるようにしてくださいね。偶には夜遊びだってしたいんです。おやすみなさい、良い夢を」
マレンマはうっすら笑いながら、静かに僕に語りかけた。
彼女の言葉は女性が夜の街を歩けるような治安の良い帝国を次期皇帝の僕に提言しているようにも聞こえるし、自分を守って欲しいと言うようにも聞こえる。
(ダメだ重症だ⋯⋯)
自分の中で都合よくマレンマの言葉を解釈してある事に気がつき溜め息が漏れた。皇宮に帰る気にもなれなくて、ただ彼女の消えた先である侯爵邸を見つめていた。
どれくらい時間が経ったか分からないくらいの時に、後ろから声をかけられ思わず声の主を睨みつけてしまった。
「アラン皇太子殿下に、ミゲル・カスケードがお目にかかります」
夜も明けようとしている今、僕に声をかけて来ているマレンマの夫はちょうど侯爵邸に帰って来たようだ。
「このような夜明け前に、どのようなご用でございましょうか?」
ミゲル・カスケードは僕がここにいる事を訝しんでいるようだ。
目の前の男に言ってやりたい事は山ほどあった。
麗しい見た目と物腰の柔らかさで評判も良いミゲル・カスケード。
身内を亡くしたマレンマを嫁にとった慈悲深い男。
彼の評判の全てに文句を言いたかった。
「もう、ミゲルったらー。どこに行ってたの?」
口を開いて彼を罵倒してやろうと思った時、侯爵邸から出てきたのは赤髪の女だった。
一目で商売女だと分かる風貌にため息が漏れる。
(下着のような格好で外に飛び出してくるとは⋯⋯お里が知れるな⋯⋯)
「やだー! 皇太子殿下じゃない、近くで見てもイイ男」
僕を見るなり腕に触れて来ようとする女の手を振り払った。
「カスケード侯爵、そなたには過ぎるエメラルドを手にしている事に気がつかないとは哀れだな」
僕はそう言い残すと、目を丸くしているカスケード侯爵を置いて馬車に乗り込んだ。
本当はマレンマを傷つけた彼を罵倒して宣誓布告してやりたかった。
僕の方が彼女を幸せにできると叫び、邸宅に乗り込んで彼女を連れ去りたかった。
(まともに会話したのも昨日が初めてなのに、ハマり過ぎだ⋯⋯本当にどうかしている)
気持ちが昂って気が張っていたのか急激に眠気が襲ってきて、気がついたら馬車の中で眠りについていた。
しっかりしているように見えて、隙がある彼女につい漬け込んでしまった。
もう、いい加減認めないといけないだろう。
僕はマレンマに惹かれている。
だからこそ、しょっちゅう自分の婚約の話題を出して、彼女の心を揺さぶろうとしている。
(人妻相手に何をやってるんだ、僕は⋯⋯)
目を落とすと、マレンマの腕に酷い火傷があるのが目に入った。
「腕、痛そうだ⋯⋯」
「痛くないですよ。もう、9年も前の火傷のあとです⋯⋯これは、母が私を救っていた証です⋯⋯」
マレンマの両親は火事で死んでいて、その生き残りが彼女だ。
酷い火傷を負って、女としては傷物扱いされただろう彼女が愛おしそうに傷を撫でる姿にたまらなくなった。
思わず彼女の腕をとり頬擦りすると、いよいよ彼女が僕に危機感を感じてきたようだ。
僕だって自分の行動を制御しようとしているが、マレンマが愛おしくて我慢できなくなってしまっていた。
「アラン皇太子殿下、ここで降ろしてください。もう邸宅の近くです」
「邸宅まで送ると言った。それと、明日時間をくれないだろうか。君に合わせたい人がいる⋯⋯」
「もしかして、アレクサンドラ皇帝陛下にお会いできるのですか?」
僕は聖女であるマリア・ルミナス男爵令嬢を彼女に会わせるつもりだった。
聖女の力なら彼女の火傷の痕も額の傷も跡形もなく綺麗にできる。
「あぁ、母上に会わせるつもりだ」
彼女は法改正を提言して来ていたから、皇帝である母に会いたいのだろう。
正直言って、僕自身が母に会いたくない。
母に会えば婚約者指名の話をされるに決まっている。
それに察しの良い母は僕がマレンマに惹かれていると気がつく。
母が彼女に余計な事を言うんじゃないかと不安だ。
今日は平民街での麻薬取引の調査に来た。
どうも自分のところに上がってくる報告が歪められたものに感じて信用できなかったからだ。
「アレクサンドラ皇帝陛下にお会いできるなんて嬉しいです。そういえば、酒場の店主はルトアニア訛りでしたね。リオダール帝国に移民で来て開業しているなんて、余程優秀な方なのでしょうか」
マレンマの指摘に息が止まりそうになった。リオダール帝国への移民要件は厳しく、高い教養が求められる。帝国では他国において医師や弁護士など専門性の高い職業についていたり、国際的に評価の高い人物のみを受け入れていた。
(移民2世とも考えられるが、おかしい⋯⋯)
少なくとも立ち居振る舞いから店主に教養は感じられなかった。
リオダール帝国で褐色の肌をした人間を殆ど見かけないのに対して、ルトアニア王国の民は8割が褐色の肌をしている。
店主も褐色の肌をしていた。
(不法滞在者か?)
ルトアニア王国ではリオダール帝国では違法となってる麻薬が合法で取引されている。
もしかしたら、あの酒場は麻薬の取引場だったかもしれない。
優秀なのはマレンマだ。
僕に余計な事を尋ねず、自分の気が付いた情報を伝えようとしてくれている。
これ以上、彼女を知ると本当に奪いたくなりそうだ。
カスケード侯爵邸に到着すると、皇家の馬車を見て僕を迎えた執事が慌て出した。
「申し訳ございません。アラン皇太子殿下、カスケード侯爵閣下は生憎、今、邸宅を留守にしておりまして」
真夜中に尋ねたのに、マレンマの夫であるミゲル・カスケード侯爵は留守らしい。
美しく莫大な財産と人脈を持つ彼は当然、人格も素晴らしいのかと思っていた。
それなのに、妻であるマレンマを放って真夜中に家を空けるような男だったらしい。
(マレンマは寂しくなって夜の街を彷徨っていたのか⋯⋯)
マレンマの額には彼からの暴力の痛々しい傷があり、腕にや9年前の火傷の痕がある。
ミゲル・カスケード侯爵の立場なら聖女に依頼して、彼女の傷を治してやる事も可能だったはずだ。
(僕なら彼女をもっと大切にするのに⋯⋯)
「アラン皇太子殿下、失礼します。このような夜遅くにお送り頂いてありがとうございます」
「そのようなことはどうって事ない。ただ、あのような場所に夜の1人歩きはやめてくれ」
「では、殿下が私が夜道を歩けるようにしてくださいね。偶には夜遊びだってしたいんです。おやすみなさい、良い夢を」
マレンマはうっすら笑いながら、静かに僕に語りかけた。
彼女の言葉は女性が夜の街を歩けるような治安の良い帝国を次期皇帝の僕に提言しているようにも聞こえるし、自分を守って欲しいと言うようにも聞こえる。
(ダメだ重症だ⋯⋯)
自分の中で都合よくマレンマの言葉を解釈してある事に気がつき溜め息が漏れた。皇宮に帰る気にもなれなくて、ただ彼女の消えた先である侯爵邸を見つめていた。
どれくらい時間が経ったか分からないくらいの時に、後ろから声をかけられ思わず声の主を睨みつけてしまった。
「アラン皇太子殿下に、ミゲル・カスケードがお目にかかります」
夜も明けようとしている今、僕に声をかけて来ているマレンマの夫はちょうど侯爵邸に帰って来たようだ。
「このような夜明け前に、どのようなご用でございましょうか?」
ミゲル・カスケードは僕がここにいる事を訝しんでいるようだ。
目の前の男に言ってやりたい事は山ほどあった。
麗しい見た目と物腰の柔らかさで評判も良いミゲル・カスケード。
身内を亡くしたマレンマを嫁にとった慈悲深い男。
彼の評判の全てに文句を言いたかった。
「もう、ミゲルったらー。どこに行ってたの?」
口を開いて彼を罵倒してやろうと思った時、侯爵邸から出てきたのは赤髪の女だった。
一目で商売女だと分かる風貌にため息が漏れる。
(下着のような格好で外に飛び出してくるとは⋯⋯お里が知れるな⋯⋯)
「やだー! 皇太子殿下じゃない、近くで見てもイイ男」
僕を見るなり腕に触れて来ようとする女の手を振り払った。
「カスケード侯爵、そなたには過ぎるエメラルドを手にしている事に気がつかないとは哀れだな」
僕はそう言い残すと、目を丸くしているカスケード侯爵を置いて馬車に乗り込んだ。
本当はマレンマを傷つけた彼を罵倒して宣誓布告してやりたかった。
僕の方が彼女を幸せにできると叫び、邸宅に乗り込んで彼女を連れ去りたかった。
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