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19.あなたの為に私はこの世界に生まれて来た気がする。
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意識が戻ると、私の知っている男たちの声が頭上から聞こえた。
1人は愛しいアラン皇太子、1人は憎らしいミゲルだ。
(なんで、この2人が会話しているの?)
目を開けようとしたところに、今、1番会うのが怖い人が部屋に入ってきたのが分かった。
「カスケード侯爵、アランはマレンマは離婚した男と関係を続けるような女ではないと言っているのだ。マレンマはそなたを大層嫌っておったから、そのような間柄で子など作らないということだ」
威厳のある低めの女性の声。
アレクサンドラ皇帝だ。
大切に育てた愛しいアラン皇太子に手を出した私を殺したいほど憎いはずだ。
「アレクサンドラ皇帝陛下に、ミゲル・カスケードがお目にかかります」
突然の皇帝の登場にミゲルが慌てて挨拶しているのがわかった。
少しビビっているのか、声が震えている。
確かにアレクサンドラ皇帝は荒波を生き抜いてきただけあって威圧感のレベルが違う。
「どうやら、8年間の結婚生活で子ができなかった原因は侯爵にあったようだな。調べもせずにマレンマを石女扱いしていたのか? そなたは捨てられても仕方がないような事をしているぞ」
アレクサンドラ皇帝の言葉に心で大きく頷いた。
そして、不妊の原因はミゲルにあったようだ。
どうやら私は妊娠しているらしい。
初めて彼が浮気した時、私が石女だからだと責められた。
それをそのまま信じ込んで、ますます引け目を感じた。
前世を思い出す前の私は自己肯定感が低過ぎた。
実家がないこと、火傷の痕、地味な見た目⋯⋯自分のマイナスな面ばかりに目を向けていた。
「母上、僕はマレンマと結婚するつもりです。ご報告もせず、発表をし申し訳ありませんでした。マレンマの返事を聞けていなかったものですから」
プロポーズの返事を聞けてないからと言って、婚約者として私の名を挙げて強行突破したアラン皇太子はやはり予想外の事をする人だ。
彼は度々驚きの行動をして私はびっくりさせる。
「妊娠2ヶ月くらいか?」
「はい、2ヶ月前、彼女と結ばれた時の子だと思います」
「それならば、結婚式は明日戴冠式と同時に挙げると良い」
どうやら私は明日結婚するらしい。
2ヶ月くらいは初夜の時できた子だといえば誤魔化せるという事だろう。
いわゆるタレントがデキ婚を誤魔化して、予定日よりも早く生まれましたというアレだ。
淡々としているアレクサンドラ皇帝がどのような表情をしているのか見るのが怖い。
ミゲルは部屋を出て行ってくれたのかも分からない。
彼は完全部外者なのでここにいて欲しくない。
「アラン、余はお前の決定は尊重する。でも、マレンマは皇后ではなく、皇妃にするのだ」
「なぜですか? 僕は彼女以外の妻を娶る気はありません。散々、夫の女性問題で傷ついてきた彼女が傷つくような事はしたくないのです」
「なっ!」
アラン皇太子の優しい言葉の後に、憎らしいミゲルの「なっ!」が聞こえてきた。早く部屋を出て行って欲しい。
「皇帝にとって妻を複数娶る事は浮気ではないぞ」
「母上は、父上と結婚して幸せでしたか? 僕には父上が3人の妻を全員不幸にしたように見えました。僕はマレンマ1人を愛し抜き、幸せにしたいのです」
目を瞑っていても涙が溢れそうになった。
「確かに幸せだったとは言い難いな。しかし、余がマレンマを皇妃にしろと言っているのはそういうことではないのだ。皇后というのは皇帝と同等の地位にある。しかし皇帝を太陽、皇后を月というように皇帝を影で支えるのが皇后だ。マレンマは自分が1番大切な人間だ。だから、関係が崩れた時に裁量を与えすぎるのは危険だと言っている」
私は自分の本質を見抜かれていた事に、心臓が止まりそうになった。
ミゲルとの結婚生活では私は内助の功を尽くしたと自負しているが、アレクサンドラ皇帝の見る私は息子を支える女には見えないということだ。
「母上、月は太陽の反射で光っているのですよ。僕はマレンマをとても優秀な女性だと思っています。僕はそのような彼女を輝かせる夫でありたいのです。マレンマを皇后にします。同等の地位にいることで、彼女が皇帝の仕事を代行することもできます。今、皇位継承権を持つのは彼女のお腹の子だけです。その子が成長するまで夫婦で支え合って行きたいのです」
アラン皇太子の言葉に感動のあまり震えてしまう。
ここまで私を想って認めてくれる彼に対して、私は先程傷つけるような事を言ってしまった。
「マレンマ、いつまで寝たふりを決め込んでいるのだ? 自分の意見を言いたいんじゃないのか? このままだと、話はどんどん進んでしまうぞ」
アレクサンドラ皇帝の声に私は固まった。
どうやら私の狸寝入りはバレていたようだ。
彼女と顔を合わせるのが怖い。
それでも、私はアラン皇太子の顔が見たかった。
私はきっと彼と出逢う為にこの世界に生まれて来た。
そう思えるくらいに彼に会いたかった。
今まで沢山傷ついた時間も彼と会う為にあった気がする。
爽やかな香りに優しい声、私を見つめる澄んだ瞳と純粋な愛。
彼の全てが愛おしいと思った。
私は愛の終わりを知っている。
愛の始まりはいつも甘く、終わりは苦い。
それでも、今度こそ最後まで甘い愛を享受したい。
目を開けるとそこにいたのは殺し屋のような目で私を見下ろすアレクサンドラ皇帝だった。優しい声色を使っていたが、彼女はやはり私を許せないようだ。
「マレンマ、目が覚めたのだな? 良かった、本当に良かった」
私をきつく抱きしめてくるアラン皇太子の胸に顔を埋める。
爽やかで軽やかな香りに混じるラベンダーの香り。
私の作ったクリーム石鹸を使ってくれたのだろう。
私は彼を強く抱きしめ返した。
「アラン、あなたの為に私はこの世界に生まれて来た気がする」
私の心からの本音だ。
前世での苦い3回の結婚も、今世の最低男ミゲルとの結婚も全ては彼につながる道筋だった気がする。
私の言葉を聞いてアラン皇太子は私の顔をまじまじと見た。
「今も僕だけが片想いしていると思っていたよ。心から愛している、マレンマ⋯⋯僕と結婚して欲しい」
私は返答の代わりに彼に深い口付けを返した。
ギャラリーに彼の母親であるアレクサンドラ皇帝と元夫のミゲルがいることはすっかり忘れていた。
1人は愛しいアラン皇太子、1人は憎らしいミゲルだ。
(なんで、この2人が会話しているの?)
目を開けようとしたところに、今、1番会うのが怖い人が部屋に入ってきたのが分かった。
「カスケード侯爵、アランはマレンマは離婚した男と関係を続けるような女ではないと言っているのだ。マレンマはそなたを大層嫌っておったから、そのような間柄で子など作らないということだ」
威厳のある低めの女性の声。
アレクサンドラ皇帝だ。
大切に育てた愛しいアラン皇太子に手を出した私を殺したいほど憎いはずだ。
「アレクサンドラ皇帝陛下に、ミゲル・カスケードがお目にかかります」
突然の皇帝の登場にミゲルが慌てて挨拶しているのがわかった。
少しビビっているのか、声が震えている。
確かにアレクサンドラ皇帝は荒波を生き抜いてきただけあって威圧感のレベルが違う。
「どうやら、8年間の結婚生活で子ができなかった原因は侯爵にあったようだな。調べもせずにマレンマを石女扱いしていたのか? そなたは捨てられても仕方がないような事をしているぞ」
アレクサンドラ皇帝の言葉に心で大きく頷いた。
そして、不妊の原因はミゲルにあったようだ。
どうやら私は妊娠しているらしい。
初めて彼が浮気した時、私が石女だからだと責められた。
それをそのまま信じ込んで、ますます引け目を感じた。
前世を思い出す前の私は自己肯定感が低過ぎた。
実家がないこと、火傷の痕、地味な見た目⋯⋯自分のマイナスな面ばかりに目を向けていた。
「母上、僕はマレンマと結婚するつもりです。ご報告もせず、発表をし申し訳ありませんでした。マレンマの返事を聞けていなかったものですから」
プロポーズの返事を聞けてないからと言って、婚約者として私の名を挙げて強行突破したアラン皇太子はやはり予想外の事をする人だ。
彼は度々驚きの行動をして私はびっくりさせる。
「妊娠2ヶ月くらいか?」
「はい、2ヶ月前、彼女と結ばれた時の子だと思います」
「それならば、結婚式は明日戴冠式と同時に挙げると良い」
どうやら私は明日結婚するらしい。
2ヶ月くらいは初夜の時できた子だといえば誤魔化せるという事だろう。
いわゆるタレントがデキ婚を誤魔化して、予定日よりも早く生まれましたというアレだ。
淡々としているアレクサンドラ皇帝がどのような表情をしているのか見るのが怖い。
ミゲルは部屋を出て行ってくれたのかも分からない。
彼は完全部外者なのでここにいて欲しくない。
「アラン、余はお前の決定は尊重する。でも、マレンマは皇后ではなく、皇妃にするのだ」
「なぜですか? 僕は彼女以外の妻を娶る気はありません。散々、夫の女性問題で傷ついてきた彼女が傷つくような事はしたくないのです」
「なっ!」
アラン皇太子の優しい言葉の後に、憎らしいミゲルの「なっ!」が聞こえてきた。早く部屋を出て行って欲しい。
「皇帝にとって妻を複数娶る事は浮気ではないぞ」
「母上は、父上と結婚して幸せでしたか? 僕には父上が3人の妻を全員不幸にしたように見えました。僕はマレンマ1人を愛し抜き、幸せにしたいのです」
目を瞑っていても涙が溢れそうになった。
「確かに幸せだったとは言い難いな。しかし、余がマレンマを皇妃にしろと言っているのはそういうことではないのだ。皇后というのは皇帝と同等の地位にある。しかし皇帝を太陽、皇后を月というように皇帝を影で支えるのが皇后だ。マレンマは自分が1番大切な人間だ。だから、関係が崩れた時に裁量を与えすぎるのは危険だと言っている」
私は自分の本質を見抜かれていた事に、心臓が止まりそうになった。
ミゲルとの結婚生活では私は内助の功を尽くしたと自負しているが、アレクサンドラ皇帝の見る私は息子を支える女には見えないということだ。
「母上、月は太陽の反射で光っているのですよ。僕はマレンマをとても優秀な女性だと思っています。僕はそのような彼女を輝かせる夫でありたいのです。マレンマを皇后にします。同等の地位にいることで、彼女が皇帝の仕事を代行することもできます。今、皇位継承権を持つのは彼女のお腹の子だけです。その子が成長するまで夫婦で支え合って行きたいのです」
アラン皇太子の言葉に感動のあまり震えてしまう。
ここまで私を想って認めてくれる彼に対して、私は先程傷つけるような事を言ってしまった。
「マレンマ、いつまで寝たふりを決め込んでいるのだ? 自分の意見を言いたいんじゃないのか? このままだと、話はどんどん進んでしまうぞ」
アレクサンドラ皇帝の声に私は固まった。
どうやら私の狸寝入りはバレていたようだ。
彼女と顔を合わせるのが怖い。
それでも、私はアラン皇太子の顔が見たかった。
私はきっと彼と出逢う為にこの世界に生まれて来た。
そう思えるくらいに彼に会いたかった。
今まで沢山傷ついた時間も彼と会う為にあった気がする。
爽やかな香りに優しい声、私を見つめる澄んだ瞳と純粋な愛。
彼の全てが愛おしいと思った。
私は愛の終わりを知っている。
愛の始まりはいつも甘く、終わりは苦い。
それでも、今度こそ最後まで甘い愛を享受したい。
目を開けるとそこにいたのは殺し屋のような目で私を見下ろすアレクサンドラ皇帝だった。優しい声色を使っていたが、彼女はやはり私を許せないようだ。
「マレンマ、目が覚めたのだな? 良かった、本当に良かった」
私をきつく抱きしめてくるアラン皇太子の胸に顔を埋める。
爽やかで軽やかな香りに混じるラベンダーの香り。
私の作ったクリーム石鹸を使ってくれたのだろう。
私は彼を強く抱きしめ返した。
「アラン、あなたの為に私はこの世界に生まれて来た気がする」
私の心からの本音だ。
前世での苦い3回の結婚も、今世の最低男ミゲルとの結婚も全ては彼につながる道筋だった気がする。
私の言葉を聞いてアラン皇太子は私の顔をまじまじと見た。
「今も僕だけが片想いしていると思っていたよ。心から愛している、マレンマ⋯⋯僕と結婚して欲しい」
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