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18.訂正してください!
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アリアドネ・シャリレーン、私はシャリレーン王国の王女として生まれた。
シャリレーン王国は他国との交流が皆無に等しかった。
特殊な宗教を信仰している為に、距離を置かれていたと言った方が正しいだろう。
特に資源が豊かという訳でもないので、他国もシャリレーン王国を侵略しようとしたことはなかった。
私は自分の生まれた国と、そこに住む人々を愛していた。
13歳の時、隣国のルドナの国王が私の母の美貌に目をつけた。
アンレリネ・シャリレーン、私の母は私と同じ琥珀色の瞳をした本当に美しい人だった。
既に父と結婚して王妃である母を所望するなど非常に無礼な話だ。
王妃を差し出さなければ、国を攻めると言われて父は頭を抱えていた。
シャリレーン王国には騎士団がない。
他国から攻められても、自国を守る術を持っていないのだ。
ルドナ国王は女好きな上に、非常に好戦的な人間として有名だった。
父は悩んだ末に、愛する母を引き渡さない決断をした。
しかし、ある夜、母は別れの手紙と代々王族に受け継がれているゴールデンベリルの指輪を置いてルドナ王国に行ってしまった。
母は父との離婚も成立しないまま、ルドナ国王に人質のような形で引き渡されていた。
父は国民に全ての経緯を説明した。
そして、自衛する為に武力を持つ必要性を強調した。
国を守る為に戦いたい志願兵は全く集まらなかった。
急遽、各貴族家から1人ずつ成人男子を招集した。
私は、国民が母が国の為にルドナ王国にいる事を当然のように受け止めているのが気になった。
半年後に、母はみるも無惨な姿で戻ってきた。
身体中に乱暴の痕跡があり、言葉を発せられないように喉を焼かれていた。
医師にも手の施しようがないと伝えられた。
私は必死に母を助ける術を探した。
そして、神聖力の使える聖女ならば母を助けられるのではないかと思った。
前回聖女が現れたのは100年以上前だという。
歴史を紐解くと大体100年に1度は聖女が誕生していた。
(もしかしたら、本人が気がついていないだけで聖女は既に誕生しているのかも⋯⋯)
聖女であることの証明の神聖力は、脳内で魔法陣をイメージし治癒の祈りを心の中で唱えることだ。
慈悲深く美しい清らかな魂に神より与えられるというその力。
私は自分の魂が神に選ばれる程、清らかだとは思っていない。
でも、神に私を選んでくれることを強く願った。
私の手のひらから出た微かな光は、母の暴行の跡を少しずつ消していった。
その奇跡を目撃した臣下たちから、私が聖女だと瞬く間に広がった。
私は寝ずに必死に母の傷跡を消したが、結局、力が至らず母は絶命した。
聖女であった私の存在はあっという間に医師や薬師の仕事を奪った。
私はその状況をかなり問題に思っていた。
命とは儚く、いつ散ってもおかしくないものだ。
私は自分が聖女である前に、いつ死んでもおかしくない人間だと自覚していた。
突然の母の死が私に死を身近に感じさせていた。
私がいなくなった後も、シャリレーン王国は続いていく。
母の死から父の様子がおかしくなり、あまり表に出せない状態になった。
部屋にこもっては何かをブツブツと言っている。
「余が殺したのは犬だ⋯⋯アンレリネは悪魔に取り憑かれてなどいない⋯⋯天罰などくだっていない⋯⋯」
女が悪魔に取り憑かれていると言われるのは、双子を産んでしまった時だ。
私は母が双子を産んでいた可能性を考え始めていた。
双子とは模造のような人間が生まれてしまう悪魔の悪戯だとシャリレーン教では考えられていた。
王妃がそのようなものを産んだと知られたら王家は求心力を失う。
父の性格であれば母が双子を産んだら、シャリレーン王家と母の尊厳の為に事実を隠すだろうと予想した。
私は父が頼りにしている側近のミカエリア・モンスラダ侯爵を問い詰めた。
すると母はやはり双子の姉妹を産んでいて、妹の方を始末するように父より命じられたらしい。
しかし、王族を殺すなど到底できないと思った彼はカルパシーノ地方に妹を捨てたと弁明してきた。
私が神聖力を使ったことで、父は神の愛する聖女の子を殺した可能性に気がつき狂ってしまった。
母も助けられず、父も発狂し私は追い詰められた。
シャリレーン王国は直系しか王位を継げないので、狂った父の代わりに王位を継げるのは私だけだ。
父から王位を譲って貰い私がシャリレーン王国を支えようと動いたが、少女の私が王位についたら父の病状が他国に露見すると反対された。
そして、14歳になった時、ルドナ国王は私を所望した。
生まれたてのシャリレーン王国の騎士団は他国と戦えるレベルではなかった。
私はシャリレーン王国を守る為にルドナ国王の元に嫁いだ。
メイド1人と騎士1人を連れて行って良いと言われたので、専属メイドのモリアナと騎士のケントリン・モンスラダを連れて行った。
ケントリンを選んでしまった事を私はすぐに後悔した。
騎士たちの訓練は任せきりになっていて、名簿を見て私は護衛騎士を選んだ。
彼の父親のモンスラダ侯爵のことを信頼してケントリンを選んだが、侯爵は1番使えない3男坊を騎士として差し出していた。
無口で無愛想な上、先回りして物事が考えられず、命令しないと何もしないのがケントリンだった。
ルドナ王国に人質ではなく、側室として私は迎えられた。
14歳という少女を妻にできてしまう、ルドナ王国は非常に問題のある国だった。
ルドナ国王は女に暴力を振るって、苦しめる事に喜びを覚える男だった。
私は純潔こそ奪われなかったが、王宮は暴君の無法地帯で私が殴られていても誰も庇ってくれなかった。
そして、私は母の死の真相を知ることになる。
母はルドナ王国で盗賊に襲われて暴行されたと聞いていたが、実際は国王の暴力で亡くなっていたのだ。
メイドや他の妻たちも傷だらけで、私は自分の神聖力で彼女たちを治療した。
15歳の時にルドナ国王に腹を踏みつけられたことで、私は2度と子供が産めない体になった。
私は自分がシャリレーン王国の未来を繋げないことに涙した。
ある日、父が死んだという情報が入ってきた。
私はルドナ国王に父の葬儀に出席させて欲しいと訴えた。
「妻を差し出し、娘を差し出した愚王の葬儀などに出たいのか?」
「訂正してください! お父様は国民のことを考える素晴らしい国王でした。お母様も私も自らルドナ王国に来たのです」
「女のくせに口答えしやがって、お前逃げる気だろう!」
私は両足の骨を折られ、父の葬儀にも出られなかった。
母を殺し、父の死に目にも会えず、私はルドナ国王に復讐する事にした。
猛毒のシェヌレン草の毒を使って、彼を毒殺した。
シャリレーン王国は毒草の生える土地だったので、私には毒の知識があった。
復讐を果たした後、私は自分の神聖力が擦り傷程度しか治せない程に弱まっていることに気がついた。
ルドナ王国が君主不在で混乱したところを、隣国のバルトネ王国が攻めてきた。
私の身柄はバルトネ王国に引き渡された。
外の情報を遮断されたシャリレーン王国で、仲の良い両親に育てられた私は世間を知らなすぎた。
世界は悪意で満ちていて、男は女をモノのように扱う。
私は昔から男性が苦手だったけれど、この頃には男という存在が恐ろしく醜い化け物に見える程になっていた。
バルトネ王国は港に隣接していることで、パレーシア帝国とも海路を使った貿易をしていた。北西諸国は貧しい国が多いが、バルトネ王国は地の利を活かして栄えていた。
「君はまだ幼い。こんな少女に手は出さないから、そんなに怯えなくて良い」
バルトネ国王はとても人格者に見えた。
「今日からよろしくね、アリアドネ。私のことを母親のように思ってくれて良いのよ」
クレアラ王妃も優しそうに見えて、私は気を抜いていた。
シャリレーン王国は他国との交流が皆無に等しかった。
特殊な宗教を信仰している為に、距離を置かれていたと言った方が正しいだろう。
特に資源が豊かという訳でもないので、他国もシャリレーン王国を侵略しようとしたことはなかった。
私は自分の生まれた国と、そこに住む人々を愛していた。
13歳の時、隣国のルドナの国王が私の母の美貌に目をつけた。
アンレリネ・シャリレーン、私の母は私と同じ琥珀色の瞳をした本当に美しい人だった。
既に父と結婚して王妃である母を所望するなど非常に無礼な話だ。
王妃を差し出さなければ、国を攻めると言われて父は頭を抱えていた。
シャリレーン王国には騎士団がない。
他国から攻められても、自国を守る術を持っていないのだ。
ルドナ国王は女好きな上に、非常に好戦的な人間として有名だった。
父は悩んだ末に、愛する母を引き渡さない決断をした。
しかし、ある夜、母は別れの手紙と代々王族に受け継がれているゴールデンベリルの指輪を置いてルドナ王国に行ってしまった。
母は父との離婚も成立しないまま、ルドナ国王に人質のような形で引き渡されていた。
父は国民に全ての経緯を説明した。
そして、自衛する為に武力を持つ必要性を強調した。
国を守る為に戦いたい志願兵は全く集まらなかった。
急遽、各貴族家から1人ずつ成人男子を招集した。
私は、国民が母が国の為にルドナ王国にいる事を当然のように受け止めているのが気になった。
半年後に、母はみるも無惨な姿で戻ってきた。
身体中に乱暴の痕跡があり、言葉を発せられないように喉を焼かれていた。
医師にも手の施しようがないと伝えられた。
私は必死に母を助ける術を探した。
そして、神聖力の使える聖女ならば母を助けられるのではないかと思った。
前回聖女が現れたのは100年以上前だという。
歴史を紐解くと大体100年に1度は聖女が誕生していた。
(もしかしたら、本人が気がついていないだけで聖女は既に誕生しているのかも⋯⋯)
聖女であることの証明の神聖力は、脳内で魔法陣をイメージし治癒の祈りを心の中で唱えることだ。
慈悲深く美しい清らかな魂に神より与えられるというその力。
私は自分の魂が神に選ばれる程、清らかだとは思っていない。
でも、神に私を選んでくれることを強く願った。
私の手のひらから出た微かな光は、母の暴行の跡を少しずつ消していった。
その奇跡を目撃した臣下たちから、私が聖女だと瞬く間に広がった。
私は寝ずに必死に母の傷跡を消したが、結局、力が至らず母は絶命した。
聖女であった私の存在はあっという間に医師や薬師の仕事を奪った。
私はその状況をかなり問題に思っていた。
命とは儚く、いつ散ってもおかしくないものだ。
私は自分が聖女である前に、いつ死んでもおかしくない人間だと自覚していた。
突然の母の死が私に死を身近に感じさせていた。
私がいなくなった後も、シャリレーン王国は続いていく。
母の死から父の様子がおかしくなり、あまり表に出せない状態になった。
部屋にこもっては何かをブツブツと言っている。
「余が殺したのは犬だ⋯⋯アンレリネは悪魔に取り憑かれてなどいない⋯⋯天罰などくだっていない⋯⋯」
女が悪魔に取り憑かれていると言われるのは、双子を産んでしまった時だ。
私は母が双子を産んでいた可能性を考え始めていた。
双子とは模造のような人間が生まれてしまう悪魔の悪戯だとシャリレーン教では考えられていた。
王妃がそのようなものを産んだと知られたら王家は求心力を失う。
父の性格であれば母が双子を産んだら、シャリレーン王家と母の尊厳の為に事実を隠すだろうと予想した。
私は父が頼りにしている側近のミカエリア・モンスラダ侯爵を問い詰めた。
すると母はやはり双子の姉妹を産んでいて、妹の方を始末するように父より命じられたらしい。
しかし、王族を殺すなど到底できないと思った彼はカルパシーノ地方に妹を捨てたと弁明してきた。
私が神聖力を使ったことで、父は神の愛する聖女の子を殺した可能性に気がつき狂ってしまった。
母も助けられず、父も発狂し私は追い詰められた。
シャリレーン王国は直系しか王位を継げないので、狂った父の代わりに王位を継げるのは私だけだ。
父から王位を譲って貰い私がシャリレーン王国を支えようと動いたが、少女の私が王位についたら父の病状が他国に露見すると反対された。
そして、14歳になった時、ルドナ国王は私を所望した。
生まれたてのシャリレーン王国の騎士団は他国と戦えるレベルではなかった。
私はシャリレーン王国を守る為にルドナ国王の元に嫁いだ。
メイド1人と騎士1人を連れて行って良いと言われたので、専属メイドのモリアナと騎士のケントリン・モンスラダを連れて行った。
ケントリンを選んでしまった事を私はすぐに後悔した。
騎士たちの訓練は任せきりになっていて、名簿を見て私は護衛騎士を選んだ。
彼の父親のモンスラダ侯爵のことを信頼してケントリンを選んだが、侯爵は1番使えない3男坊を騎士として差し出していた。
無口で無愛想な上、先回りして物事が考えられず、命令しないと何もしないのがケントリンだった。
ルドナ王国に人質ではなく、側室として私は迎えられた。
14歳という少女を妻にできてしまう、ルドナ王国は非常に問題のある国だった。
ルドナ国王は女に暴力を振るって、苦しめる事に喜びを覚える男だった。
私は純潔こそ奪われなかったが、王宮は暴君の無法地帯で私が殴られていても誰も庇ってくれなかった。
そして、私は母の死の真相を知ることになる。
母はルドナ王国で盗賊に襲われて暴行されたと聞いていたが、実際は国王の暴力で亡くなっていたのだ。
メイドや他の妻たちも傷だらけで、私は自分の神聖力で彼女たちを治療した。
15歳の時にルドナ国王に腹を踏みつけられたことで、私は2度と子供が産めない体になった。
私は自分がシャリレーン王国の未来を繋げないことに涙した。
ある日、父が死んだという情報が入ってきた。
私はルドナ国王に父の葬儀に出席させて欲しいと訴えた。
「妻を差し出し、娘を差し出した愚王の葬儀などに出たいのか?」
「訂正してください! お父様は国民のことを考える素晴らしい国王でした。お母様も私も自らルドナ王国に来たのです」
「女のくせに口答えしやがって、お前逃げる気だろう!」
私は両足の骨を折られ、父の葬儀にも出られなかった。
母を殺し、父の死に目にも会えず、私はルドナ国王に復讐する事にした。
猛毒のシェヌレン草の毒を使って、彼を毒殺した。
シャリレーン王国は毒草の生える土地だったので、私には毒の知識があった。
復讐を果たした後、私は自分の神聖力が擦り傷程度しか治せない程に弱まっていることに気がついた。
ルドナ王国が君主不在で混乱したところを、隣国のバルトネ王国が攻めてきた。
私の身柄はバルトネ王国に引き渡された。
外の情報を遮断されたシャリレーン王国で、仲の良い両親に育てられた私は世間を知らなすぎた。
世界は悪意で満ちていて、男は女をモノのように扱う。
私は昔から男性が苦手だったけれど、この頃には男という存在が恐ろしく醜い化け物に見える程になっていた。
バルトネ王国は港に隣接していることで、パレーシア帝国とも海路を使った貿易をしていた。北西諸国は貧しい国が多いが、バルトネ王国は地の利を活かして栄えていた。
「君はまだ幼い。こんな少女に手は出さないから、そんなに怯えなくて良い」
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