31 / 40
31.どうぞ、お入りください。
しおりを挟む
私はレイリンと帝国の街に買い物に来ていた。
彼女とルイスとは名前で呼び合う程、仲良くなった。
「レイリン、帝国は何だか華やかですね」
「ふふっ。何だか、はしゃいでいるカリンは本当に可愛いですね。帝国を気に入ってくれて嬉しいです」
「2週間で来られるので、また来ますね。手紙も書きます。やはり、セルシオが心配なのでそろそろ帰ろうかと思うのです。ルイスに宜しくお伝えください」
寝巻きもお土産も買えたので、私は港の方に向かおうとした。
カルパシーノ王国行きの貿易船が夕刻に出航すると聞いていたので、乗せてもらおうと思ったのだ。
「待って! あの⋯⋯せめて1週間くらいは帝国で過ごしませんか? もっと、カリンを連れて行きたい場所があるのです」
レイリンが私の手首を掴んでくる、何だか必死に引き止められている気がした。
「アリアドネ? アリアドネに似ている気がするが⋯⋯」
向かいから歩いてきた高貴そうな方を肖像画で見たことがある。
多くの騎士を引き連れている彼はルイスの兄のクリス第1皇子だ。
「クリス・パレーシア皇子殿下に、アリアドネ・シャリレーンがお目にかかります」
私の言葉にクリス皇子は笑いを堪えていた。
「この世のものとは思えない美しい瞳だ⋯⋯アリアドネと似ているけれど、君は彼女のただのそっくりさんではないね。ここにレイリン嬢といるということは、神聖力で父上を治療しに来たのかな。無駄なことを⋯⋯」
「お父様は今、元気になってますよ。早くお部屋に行ってあげてください。可愛い息子さんとお喋りできるのを心待ちにしていると思います」
「はぁ? そんな訳ないだろ。余計なことを⋯⋯死に際の人間を回復させるなんて、君はまさか⋯⋯」
クリス皇子はそう言い残すと慌てて皇城の方に向かった。
ゾロゾロと彼の護衛騎士が後をついて行く。
黒髪の後ろ姿にセルシオを思い出して私はますます彼に会いたくなった。
今日は本当に楽しい1日だった。
無事にセルシオの恩人を治療できて、レイリンと可愛い寝巻きも買いに行けた。セルシオへのお土産に沢山美味しいお菓子を買った。
見たことのない宝石のようなお菓子は、食べたことのない食感と風味をしていた。
(パレーシア帝国はお菓子帝国だったのね⋯⋯)
お土産用に買ったお菓子も美味しすぎて、ほとんど食べてしまった。
(誘惑に勝てなかった⋯⋯明日また買いに行こう⋯⋯)
セルシオは実は甘いものが好きだ。
お菓子を食べて綻ぶ彼の口元が堪らなく可愛い。
1年間の結婚期間、毎食彼と食事をしていたので食の好みについては詳しい。
パレーシア帝国の港が、今、使えない状態になっているらしい。
理由を聞いたけれど教えて貰えなかった。
国境を超えて、隣国の港からカルパシーノ王国に帰れるだろうか。
帝国は活気や刺激があって栄えていて楽しい。
それでも、私は常にセルシオの事を考えている。
帝国がカルパシーノ王国を狙っている兆候は見られなかった。
もしかしたら、ベリオット皇帝が生き残ったことでカルパシーノ王国が攻められる未来を回避できたのかもしれない。
セルシオへの手紙を書くけれど、その手紙は陸路で運ばれるので届くのは半年後だ。
1ヶ月程で帰ると約束したのに、心配を掛けてしまいそうで不安になった。
ノックがして、下がらせたはずのメイドが入ってきた。
「ルイス皇子殿下がいらっしゃるのでご準備ください」
私が理由を尋ねる暇もなく一礼をして下がってしまう。
私は準備と言われて、思わずベッドの下に潜り時を戻す魔法陣をかいていた。
時間が経つと、実は私自身とルイス皇子を生贄にしても時を戻せるかもしれないと思うことがあった。
帝国にいると、過去の記憶のせいでセルシオともう会えなくなるのではないかという不安に襲われる。
セルシオがまだ私を好きになってないのは分かるけれど、回帰前の絶命直前に心から愛していて名前を呼んで抱きたかったと言われた事が忘れられない。
(早くセルシオと両思いになりたい!)
ルイスは人となりを知ると、とても優しくて親切な方だった。過去にセルシオを侮辱し、私を手篭めにしようとした下衆な男は本当に彼だったのかさえ思う。
トントン!
「どうぞ、お入りください」
私は魔法陣をかきながら、応えた。
思えば前回は指を噛み切り両手で超スピードで書いた。
ゆっくり書くと結構時間がかかる。
「ベッドの下に何か落としたのか? そんなものはメイドに探させれば⋯⋯」
ルイスの声がして私は慌ててベッドから出ようとした。
ゴツン!
頭をぶつけてしまって凄く痛い。
やっとベッドから出たけれど、思わず涙目になり頭を抑える。
「カリン! 大丈夫か? 心配を掛けないでくれ」
ルイスが私を強く抱きしめてくる。
なぜだかか少し懐かしい感じがする。
回帰前、突然彼に口づけをされた時も押し返そうと思ったが、気がつけば受け入れていた。
何だか彼の口づけを何度も受けて来たような慣れのような感覚があった。
(何だか不思議な感覚だわ⋯⋯)
「こんな真夜中に何か会ったのですか? まさか、怖い夢を見て眠れないとか⋯⋯」
ルイスが来ると聞いて自然と時を戻す魔法陣を書いた自分を恥じた。
彼は日々彼の人生を生きる人間なのに、私は彼をもしもの時の生贄候補と考えている。
「怖い夢なんて見ないよ⋯⋯カリン、君さえ僕と一緒にいてくれれば僕には何も怖いものなんてない⋯⋯出会った時からずっと君が好きだった。今晩だけで良い。僕の妻になって欲しい」
私の頬に手を添え、目を瞑り唇を近づけてくる彼に衝撃を受けた。
前回、未亡人の私を上から高圧的に私を抱こうとしてきたルイス。
今回は人妻の私に下から懇願するように私を抱きたいと願うルイス。
時を戻して全く違う行動をとったはずなのに、なぜか同じ結果になっているような気がした。
彼女とルイスとは名前で呼び合う程、仲良くなった。
「レイリン、帝国は何だか華やかですね」
「ふふっ。何だか、はしゃいでいるカリンは本当に可愛いですね。帝国を気に入ってくれて嬉しいです」
「2週間で来られるので、また来ますね。手紙も書きます。やはり、セルシオが心配なのでそろそろ帰ろうかと思うのです。ルイスに宜しくお伝えください」
寝巻きもお土産も買えたので、私は港の方に向かおうとした。
カルパシーノ王国行きの貿易船が夕刻に出航すると聞いていたので、乗せてもらおうと思ったのだ。
「待って! あの⋯⋯せめて1週間くらいは帝国で過ごしませんか? もっと、カリンを連れて行きたい場所があるのです」
レイリンが私の手首を掴んでくる、何だか必死に引き止められている気がした。
「アリアドネ? アリアドネに似ている気がするが⋯⋯」
向かいから歩いてきた高貴そうな方を肖像画で見たことがある。
多くの騎士を引き連れている彼はルイスの兄のクリス第1皇子だ。
「クリス・パレーシア皇子殿下に、アリアドネ・シャリレーンがお目にかかります」
私の言葉にクリス皇子は笑いを堪えていた。
「この世のものとは思えない美しい瞳だ⋯⋯アリアドネと似ているけれど、君は彼女のただのそっくりさんではないね。ここにレイリン嬢といるということは、神聖力で父上を治療しに来たのかな。無駄なことを⋯⋯」
「お父様は今、元気になってますよ。早くお部屋に行ってあげてください。可愛い息子さんとお喋りできるのを心待ちにしていると思います」
「はぁ? そんな訳ないだろ。余計なことを⋯⋯死に際の人間を回復させるなんて、君はまさか⋯⋯」
クリス皇子はそう言い残すと慌てて皇城の方に向かった。
ゾロゾロと彼の護衛騎士が後をついて行く。
黒髪の後ろ姿にセルシオを思い出して私はますます彼に会いたくなった。
今日は本当に楽しい1日だった。
無事にセルシオの恩人を治療できて、レイリンと可愛い寝巻きも買いに行けた。セルシオへのお土産に沢山美味しいお菓子を買った。
見たことのない宝石のようなお菓子は、食べたことのない食感と風味をしていた。
(パレーシア帝国はお菓子帝国だったのね⋯⋯)
お土産用に買ったお菓子も美味しすぎて、ほとんど食べてしまった。
(誘惑に勝てなかった⋯⋯明日また買いに行こう⋯⋯)
セルシオは実は甘いものが好きだ。
お菓子を食べて綻ぶ彼の口元が堪らなく可愛い。
1年間の結婚期間、毎食彼と食事をしていたので食の好みについては詳しい。
パレーシア帝国の港が、今、使えない状態になっているらしい。
理由を聞いたけれど教えて貰えなかった。
国境を超えて、隣国の港からカルパシーノ王国に帰れるだろうか。
帝国は活気や刺激があって栄えていて楽しい。
それでも、私は常にセルシオの事を考えている。
帝国がカルパシーノ王国を狙っている兆候は見られなかった。
もしかしたら、ベリオット皇帝が生き残ったことでカルパシーノ王国が攻められる未来を回避できたのかもしれない。
セルシオへの手紙を書くけれど、その手紙は陸路で運ばれるので届くのは半年後だ。
1ヶ月程で帰ると約束したのに、心配を掛けてしまいそうで不安になった。
ノックがして、下がらせたはずのメイドが入ってきた。
「ルイス皇子殿下がいらっしゃるのでご準備ください」
私が理由を尋ねる暇もなく一礼をして下がってしまう。
私は準備と言われて、思わずベッドの下に潜り時を戻す魔法陣をかいていた。
時間が経つと、実は私自身とルイス皇子を生贄にしても時を戻せるかもしれないと思うことがあった。
帝国にいると、過去の記憶のせいでセルシオともう会えなくなるのではないかという不安に襲われる。
セルシオがまだ私を好きになってないのは分かるけれど、回帰前の絶命直前に心から愛していて名前を呼んで抱きたかったと言われた事が忘れられない。
(早くセルシオと両思いになりたい!)
ルイスは人となりを知ると、とても優しくて親切な方だった。過去にセルシオを侮辱し、私を手篭めにしようとした下衆な男は本当に彼だったのかさえ思う。
トントン!
「どうぞ、お入りください」
私は魔法陣をかきながら、応えた。
思えば前回は指を噛み切り両手で超スピードで書いた。
ゆっくり書くと結構時間がかかる。
「ベッドの下に何か落としたのか? そんなものはメイドに探させれば⋯⋯」
ルイスの声がして私は慌ててベッドから出ようとした。
ゴツン!
頭をぶつけてしまって凄く痛い。
やっとベッドから出たけれど、思わず涙目になり頭を抑える。
「カリン! 大丈夫か? 心配を掛けないでくれ」
ルイスが私を強く抱きしめてくる。
なぜだかか少し懐かしい感じがする。
回帰前、突然彼に口づけをされた時も押し返そうと思ったが、気がつけば受け入れていた。
何だか彼の口づけを何度も受けて来たような慣れのような感覚があった。
(何だか不思議な感覚だわ⋯⋯)
「こんな真夜中に何か会ったのですか? まさか、怖い夢を見て眠れないとか⋯⋯」
ルイスが来ると聞いて自然と時を戻す魔法陣を書いた自分を恥じた。
彼は日々彼の人生を生きる人間なのに、私は彼をもしもの時の生贄候補と考えている。
「怖い夢なんて見ないよ⋯⋯カリン、君さえ僕と一緒にいてくれれば僕には何も怖いものなんてない⋯⋯出会った時からずっと君が好きだった。今晩だけで良い。僕の妻になって欲しい」
私の頬に手を添え、目を瞑り唇を近づけてくる彼に衝撃を受けた。
前回、未亡人の私を上から高圧的に私を抱こうとしてきたルイス。
今回は人妻の私に下から懇願するように私を抱きたいと願うルイス。
時を戻して全く違う行動をとったはずなのに、なぜか同じ結果になっているような気がした。
10
あなたにおすすめの小説
酒飲み聖女は気だるげな騎士団長に秘密を握られています〜完璧じゃなくても愛してるって正気ですか!?〜
鳥花風星
恋愛
太陽の光に当たって透けるような銀髪、紫水晶のような美しい瞳、均整の取れた体つき、女性なら誰もが羨むような見た目でうっとりするほどの完璧な聖女。この国の聖女は、清楚で見た目も中身も美しく、誰もが羨む存在でなければいけない。聖女リリアは、ずっとみんなの理想の「聖女様」でいることに専念してきた。
そんな完璧な聖女であるリリアには誰にも知られてはいけない秘密があった。その秘密は完璧に隠し通され、絶対に誰にも知られないはずだった。だが、そんなある日、騎士団長のセルにその秘密を知られてしまう。
秘密がばれてしまったら、完璧な聖女としての立場が危うく、国民もがっかりさせてしまう。秘密をばらさないようにとセルに懇願するリリアだが、セルは秘密をばらされたくなければ婚約してほしいと言ってきた。
一途な騎士団長といつの間にか逃げられなくなっていた聖女のラブストーリー。
◇氷雨そら様主催「愛が重いヒーロー企画」参加作品です。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
【完結】たれ耳うさぎの伯爵令嬢は、王宮魔術師様のお気に入り
楠結衣
恋愛
華やかな卒業パーティーのホール、一人ため息を飲み込むソフィア。
たれ耳うさぎ獣人であり、伯爵家令嬢のソフィアは、学園の噂に悩まされていた。
婚約者のアレックスは、聖女と呼ばれる美少女と婚約をするという。そんな中、見せつけるように、揃いの色のドレスを身につけた聖女がアレックスにエスコートされてやってくる。
しかし、ソフィアがアレックスに対して不満を言うことはなかった。
なぜなら、アレックスが聖女と結婚を誓う魔術を使っているのを偶然見てしまったから。
せめて、婚約破棄される瞬間は、アレックスのお気に入りだったたれ耳が、可愛く見えるように願うソフィア。
「ソフィーの耳は、ふわふわで気持ちいいね」
「ソフィーはどれだけ僕を夢中にさせたいのかな……」
かつて掛けられた甘い言葉の数々が、ソフィアの胸を締め付ける。
執着していたアレックスの真意とは?ソフィアの初恋の行方は?!
見た目に自信のない伯爵令嬢と、伯爵令嬢のたれ耳をこよなく愛する見た目は余裕のある大人、中身はちょっぴり変態な先生兼、王宮魔術師の溺愛ハッピーエンドストーリーです。
*全16話+番外編の予定です
*あまあです(ざまあはありません)
*2023.2.9ホットランキング4位 ありがとうございます♪
身を引いたのに、皇帝からの溺愛が止まりません ~秘された珠の還る場所~
ささゆき細雪
恋愛
五年前、内乱の混乱のなかで姿を消した最愛の妃・白瑤華(はくようか)。
彼女を失った皇帝・景玄耀(けいげんよう)は、その後ただ一人を想い続けながら執務に追われていた。そんなある日、書類に彼女の名前を発見し、居ても立っても居られなくなる。
――死んだはずの彼女が、生きている?
同姓同名かもしれないが確かめずにいられなくなった彼は地方巡察を決行。そこで、彼によく似た幼子とともに彼女と再会、地方官吏として働く瑤華と、珠児(しゅじ)を見て、皇帝は決意する――もう二度と、逃がさないと。
「今さら、逃げ道があると思うなよ」
瑤華を玄耀は責めずに、待ちの姿勢で包み込み、囲い込んでいく。
秘された皇子と、選び直した愛。
三人で食卓を囲む幸福が、国をも動かすことになるなんて――?
* * *
後宮から逃げ出して身を引いたのに、皇帝の溺愛は止まらない――これはそんな、中華風異世界ロマンス。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】竜王に嫁いだら、推しの半竜皇子の継母になりました〜冷酷な夫には興味ありませんが、闇落ち予定の皇子は私が全力で幸せにします!〜
せりもも
恋愛
転生したのは、web小説の世界だった。物語が始まる前の時間、隣国の竜王へ嫁ぐ薄幸の王女、デジレに。
結婚相手である竜王ワッツァは、冷酷非道で人間を蔑む恐ろしい竜人だ。彼はデジレを、半竜(半分竜で半分人間)である息子の養育係としかみていない。けれどその息子バートラフこそ、前世の「わたし」の最オシだった。
この世界のバートラフはまだ5歳。懸命に悪ガキぶっているけど、なんてかわいいの!? 小説のバートラフは、闇落ちして仲間の騎士たちに殺されてしまうけど、そんな未来は、絶対に許さないんだから!
幼いバートラフに対する、愛情いっぱいの子育ての日々が始まる。やがて彼の成竜への通過儀礼を経て、父の竜王は、デジレに対して執着を見せ始める。
ところが、竜と人間の戦争が始まってしまう。おとなになったバートラフは人間側につき、聖女の騎士団に入った。彼は、父の竜王に刃を向けられるのか? そして、転生者デジレに与えられたスキル「プロットを破断する者」を、彼女はどう発動させるのか。
王宮追放された没落令嬢は、竜神に聖女へ勝手にジョブチェンジさせられました~なぜか再就職先の辺境で、王太子が溺愛してくるんですが!?~
結田龍
恋愛
「小娘を、ひっ捕らえよ!」
没落令嬢イシュカ・セレーネはランドリック王国の王宮術師団に所属する水術師だが、宰相オズウェン公爵によって、自身の娘・公爵令嬢シャーロットの誘拐罪で王宮追放されてしまう。それはシャーロットとイシュカを敵視する同僚の水術師ヘンリエッタによる、退屈しのぎのための陰湿な嫌がらせだった。
あっという間に王都から追い出されたイシュカだが、なぜか王太子ローク・ランドリックによって助けられ、「今度は俺が君を助けると決めていたんだ」と甘く告げられる。
ロークとは二年前の戦争終結時に野戦病院で出会っていて、そこで聖女だとうわさになっていたイシュカは、彼の体の傷だけではなく心の傷も癒したらしい。そんなイシュカに対し、ロークは甘い微笑みを絶やさない。
あわあわと戸惑うイシュカだが、ロークからの提案で竜神伝説のある辺境の地・カスタリアへ向かう。そこは宰相から実権を取り返すために、ロークが領主として領地経営をしている場所だった。
王宮追放で職を失ったイシュカはロークの領主経営を手伝うが、ひょんなことから少年の姿をした竜神スクルドと出会い、さらには勝手に聖女と認定されてしまったのだった。
毎日更新、ハッピーエンドです。完結まで執筆済み。
恋愛小説大賞にエントリーしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる