虐められ抜いた私が悪役令嬢に転生し援軍を得て、婚約破棄してきた王子をざまぁし最高の男と結ばれるまで。

専業プウタ

文字の大きさ
1 / 55

1.虐められても虐めるのだけは絶対嫌。

しおりを挟む
「綾、定期貸してよ。東京まで行きたいの」

私が大学に行こうとすると地元の駅に向かう途中、愛が現れた。
白川愛、彼女は地元のボス的な女の子で私は彼女に虐められ続け中学の時不登校になった。

私は高校は通信で卒業し、必死に勉強して東京の大学に入った。
私にとって地元は地獄のような場所で、そこから逃げたかったからだ。

「あの、でもそれは学生定期の不正使用で、これがないと私が大学に行けないので⋯⋯」
私が定期入れを握りしめながら言うと彼女が睨んで来る。

「行かなきゃいいじゃん。貧乏なのに大学とか贅沢でしょ。たぶん、綾は死ぬのが1番みんなの為になるよ。ブスが空気吸って吐いているだけでみんな気分が悪くなるから」
愛の言葉はいつだってナイフのように私の胸を突き刺した。

「大学は奨学金で行っているから⋯⋯」
初めて私は愛に言い返した。
高校3年間、家でひたすらに勉強して地獄の地元から逃げる手段を得たのだ。


「バイトよく採用になったよね。乳、採用じゃね。何、体売ってるの? 相変わらず、キモいな!」
彼女が私の胸のあたりを見ながら言ってくる。
中学の時は彼女はクラス中に私が貧乏だから売春しているというありもしない噂を流された。

私は生活費の捻出のため、レストランでバイトを始めていた。
話すのが苦手なので、厨房勤務だ。

中学の同級生に会うのが怖くて、中学の学区を外した場所で見つけたバイトなのに愛にバイト先がバレてしまった。
きっと、また嫌がらせをされると思うと恐怖で震えてくる。

高校時代、私は痩せた。
ダイエットをしたつもりはなかったが、ご飯が喉を通らなかった。
中学時代の壮絶ないじめを思い出し、私は思わず息がつまる。

「また残飯処理をしたくて、レストランでバイト始めたんだ。中学の時も給食の残り全部食べてたものね。豚みたいだった、キモい」

綾の言葉に涙が溢れて来た。
私はクラスのみんなから貧乏なんだから、飯を恵んでやると言われ残飯を食べさせられていた。

毎日、お腹が痛くなるくらい食べさせられて、それが太った原因だ。
そのトラウマがあり、学校に行けなくなってもその時の記憶を思い出すと吐いてしまった。

「とにかく定期もらってくから」
愛が私の手から定期入れを掠め取った。
私は慌てて彼女を追いかける、

「待って!」
その時、私は横から来たトラックに轢かれてしまった。

♢♢♢


「イザベラ、ライト公爵家は王家と繋がりが深い、だからお前と同じ10歳のルブリス王子と婚約することになった」

目を開けると、そこは私が小説で読んだ世界だった。
目の前にいるライト公爵の瞳には赤い髪に黄金の瞳をした可愛らしい少女が映っている。
縦巻きロールがトレードマークのイザベラ・ライト公爵令嬢だ。

私はこの小説のヒロイン、フローラ・レフト男爵令嬢に憧れていた。
貧しい男爵家の生まれを笑われ、虐められても強く生きるフローラ。

明るく友達も多くて優しいフローラにルブリス王子は恋に落ちる。
しかし、私が転生したのは彼女を虐める悪役令嬢のイザベラだ。

卒業パーティーでフローラを虐めたと断罪されるルブリス王子の婚約者。
イザベラは婚約を破棄され、身分を剥奪され、国外追放される。

「あの、婚約はしなければなりませんか?」
恐る恐る聞く私に当たり前のようにライト公爵はこたえた。

「当たり前だろう、お前もルブリス王子と婚約したいと言っていたではないか」

イザベラの父親であるライト公爵の言う通りだ。
小説ではイザベラはルブリス 王子に一目惚れして彼を追いかけ回す。
私は同年代の男の子になんて、虐められた記憶しかなく近づきたくない。

「イザベラお嬢様、皆様、もうお揃いになっています」
メイドが私を呼びに来た言葉に、体が震えだした。

イザベラは連日、取り巻きとお茶会をしているのだ。
私は同年代の女の子たちに虐められた記憶しかなく、彼女たちに会うのが怖い。

「また、お茶会をしているのか。再来年からアカデミーに入学するのだから、少しは勉強しなさい。お前は次期王妃になるのだから」

「お茶会よりも、勉強がしたいです。あの、令嬢たちはもういらっしゃっているのですよね?」

「イザベラ、今日はどうしたのだ。勉強がしたいのなら、令嬢たちは帰らせるか?」

「いえ、わざわざご足労頂いたのに帰らせては申し訳ないので挨拶だけでもして参ります」
私はメイドに案内を頼み、令嬢たちの元へと急いだ。

「イザベラ様、ルブリス王子殿下とのご婚約おめでとうございます」
お茶会の会場に到着して、すぐに言われた言葉に硬直する。
どうやら、ルブリス王子との婚約は決定事項のようだ。


「皆さま、今日は遠いところからわざわざお越し頂きありがとうございます。誠に勝手で申し訳ございませんが、私は足りないものが多い人間です。皆様を楽しませるような時間を作れません。これから、勉強をしていきたいと思いますので本日のところはお帰り頂けませんでしょうか」
私はどう令嬢たちと接してよいか分からなかった。

せっかく来てもらったのに申し訳ないが、彼女たちには帰ってもらうことにした。
私はおかしな事を言って、虐めのターゲットになるのが怖かったのだ。

令嬢たちと結託してヒロイン、フローラを虐めるのがイザベラ。
だけれども、虐めは自分がされて嫌だったから絶対したくない。
虐められるのは怖いけれど、虐めるのはもっと嫌だ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた

夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。 そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。 婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」 公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。 死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」 目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。 「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」 隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。 そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……? 「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」 資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。

処理中です...