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9.今度こそ守ってみせる。
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「トミー・ランド、発言をさせて頂きます。ミランダ王女殿下の考えは確かに素晴らしいと思います。しかし、私もすでに3人の妻を抱えてる身として申し上げさせて頂きます。妻のうちの1人は平民で私の妻になることで安定した生活ができていると今の立場に感謝しております。一夫多妻制はそのように貧困に苦しむ女性の救いにもなっているのですよ」
彼の言葉に私の中の何かが切れてしまった。
「女性にろくに教育の機会を与えないで何をおっしゃているのですか? 貴族ではない女は男の性欲処理の道具になれるだけで感謝しろとでも言いたそうですね。貧困から脱出できるだけの機会と教育を女性に与えて欲しいと言っているのです」
私の言葉に場は静まり返った。
「7歳の子に、このようなことを言わせてしまう国の状況を皆はどう思っておるのだ」
国王陛下がこめかみを押さえながら強い口調で貴族たちに訴えた。
確かに、私は7歳の子としてはかなり踏み込んだ発言をしたかもしれない。
「国王陛下どうかお怒りをお沈めください。皆様、いきなりサム国の一夫一妻制を取り入れろと言われて困惑したのでしょう。既に妻を多く抱えている貴族もいます。妻は一人とするも、それ以外の女性は情婦として迎えて良いことにしたらどうでしょうか」
私に微笑みながら語ってくるルアー公爵にゾッとした。
結局、妻としての扱いが情婦としての愛人扱いになっただけだ。
「ルアー公爵の考え方も一理あるかもしれませんね。教育の機会を男女等しく与えることを約束してください。それから、王国の要職が世襲で引き継がれているのも問題があります。確かに世襲により引き継がれる経験や資質もあると思います。しかし、一度公平な試験をしてはどうでしょうか? 政治に対する考え方や知識などを、あなた方の息子さんよりも優っている女性がいるかもしれません」
「ミランダ王女殿下、私は別にあなたに喧嘩を売ったわけではございませんよ。王女殿下のいうとおり、一度公平な試験をしてみましょう。もしかしたら、サム国のように要職の半分が女性になるかもしれませんね」
ルアー公爵は私に微笑みながら言ったが、やはり目は笑っていなかった。
公平な試験さえ開催できれば、本当は自立したいと思っている女性を掘り起こせるはずだ。
「ルアー公爵、貴重なご意見ありがとうございます。皆様の中で、今のルアー公爵のご意見に賛成の方は挙手をお願いします」
私はこの国の貴族たちの裏にいる親玉はルアー公爵だと確信した。
彼が発言する時は皆一字一句漏らさないように必死になっている。
そして彼がどのような意見を言っても、ひたすらに賛同するそぶりを見せようと頷いている。
ならば、彼のその権力を利用して今は一夫一妻制の法案をどのような形でも可決してしまおうと思った。
「ありがとうございます。皆様が女性をミラ国の戦力と考えていただいていることに感謝いたします」
貴族たちは、私の言葉に戸惑いながらも拍手をしていた。
「それから3つ目の提案は、ミラダイヤモンド鉱山のことです。ミラダイヤモンドをブランド化して帝国に輸出しようと考えています。帝国は経済の中心です。そして物価も高く、帝国の高位貴族は贅沢品を好みます。ミラ国は帝国の隣に位置していて、帝国まで休まずに行けば2週間で辿り着ける好立地です。私がミラダイヤモンドを帝国に売り込みます。この豆粒のような弱く小さなミラ国を豊かで強い国にしていくために必要なことです」
私の言葉になぜだか貴族たちがパラパラと拍手を始めた。
騎士団の話と一夫一妻制の話に比べたら、彼らの生活に直結する話ではなくインパクトがないことだからだろう。
「素晴らしいです。ミラダイヤモンドの価値を是非とも世界に広めてください」
貴族の一人が言った言葉により拍手が強くなる。
若干雰囲気にやけっぱちなものを感じたが、私は3つの提案が通ったことに安堵した。
隣を見るとミラ国王陛下が私を微笑んで見ている。
彼は本当に良いお父さんだ、彼の娘であるこの身体の主が羨ましい。
「私はこの小さなミラ国を、大切な家庭のように守れる女王を目指したいと思います」
私の言葉に貴族たちがどよめきだす。
私は男尊女卑の思想が根付いている国で、女王の誕生が難しいとはわかっていた。
でも、私はこの国の女王になるつもりだ。
元の世界では、自分の息子の心も家庭も守れなかった。
それでも、もう迷わない。
誰の目も気にしない、私は私の守るべきものを今度こそ絶対に守ってみせる。
彼の言葉に私の中の何かが切れてしまった。
「女性にろくに教育の機会を与えないで何をおっしゃているのですか? 貴族ではない女は男の性欲処理の道具になれるだけで感謝しろとでも言いたそうですね。貧困から脱出できるだけの機会と教育を女性に与えて欲しいと言っているのです」
私の言葉に場は静まり返った。
「7歳の子に、このようなことを言わせてしまう国の状況を皆はどう思っておるのだ」
国王陛下がこめかみを押さえながら強い口調で貴族たちに訴えた。
確かに、私は7歳の子としてはかなり踏み込んだ発言をしたかもしれない。
「国王陛下どうかお怒りをお沈めください。皆様、いきなりサム国の一夫一妻制を取り入れろと言われて困惑したのでしょう。既に妻を多く抱えている貴族もいます。妻は一人とするも、それ以外の女性は情婦として迎えて良いことにしたらどうでしょうか」
私に微笑みながら語ってくるルアー公爵にゾッとした。
結局、妻としての扱いが情婦としての愛人扱いになっただけだ。
「ルアー公爵の考え方も一理あるかもしれませんね。教育の機会を男女等しく与えることを約束してください。それから、王国の要職が世襲で引き継がれているのも問題があります。確かに世襲により引き継がれる経験や資質もあると思います。しかし、一度公平な試験をしてはどうでしょうか? 政治に対する考え方や知識などを、あなた方の息子さんよりも優っている女性がいるかもしれません」
「ミランダ王女殿下、私は別にあなたに喧嘩を売ったわけではございませんよ。王女殿下のいうとおり、一度公平な試験をしてみましょう。もしかしたら、サム国のように要職の半分が女性になるかもしれませんね」
ルアー公爵は私に微笑みながら言ったが、やはり目は笑っていなかった。
公平な試験さえ開催できれば、本当は自立したいと思っている女性を掘り起こせるはずだ。
「ルアー公爵、貴重なご意見ありがとうございます。皆様の中で、今のルアー公爵のご意見に賛成の方は挙手をお願いします」
私はこの国の貴族たちの裏にいる親玉はルアー公爵だと確信した。
彼が発言する時は皆一字一句漏らさないように必死になっている。
そして彼がどのような意見を言っても、ひたすらに賛同するそぶりを見せようと頷いている。
ならば、彼のその権力を利用して今は一夫一妻制の法案をどのような形でも可決してしまおうと思った。
「ありがとうございます。皆様が女性をミラ国の戦力と考えていただいていることに感謝いたします」
貴族たちは、私の言葉に戸惑いながらも拍手をしていた。
「それから3つ目の提案は、ミラダイヤモンド鉱山のことです。ミラダイヤモンドをブランド化して帝国に輸出しようと考えています。帝国は経済の中心です。そして物価も高く、帝国の高位貴族は贅沢品を好みます。ミラ国は帝国の隣に位置していて、帝国まで休まずに行けば2週間で辿り着ける好立地です。私がミラダイヤモンドを帝国に売り込みます。この豆粒のような弱く小さなミラ国を豊かで強い国にしていくために必要なことです」
私の言葉になぜだか貴族たちがパラパラと拍手を始めた。
騎士団の話と一夫一妻制の話に比べたら、彼らの生活に直結する話ではなくインパクトがないことだからだろう。
「素晴らしいです。ミラダイヤモンドの価値を是非とも世界に広めてください」
貴族の一人が言った言葉により拍手が強くなる。
若干雰囲気にやけっぱちなものを感じたが、私は3つの提案が通ったことに安堵した。
隣を見るとミラ国王陛下が私を微笑んで見ている。
彼は本当に良いお父さんだ、彼の娘であるこの身体の主が羨ましい。
「私はこの小さなミラ国を、大切な家庭のように守れる女王を目指したいと思います」
私の言葉に貴族たちがどよめきだす。
私は男尊女卑の思想が根付いている国で、女王の誕生が難しいとはわかっていた。
でも、私はこの国の女王になるつもりだ。
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