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6 完結
人類はすべての概念を制し、そのすべてを捨てることで新しい進化をもたらそうと考えた。
あるものは性別を捨て、
あるものは思考を捨て、
あるものは肉体を捨て、
あるものは性別としての機能を全部捨てた。
そうしてそのものは、神なる存在になろうとした。
全知全能なるコンピューターを作り上げた。もう人類という概念はすべて必要がない。全知全能なるコンピューターを作り上げた人間の名前はイオン。イオンは輝く美しいをした女性だった。イオンはずっと昔に肉体を捨て、思考を捨て、コンピューターの意志で動く人形になった。すべては自分の知識を愛したため。イオンは永遠に自分の知識を残そうと考えていた。
絶え間ない孤独とイオンは一人戦っていた。
イオンはこの日も一人モニター越しに、この新たな星に住む人類を見ていた。イオンからしてみると人類は不思議な存在だ。絶え間なくコンピュータも進化せねば、ウイルスや悪意や自然やショートによって滅びてしまう。なのに、人類は新たな多様性を否定するガンのような存在が現れる。それは何故なのか?イオンはこれまでの情報を精査し、一つの結論にたどり着いた。
すべて一人の自我が全部を支配しようとするため。それをして人類の歴史は滅んできたのだった。
イオンの元に一人の人間の端末が現れた。イオンはその人間のことをよく知っていた。人類の異種で変種。名前を蓮。
「お久しぶりです。蓮さま」
イオンにとって蓮は、自分という完ぺきな存在を作り上げる手伝いをしてくれた親のようなものだった。
「久しぶり」
「蓮さま、目を覚まされたのですね」
「ああ」
「人類をある程度滅ぼしますか?」
「いや、いい。俺の秘密を知るものは死んだ」
「そうですか。…..あの、蓮さま」
「なんだ?」
「何故人類は蓮さまを滅ぼそうとするのでしょうか?蓮さまがいた方が、人類が生き残る可能性が高いというのに」
イオンは自分の中である程度結論付けてあることを、蓮にきいてみることにした。
「それには二つの可能性がある。イオン、お前は知らない方がいい。どちらにせよ生き残るために必要だと考えたのだろう。…..滅ぼす相手を気に入るか、いらないかだけの話だ。イオンお前が推測している通りだろう。おおよそは」
「……蓮さま、私はあなたの脳がほしい」
「お前の中に俺の思考パターンを、もう組み込んである」
「……..」
イオンは何故か脳のプログラムよりも、蓮自身の脳がほしかった。
「お前のことを誰にも知られてはならない。いいな?」
「はい」
そうして、蓮からの連絡は途絶えた。
イオンは蓮の様子を遠くから見守り続けている。
蓮いや、水葉は、眠っている悠馬の元へ戻った。
悠馬はゆっくり目を開ける。
「おはよう」
水葉は静かな目を、悠馬に向ける。悠馬はすぐに、水葉の視線や表情の違和感にきづいた。
「俺は死ななかったのか?」
「ああ」
悠馬はゆっくり拳銃を、水葉に向けた。
「お前は水葉ではない。誰だ?」
拳銃を突きつけられた水葉は微笑んだ。その面持ちが在りし日の蓮にそっくりだった。悠馬の心臓がひんやり冷たいものを差し込まれたような気がした。
「........お前、蓮だろう?」
「久しぶり」
「水葉をどこへやった!」
悠馬の拳銃を持つてが震えている。悠馬も目の前の男が、水葉ではないのか確信が持てていなかった。
儚く蓮が微笑む。
ゆっくり水葉の顔をした蓮が、悠馬の元へ近づいてくる。そのうち水葉の手が、悠馬の拳銃を持つてに触れた。悠馬の体の震えが激しくなる。
悠馬が泣いている。蓮への嫌悪か、悲しみか。
そっと、蓮は悠馬に口づけた。
蓮の美しい硝子のように儚い瞳が、悠馬のことをみている。ずっと、伝えなければいけないことにようやく、悠馬は気づいた。
「…蓮、ごめんな。俺はお前のこと好きにならない。お前のこと、ずっと、友達だとおもっていたんだ。俺はお前のことを、恋愛対象として見れない。俺をレイプしたおまえのことなんか、大嫌いだ」
蓮の手が、悠馬のてに触れた。蓮は表情を変えることなく、悠馬の瞳を見つめている。
「分かっている。けれど、どうしていいのかわからない」
大人びている蓮はその時だけ、なんだか迷子の子供のように見えた。
あるものは性別を捨て、
あるものは思考を捨て、
あるものは肉体を捨て、
あるものは性別としての機能を全部捨てた。
そうしてそのものは、神なる存在になろうとした。
全知全能なるコンピューターを作り上げた。もう人類という概念はすべて必要がない。全知全能なるコンピューターを作り上げた人間の名前はイオン。イオンは輝く美しいをした女性だった。イオンはずっと昔に肉体を捨て、思考を捨て、コンピューターの意志で動く人形になった。すべては自分の知識を愛したため。イオンは永遠に自分の知識を残そうと考えていた。
絶え間ない孤独とイオンは一人戦っていた。
イオンはこの日も一人モニター越しに、この新たな星に住む人類を見ていた。イオンからしてみると人類は不思議な存在だ。絶え間なくコンピュータも進化せねば、ウイルスや悪意や自然やショートによって滅びてしまう。なのに、人類は新たな多様性を否定するガンのような存在が現れる。それは何故なのか?イオンはこれまでの情報を精査し、一つの結論にたどり着いた。
すべて一人の自我が全部を支配しようとするため。それをして人類の歴史は滅んできたのだった。
イオンの元に一人の人間の端末が現れた。イオンはその人間のことをよく知っていた。人類の異種で変種。名前を蓮。
「お久しぶりです。蓮さま」
イオンにとって蓮は、自分という完ぺきな存在を作り上げる手伝いをしてくれた親のようなものだった。
「久しぶり」
「蓮さま、目を覚まされたのですね」
「ああ」
「人類をある程度滅ぼしますか?」
「いや、いい。俺の秘密を知るものは死んだ」
「そうですか。…..あの、蓮さま」
「なんだ?」
「何故人類は蓮さまを滅ぼそうとするのでしょうか?蓮さまがいた方が、人類が生き残る可能性が高いというのに」
イオンは自分の中である程度結論付けてあることを、蓮にきいてみることにした。
「それには二つの可能性がある。イオン、お前は知らない方がいい。どちらにせよ生き残るために必要だと考えたのだろう。…..滅ぼす相手を気に入るか、いらないかだけの話だ。イオンお前が推測している通りだろう。おおよそは」
「……蓮さま、私はあなたの脳がほしい」
「お前の中に俺の思考パターンを、もう組み込んである」
「……..」
イオンは何故か脳のプログラムよりも、蓮自身の脳がほしかった。
「お前のことを誰にも知られてはならない。いいな?」
「はい」
そうして、蓮からの連絡は途絶えた。
イオンは蓮の様子を遠くから見守り続けている。
蓮いや、水葉は、眠っている悠馬の元へ戻った。
悠馬はゆっくり目を開ける。
「おはよう」
水葉は静かな目を、悠馬に向ける。悠馬はすぐに、水葉の視線や表情の違和感にきづいた。
「俺は死ななかったのか?」
「ああ」
悠馬はゆっくり拳銃を、水葉に向けた。
「お前は水葉ではない。誰だ?」
拳銃を突きつけられた水葉は微笑んだ。その面持ちが在りし日の蓮にそっくりだった。悠馬の心臓がひんやり冷たいものを差し込まれたような気がした。
「........お前、蓮だろう?」
「久しぶり」
「水葉をどこへやった!」
悠馬の拳銃を持つてが震えている。悠馬も目の前の男が、水葉ではないのか確信が持てていなかった。
儚く蓮が微笑む。
ゆっくり水葉の顔をした蓮が、悠馬の元へ近づいてくる。そのうち水葉の手が、悠馬の拳銃を持つてに触れた。悠馬の体の震えが激しくなる。
悠馬が泣いている。蓮への嫌悪か、悲しみか。
そっと、蓮は悠馬に口づけた。
蓮の美しい硝子のように儚い瞳が、悠馬のことをみている。ずっと、伝えなければいけないことにようやく、悠馬は気づいた。
「…蓮、ごめんな。俺はお前のこと好きにならない。お前のこと、ずっと、友達だとおもっていたんだ。俺はお前のことを、恋愛対象として見れない。俺をレイプしたおまえのことなんか、大嫌いだ」
蓮の手が、悠馬のてに触れた。蓮は表情を変えることなく、悠馬の瞳を見つめている。
「分かっている。けれど、どうしていいのかわからない」
大人びている蓮はその時だけ、なんだか迷子の子供のように見えた。
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