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第36話 茶屋でのことと、お疲れ。
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第36話 茶屋でのことと、お疲れ。
表通りを少しそれたところに、一軒家でソニアは立ち止まる。
「ここだ」
ソニアの後に続いて、アルは一軒家の中へと入った。
「いらっしゃい」と、中から女の人の声が聞こえてくる。
「久しぶりだな、ジュラ」
ソニアが声をかけると、顔にしわが刻まれた厳しいまなざしの女の人は石臼を引く手を止めて、ソニアの方を見る。
「こいつはアル。俺の家族だ」
「ふぅーん。まさかソニアが女連れだとはね」
「いや、アルは男だ。ジュラはこの茶の店主だ。昔ソルの夜泣きがやまないときや、シルカの夜泣きでこの店に世話になっていたんだ」
「よろしくお願いします!ジュラさん。私アルと言います」
「ふん!」といいジュラはまた何かを石うすでひき始める。
「アル気にするな。ジュラは気難しいんだ。ジュラ、今日は精神安定の茶をくれ」
「ジュラさんってお呼び!これだからオオカミは」
ソニアさんとジュラさんは仲がよさそうである。
「用意するからちょっと待ってな」
奥へとジュラさんは行く。
「ジュラは特別腕がいい茶師なんだ。この国の王族も買いに来たらしい」
「はいよ。精神に作用する茶だ。これが最後だ。わたしゃ、店じまいするから、他の店を探しな」
「お前ほどの茶師がいるわけがない。何故店じまいするんだ?」
「もう年だからね。跡取りもいないし。もう店をたたもうと思ってね。」
「そうか。世話になったな。だが困るな」
「ああ、世話してやったよ、オオカミ。そうだ。どうしても茶が必要だというのなら、そこのアルとやら、茶の作り方教えてやってもいいよ」
「え!?いいんですか?」
アルは唐突な申し出に、驚く。
だがアルは物覚えが悪い。どうしたもんかと思うが、脳裏に血まみれの姿のルナルの姿が思い浮かぶ。
「ぜひお願いしたいですが」
「ジュラ、お前何を企んでいる?お前ほど一筋縄に行かない女はいない」
「人聞きの悪いことをお言いでないよ。私は親切で言ってやるんだ。アル、必ず灰色の日にこの店に来な。いいね?」
「は、はい。ですが子供お預かりとかいろいろやっているんで、必ずは無理かもしれません」
「必ず来るんだ!いいね?」
ジュラの迫力に押されて、アルは冷や汗をかぎつつ「はい」と答えたのだった。
子供預かり+食事作り+ジャファールさんの心配+ソニアの冒険仲間の食事会の料理作り+ジュラの店で茶づくり+行方不明のスリの人+教会への子供たちの様子見などなどに、アルは忙しくて、めまいがしてきた。
子供たちが心配だとアルとソニアは店を後にしたのだった。
「ジュラは人に化けているが、ドラゴンだ。逆鱗に触れるなよ。ドラゴンは体の一部のどこかにある逆鱗に触れられるのは死ぬほど嫌いらしい。詳しくは俺もわからないんだが」
「え!?ジュラさんてドラゴンだったんですか?ドラゴンって伝説上の生き物だったんじゃ??」
アルは首をかしげる。
「ドラゴンはそこらじゅうにいるぞ。あいつら人に化けてやってくるんで、質が悪いと評判なんだ」
「そ、そうなんですか?ドラゴンって人食べませんよね?」
「それはドラゴンによるな」
「そうなんですか」
「ジュラはたぶんお前を喰わないとは思うが」
「そうですよね?」
そんなことをソニアと話していると、アルは自分の体の不調に気づく。
帰り道を、アルは必死で歩く。
「アル、体調が悪そうだが、大丈夫か?」
「大丈夫です」
酷い眩暈を感じて、アルはよろめく。
「アル!!」
ソニアに引き寄せられて、はずみでアルはソニアに抱き着く形になった。
「無理するな」
「はい」
「歩けるか?」
「いえ、体力の限界で」
「アル!?」
そのまま起きていられず、アルは目を閉じて意識は闇の中に沈んだ。
眠いー。
表通りを少しそれたところに、一軒家でソニアは立ち止まる。
「ここだ」
ソニアの後に続いて、アルは一軒家の中へと入った。
「いらっしゃい」と、中から女の人の声が聞こえてくる。
「久しぶりだな、ジュラ」
ソニアが声をかけると、顔にしわが刻まれた厳しいまなざしの女の人は石臼を引く手を止めて、ソニアの方を見る。
「こいつはアル。俺の家族だ」
「ふぅーん。まさかソニアが女連れだとはね」
「いや、アルは男だ。ジュラはこの茶の店主だ。昔ソルの夜泣きがやまないときや、シルカの夜泣きでこの店に世話になっていたんだ」
「よろしくお願いします!ジュラさん。私アルと言います」
「ふん!」といいジュラはまた何かを石うすでひき始める。
「アル気にするな。ジュラは気難しいんだ。ジュラ、今日は精神安定の茶をくれ」
「ジュラさんってお呼び!これだからオオカミは」
ソニアさんとジュラさんは仲がよさそうである。
「用意するからちょっと待ってな」
奥へとジュラさんは行く。
「ジュラは特別腕がいい茶師なんだ。この国の王族も買いに来たらしい」
「はいよ。精神に作用する茶だ。これが最後だ。わたしゃ、店じまいするから、他の店を探しな」
「お前ほどの茶師がいるわけがない。何故店じまいするんだ?」
「もう年だからね。跡取りもいないし。もう店をたたもうと思ってね。」
「そうか。世話になったな。だが困るな」
「ああ、世話してやったよ、オオカミ。そうだ。どうしても茶が必要だというのなら、そこのアルとやら、茶の作り方教えてやってもいいよ」
「え!?いいんですか?」
アルは唐突な申し出に、驚く。
だがアルは物覚えが悪い。どうしたもんかと思うが、脳裏に血まみれの姿のルナルの姿が思い浮かぶ。
「ぜひお願いしたいですが」
「ジュラ、お前何を企んでいる?お前ほど一筋縄に行かない女はいない」
「人聞きの悪いことをお言いでないよ。私は親切で言ってやるんだ。アル、必ず灰色の日にこの店に来な。いいね?」
「は、はい。ですが子供お預かりとかいろいろやっているんで、必ずは無理かもしれません」
「必ず来るんだ!いいね?」
ジュラの迫力に押されて、アルは冷や汗をかぎつつ「はい」と答えたのだった。
子供預かり+食事作り+ジャファールさんの心配+ソニアの冒険仲間の食事会の料理作り+ジュラの店で茶づくり+行方不明のスリの人+教会への子供たちの様子見などなどに、アルは忙しくて、めまいがしてきた。
子供たちが心配だとアルとソニアは店を後にしたのだった。
「ジュラは人に化けているが、ドラゴンだ。逆鱗に触れるなよ。ドラゴンは体の一部のどこかにある逆鱗に触れられるのは死ぬほど嫌いらしい。詳しくは俺もわからないんだが」
「え!?ジュラさんてドラゴンだったんですか?ドラゴンって伝説上の生き物だったんじゃ??」
アルは首をかしげる。
「ドラゴンはそこらじゅうにいるぞ。あいつら人に化けてやってくるんで、質が悪いと評判なんだ」
「そ、そうなんですか?ドラゴンって人食べませんよね?」
「それはドラゴンによるな」
「そうなんですか」
「ジュラはたぶんお前を喰わないとは思うが」
「そうですよね?」
そんなことをソニアと話していると、アルは自分の体の不調に気づく。
帰り道を、アルは必死で歩く。
「アル、体調が悪そうだが、大丈夫か?」
「大丈夫です」
酷い眩暈を感じて、アルはよろめく。
「アル!!」
ソニアに引き寄せられて、はずみでアルはソニアに抱き着く形になった。
「無理するな」
「はい」
「歩けるか?」
「いえ、体力の限界で」
「アル!?」
そのまま起きていられず、アルは目を閉じて意識は闇の中に沈んだ。
眠いー。
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