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第15話 二度目の『 初対面 』
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エミリアが“意識”を取り戻したのは、少し暗い中で誰かから優しく手を掴まれ、引き起こしてもらっている場面だった。
強烈な光、真っ白な世界から覚めたエミリアには余計暗く感じられた。
(戻れたようね……。まずは“いつ”に戻ったのかね)
そう心の中で思ったエミリアの身体が宙に浮き、視界がフッと九〇度上にブレる。
そして、宙に浮くエミリアのひざの裏と背中には男性と思しき逞しい前腕と掌の温かさ。
「きゃっ」
エミリアは思わず声を上げてしまった。
「失礼。こんな所にいつまでも居たくないだろう?」
(――っ!! マックス様のお声!)
エミリアは、恐る恐る声のした方向へ首をひねる。ゆっくりと。
ようやく暗さに目の慣れた彼女の瞳に、マックスの――傷も血も付いていない――顔が映る。
エミリアが戻ったのは、マックスが森の中で盗賊の頭目を討ち、腰の抜けてしまっていた彼女を、さながら王子様が姫にする様に抱き抱えた場面だった。
“今回”は、マックスの顔を真っすぐに見ながら(まさか……こんな場面に戻るとは)と、エミリアは赤面する。
マックスはエミリアを抱き抱えているのを物ともせずに、茂みをズンズンと抜けていく。
ルノワは最初からエミリアの肩に乗っていて、今はエミリアのマックスへの視線を邪魔する様に二人の間に入って彼の顔をペロペロと舐めている。
(もうルノワったら、マックス様にはあなたは見えていないし、舐めても何も感じないわよ?)
(ニャア?)
「ど、どうかしましたか? お嬢さん?」
マックスは、自分を凝視する女の子に少し戸惑ったような照れたような感じで声をかけた。
(やだっ! 私ったら、男性の腕の中でお顔を見詰めるなんてっ!)
「すっ! すみません! 失礼致しました……」
別の意味でエミリアは顔が火照って行くのを感じた。
(み、耳まで熱いわ……)
エミリアは堪らず両手で顔を覆う。
二人は少しぎこちない雰囲気になりながら森を抜けた。
マックスからは、“あの時”と同じく石鹸の香りがしたが、彼の心臓の鼓動は少し早く、呼吸もやや乱れていた。
「おっ! マックス! 王子様のご帰還か?」
その声はエミリアにも届き、(ああ! セイン様も生きている!)と嬉しくなる。
「おいセイン! お嬢さんを見ろ!」
「あっ! ……す、すまん。悪気があったわけではない。許してくれ」
“前回”のまま、エミリアが手遅れで泣いてしまっていると思ったセインが慌てて謝罪の言葉をかける。
エミリアは、(そんな事は無いの!)「どうか謝らないで」と声をかけそうになるが、この場にはあのベルントもいるのだと気付き、少し身が硬くなった。
「この子は無事だよ。僕が間に合わないはずないだろ? お前は早とちりをするな!」
マックスは、セインの言葉でエミリアが身体を硬直させてしまったと感じ、彼に対して語尾を荒げてしまった。
「そっ! そうだな。マックスが行ったんだからな……。嬢ちゃん、悪かった!」
「お嬢さん、もう大丈夫ですよ。賊はもういませんからね」
ベルントの声に、エミリアはまた身体が一瞬硬くなる。
「ベルントは、賊をぶっ刺したとはとても思えない優しさだな?」
「セイン。あなたはいつも一言余計なんですよ」
「なんだとぉ」
軽口を言い合うセインとベルントを、マックスは「ふふっ」と笑いつつも歩みを進める。
エミリアは、顔から手を放したが、どうしてもベルント達の方向を見られなかった。
ベルントを見ると、裏社会のあの男の顔がよぎりそうで……
マックスは乗合馬車の他の乗客の元へエミリアを連れて行くと、優しく降ろす。
「お嬢ちゃん、大丈夫だったかい? 心配したんだよ?」
馬車で隣だったおばさんが、エミリアの元に来て抱き寄せた。
「この方達がいらしてくれて良かったね」
「はい。この度は本当にありがとうございました。マックス様」
「え、ええ。無事でなによりでした。お怪我はありませんか?」
真っすぐにマックスを見詰めてお礼を言うエミリアに、彼は少し照れくさそうにバイオレットブルーの瞳をそらして言葉を返した。
爽やかなシャツスタイルで、緩くカールした銀髪が風に揺れていた。
マックスはセインとベルントに合流し、彼らは盗賊達の遺体の収集や金品の返却を手際よくこなし、乗客を代表した男と話し合い王都リーンへ引き返す事を決めたようだ。
マックスが「皆さん。大変な目に遭われましたね。――――」と、乗客達にリーンへの引き返しを勧め、乗客達も馬車に向かいはじめた。
この話の流れを知っているエミリアは、前回のようにマックスの馬車に乗せてもらうためにその場にとどまる。
(ベルントはまだ怖いけど……マックス様やセイン様の事を考えれば我慢よ!)
「どうした? 嬢ちゃん。急がねえと置いていかれるぞ?」
セインが話しかけてくれた事に、エミリアはホッと胸をなでおろす。
そして、恐怖心を振り払う様にマックス達に向かって言葉を絞り出す。
「あ、あの……私、リーンに戻りたくないんです! 戻れないのです!」
エミリアの訴えに切実な事情を感じ取ったマックス達三人が、「自分たちの馬車に乗せてもいい」と言ってくれた。
エミリアは礼を言い、急いで乗合馬車から自分の麻袋を持ち出し、おばさんに挨拶をして乗合馬車を見送る。
マックスが手で合図を送り、離れた場所にいたトムソンの操る馬車を呼んだ。
(マクシミリアン殿下の乗る馬車なのに、やっぱり王家の紋章は無いわね。それに、客車も立派だけれど王族が利用するほどではない……。やはり命を狙われていて身を隠すための偽装なのかしら)
「どうだった? トムソン」
「盗賊以外居りませんでした」
「……そうか」
マックスとベルントが先に客車に乗り、セインはエミリアの乗車をエスコートし、ベルントも車内から手を差し出してエミリアの着席をエスコートしようとする。
エミリアは一瞬躊躇してしまうが、(初対面でお互い知らない間柄なのに、ベルントに恐怖心があるなんて気取られてはいけない)と、彼のエスコートを受けた。
座席に着いたエミリアは、膝に移ったルノワを見る。
やはりルノワは小さくなり、尻尾も一本になっていた。
セインも乗車し席に着くと、馬車は静かに動き始めた。
「ふ~っ。何とかなったな?」
「見捨てておけませんからね?」
「ああ、でも少し遅かったな。死者が出てしまった……」
エミリアは、王太子殿下だと分かってしまったマックスに自分から声をかける事は貴族社会的には許されないと理解つつも、(殿下も身分をお隠しになっているのだから大丈夫)と覚悟を決める。
「皆様、私はエミリアと申します。この度は本当にありがとうございます」と、名前と謝意を伝えた。
「お礼を言われるほどではありません。ね? マックス」
「ああ、特にエミリア嬢は危ない所だった。私達がもう少し早く駆けつけられれば、あんなに恐い思いもさせずに済んだだろうに」
「とんでもございません! 私にはお助け頂いた感謝しかございません」
(今度は分不相応ではありますが、私がマックスさんをお助けできるように頑張ります)
エミリアは心の中で決意した。
そして、マックス達はセインが中心となって、盗賊との戦闘の話に耽っていく。
エミリアはそんな彼らをよそに、今後どのようにしてマックスの命を守るか、考えを巡らせる。
(『殿下は未来でベルントさんの雇った暴漢の襲撃に遭って命を落としてしまいます。私も目撃者として殺されました』なんて言っても、頭がおかしくなったとか、貴族を侮辱したとかで手討ちに遭いかねない……。では、どうする? まずは、前回は明日以降の同行を提案されたが断ってしまったので、それを受け入れてマックス様に話をする機会を窺おう。そして――)
「君は――エミリア嬢は、どこぞのご令嬢か?」
戦闘の話をしながらも各所へ目を向けていたマックスが聞いてくる。
「えっ?」
マックスの不意の問いかけに、思案に没頭していたエミリアは虚を突かれてしまった。
「ど、どうしてでしょう?」
「それは……君の、靴、がね。それに、君の振る舞いも平民の娘さんとは思えなくてね」
(ああっ! 忘れてた! 前回も言われていたじゃないの! どうしてこんな大事な事を忘れるかなぁ~。いや、大事なのはマックス様達のお命よ……)
エミリアは恥ずかしさがこみ上げてきたと同時に、自分の記憶力の無さを悔やむが、(明日の同行の話しになるまで出来るだけ前回と同じ言動になるようにしよう)と切り換えた。
「実は――」
実家から放逐された事、カンタラルア帝国内の時計店で住み込みの仕事を探したい事を、出来る限り前回をなぞる様に話していく。
懐疑的な彼らに自分の腕着け時計を見せ、納得したマックスから帝都ヴァレンのライオット時計店への紹介状を書いてもらえた。
そして……
「明日もこれに乗って行くかい? 私達はそれでも構わないよ?」
強烈な光、真っ白な世界から覚めたエミリアには余計暗く感じられた。
(戻れたようね……。まずは“いつ”に戻ったのかね)
そう心の中で思ったエミリアの身体が宙に浮き、視界がフッと九〇度上にブレる。
そして、宙に浮くエミリアのひざの裏と背中には男性と思しき逞しい前腕と掌の温かさ。
「きゃっ」
エミリアは思わず声を上げてしまった。
「失礼。こんな所にいつまでも居たくないだろう?」
(――っ!! マックス様のお声!)
エミリアは、恐る恐る声のした方向へ首をひねる。ゆっくりと。
ようやく暗さに目の慣れた彼女の瞳に、マックスの――傷も血も付いていない――顔が映る。
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マックスはエミリアを抱き抱えているのを物ともせずに、茂みをズンズンと抜けていく。
ルノワは最初からエミリアの肩に乗っていて、今はエミリアのマックスへの視線を邪魔する様に二人の間に入って彼の顔をペロペロと舐めている。
(もうルノワったら、マックス様にはあなたは見えていないし、舐めても何も感じないわよ?)
(ニャア?)
「ど、どうかしましたか? お嬢さん?」
マックスは、自分を凝視する女の子に少し戸惑ったような照れたような感じで声をかけた。
(やだっ! 私ったら、男性の腕の中でお顔を見詰めるなんてっ!)
「すっ! すみません! 失礼致しました……」
別の意味でエミリアは顔が火照って行くのを感じた。
(み、耳まで熱いわ……)
エミリアは堪らず両手で顔を覆う。
二人は少しぎこちない雰囲気になりながら森を抜けた。
マックスからは、“あの時”と同じく石鹸の香りがしたが、彼の心臓の鼓動は少し早く、呼吸もやや乱れていた。
「おっ! マックス! 王子様のご帰還か?」
その声はエミリアにも届き、(ああ! セイン様も生きている!)と嬉しくなる。
「おいセイン! お嬢さんを見ろ!」
「あっ! ……す、すまん。悪気があったわけではない。許してくれ」
“前回”のまま、エミリアが手遅れで泣いてしまっていると思ったセインが慌てて謝罪の言葉をかける。
エミリアは、(そんな事は無いの!)「どうか謝らないで」と声をかけそうになるが、この場にはあのベルントもいるのだと気付き、少し身が硬くなった。
「この子は無事だよ。僕が間に合わないはずないだろ? お前は早とちりをするな!」
マックスは、セインの言葉でエミリアが身体を硬直させてしまったと感じ、彼に対して語尾を荒げてしまった。
「そっ! そうだな。マックスが行ったんだからな……。嬢ちゃん、悪かった!」
「お嬢さん、もう大丈夫ですよ。賊はもういませんからね」
ベルントの声に、エミリアはまた身体が一瞬硬くなる。
「ベルントは、賊をぶっ刺したとはとても思えない優しさだな?」
「セイン。あなたはいつも一言余計なんですよ」
「なんだとぉ」
軽口を言い合うセインとベルントを、マックスは「ふふっ」と笑いつつも歩みを進める。
エミリアは、顔から手を放したが、どうしてもベルント達の方向を見られなかった。
ベルントを見ると、裏社会のあの男の顔がよぎりそうで……
マックスは乗合馬車の他の乗客の元へエミリアを連れて行くと、優しく降ろす。
「お嬢ちゃん、大丈夫だったかい? 心配したんだよ?」
馬車で隣だったおばさんが、エミリアの元に来て抱き寄せた。
「この方達がいらしてくれて良かったね」
「はい。この度は本当にありがとうございました。マックス様」
「え、ええ。無事でなによりでした。お怪我はありませんか?」
真っすぐにマックスを見詰めてお礼を言うエミリアに、彼は少し照れくさそうにバイオレットブルーの瞳をそらして言葉を返した。
爽やかなシャツスタイルで、緩くカールした銀髪が風に揺れていた。
マックスはセインとベルントに合流し、彼らは盗賊達の遺体の収集や金品の返却を手際よくこなし、乗客を代表した男と話し合い王都リーンへ引き返す事を決めたようだ。
マックスが「皆さん。大変な目に遭われましたね。――――」と、乗客達にリーンへの引き返しを勧め、乗客達も馬車に向かいはじめた。
この話の流れを知っているエミリアは、前回のようにマックスの馬車に乗せてもらうためにその場にとどまる。
(ベルントはまだ怖いけど……マックス様やセイン様の事を考えれば我慢よ!)
「どうした? 嬢ちゃん。急がねえと置いていかれるぞ?」
セインが話しかけてくれた事に、エミリアはホッと胸をなでおろす。
そして、恐怖心を振り払う様にマックス達に向かって言葉を絞り出す。
「あ、あの……私、リーンに戻りたくないんです! 戻れないのです!」
エミリアの訴えに切実な事情を感じ取ったマックス達三人が、「自分たちの馬車に乗せてもいい」と言ってくれた。
エミリアは礼を言い、急いで乗合馬車から自分の麻袋を持ち出し、おばさんに挨拶をして乗合馬車を見送る。
マックスが手で合図を送り、離れた場所にいたトムソンの操る馬車を呼んだ。
(マクシミリアン殿下の乗る馬車なのに、やっぱり王家の紋章は無いわね。それに、客車も立派だけれど王族が利用するほどではない……。やはり命を狙われていて身を隠すための偽装なのかしら)
「どうだった? トムソン」
「盗賊以外居りませんでした」
「……そうか」
マックスとベルントが先に客車に乗り、セインはエミリアの乗車をエスコートし、ベルントも車内から手を差し出してエミリアの着席をエスコートしようとする。
エミリアは一瞬躊躇してしまうが、(初対面でお互い知らない間柄なのに、ベルントに恐怖心があるなんて気取られてはいけない)と、彼のエスコートを受けた。
座席に着いたエミリアは、膝に移ったルノワを見る。
やはりルノワは小さくなり、尻尾も一本になっていた。
セインも乗車し席に着くと、馬車は静かに動き始めた。
「ふ~っ。何とかなったな?」
「見捨てておけませんからね?」
「ああ、でも少し遅かったな。死者が出てしまった……」
エミリアは、王太子殿下だと分かってしまったマックスに自分から声をかける事は貴族社会的には許されないと理解つつも、(殿下も身分をお隠しになっているのだから大丈夫)と覚悟を決める。
「皆様、私はエミリアと申します。この度は本当にありがとうございます」と、名前と謝意を伝えた。
「お礼を言われるほどではありません。ね? マックス」
「ああ、特にエミリア嬢は危ない所だった。私達がもう少し早く駆けつけられれば、あんなに恐い思いもさせずに済んだだろうに」
「とんでもございません! 私にはお助け頂いた感謝しかございません」
(今度は分不相応ではありますが、私がマックスさんをお助けできるように頑張ります)
エミリアは心の中で決意した。
そして、マックス達はセインが中心となって、盗賊との戦闘の話に耽っていく。
エミリアはそんな彼らをよそに、今後どのようにしてマックスの命を守るか、考えを巡らせる。
(『殿下は未来でベルントさんの雇った暴漢の襲撃に遭って命を落としてしまいます。私も目撃者として殺されました』なんて言っても、頭がおかしくなったとか、貴族を侮辱したとかで手討ちに遭いかねない……。では、どうする? まずは、前回は明日以降の同行を提案されたが断ってしまったので、それを受け入れてマックス様に話をする機会を窺おう。そして――)
「君は――エミリア嬢は、どこぞのご令嬢か?」
戦闘の話をしながらも各所へ目を向けていたマックスが聞いてくる。
「えっ?」
マックスの不意の問いかけに、思案に没頭していたエミリアは虚を突かれてしまった。
「ど、どうしてでしょう?」
「それは……君の、靴、がね。それに、君の振る舞いも平民の娘さんとは思えなくてね」
(ああっ! 忘れてた! 前回も言われていたじゃないの! どうしてこんな大事な事を忘れるかなぁ~。いや、大事なのはマックス様達のお命よ……)
エミリアは恥ずかしさがこみ上げてきたと同時に、自分の記憶力の無さを悔やむが、(明日の同行の話しになるまで出来るだけ前回と同じ言動になるようにしよう)と切り換えた。
「実は――」
実家から放逐された事、カンタラルア帝国内の時計店で住み込みの仕事を探したい事を、出来る限り前回をなぞる様に話していく。
懐疑的な彼らに自分の腕着け時計を見せ、納得したマックスから帝都ヴァレンのライオット時計店への紹介状を書いてもらえた。
そして……
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