透明な君が

にゅるにゅる

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虐められっ子と透明少女

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「なぁ蒼ぃ~。」
黒澤くんの声だ。クラスでまともに声をかけてくれる唯一の男友達だ。
「何?黒澤くん。」
「幸子と武夫と一緒にファミレスいかね?」
「えっ!!美山さんと吉田くん?いいけど…吉田くんは席はなしてね怖いから…。」
「いいけど、武夫とは仲良くしろよ?ずっと怖がっててもどうしようもないし。それが嫌ならせめて幸子とは気楽に話せるようにしろよ。こっちだって協力してるんだから。」
「う、うん」
美山さんは僕の好きな人だ。だから黒澤くんに紹介・協力してもらってる。正直美山さんだけで良かった。黒澤くんの親友であり中学時代容姿でいじめてきた吉田くんが来たら怯えてまともに美山さんと話せないだろうから。
「じゃあ呼んでくるから待ってろ。」
「はーい。」
ここから僕の仲良くなろう大作戦が始まった
~ファミレスにて~
道中何事もなく来れた。何より今日は美山さんとたくさん話せて嬉しい。もっと話していたい。
「あっ、僕トイレ行ってきても良いかなぁ…?」
「おう、行って来い。場所わかるか?」
「う、うん」
吉田くんって意外といい人なんだなぁ。そう思いながら僕はトイレに行った。
帰ってきて席の近くで声が聞こえた。まだ誰も僕に気付いてない。
「なぁ武夫ォ~あいつほんと面白いよな俺のこと友達とか勘違いしてさぁ好きな人バラされた挙げ句デートしてるのと勘違いしてニヤニヤしちゃってさ。幸子もそう思うだろ」
「確かにwwwあいつおもろいよねぇ。武夫がいるからか、私がいるからか妙にビクついてんのwww」
「お前ら違う中学だったから知らねぇかもだけどあいつ顔が可愛いだの優しいだのでモテてたからなwwwぜってー調子乗ってるわ」
僕は動けずにいた、信頼していた黒澤くん、好きだった美山さん、少し心を許した吉田くんそれぞれに裏切られた発狂してしまいそうだった。逃げ出したかった。けど不審がられないためにも席についた。
あれからほとんど放心状態だった僕は家について海外にいる姉に相談した。一番お金があるのが姉だから。僕は転校を決意した。
なんの未練もない吉田を中心にクラス全員でいじめてくるこんな最低な学校にはなにもない。都会へ、ここから離れた場所へ。
僕は逃げを決意した。
都会の学校に来てはや数カ月ここの暮らしにもなれ、信用しきれてはいないが友だちもできた。といっても女の子ばかり、きっとこの容姿のせいなんだろうけどバカにされるよりかはマシだ。今日はバイトがあるので早めに帰ることにする。
最悪だ、大雨が降ってる。折りたたみ傘を常備していてよかった。これで帰ろう。
家の近くの池についた頃、あるもの…というより人に目がついた。座り込んで泣いてるようだった。傘も持ってない様子。同い年くらいの女の子だった。
「あの~大丈夫ですか?何故泣いているんですか?あっ!いや!言いたくないならいいんですけど。とりあえずこれ使ってください。」
僕は傘を渡してあげた。少し様子を見てその場を去ろうとしたら。
「あの、私のこと見えてますか?見えてるんですか?」
と声をかけられた。「えっおばけ?」とか思いつつ振り返ると。
「反応してくれた。良かった…すいません色々あって変なこと言っちゃって。」
「そうなんですか。ところで見えるとかってどういうことですか?」
「実はクラスの人、先生、その他の人からも見えていないらしくて。そのせいで最近引っ越して一人暮らしすることになって、買い物もできず困ってたんです。あのー、もしよければお金払うので食料をわけてくれませんか?」
「いいですけど…今持って無いので家まで来てくれますか?嫌なら持ってきますけど。あっあとお金はいいですよ。お金には余裕があるんで」
「そうですか…雨の中もってきてもらうのも悪いですし。貰いに行きます。」
「わかりました。あなたは優しいんですね。」
「いえいえ、あなたに比べればなんてことないですよ。」
~和崎家にて~
困った困ってしまった。食料が一人分しか無い。夜も遅く店も閉まってる。ただあげると言ってしまった手前どうにかせねば。
そう言えば非常食としてカップ麺があるんだった。カップ麺の存在を悟られず彼女に食料を渡さねば。
「これだけでいいですか?」
「ありがとうございます。十分すぎるくらいです。ところでずっと気になってたんですけど。」
(しまったバレたか!?)
「あなた蒼羽高校二年の蒼くんですよね?ちがいますか?」
「えっ!?まぁそうですけど…?」
(セーフ!!だけどなんで知ってるんだろうクラスにいたっけ?)
「やっぱり!実は私蒼羽高校に転入するんです明日。それで学校の下見をしてて、それである程度把握しているんです。」
「なるほど、じゃあ明日からよろしくね。二組だったらいいなぁ。」
「そうですねぇ。自分を見つけてくれる人がいると落ち着きますしね。それじゃあ長居しても悪いので、それでは。」
「また明日会いましょう。」
そう言うと元気にその子は家を飛び出していった。雨は止んだらしい。
「そう言えば見つからないんだっけ、あの子大丈夫かな?まぁそんな事考えても仕方ないか。それより、お腹すいたし、カップ麺食べよ…」
そうして食事を終え、課題を終わらせ、布団を敷き、床についた。人を心配したのなんていつぶりだろう。
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