3024年宇宙のスズキ

神谷モロ

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エピソード3

サターン7/13

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 俺達はミシェルさんと女子高生の二人、サンジョウ・シズカ、カスガ・シズネ達とは別行動をとることにした。
 オフ会に部外者は参加してはならないのだ。

 それに彼女たち三人で積もる話があるのだろうし。
 ……さすがにあの号泣を見て、察せないほど俺達はボンクラではないのだ。

 ちなみに、ダブルデートだと思われたジェミニたちは本当にたまたまスケジュールがあっただけらしい。

 彼女たちのご両親は仕事の都合もあり、アーススリーからここまで来ることが難しかったため、やもなく二人だけで送ったのだが。
 現地ではさすがに心配とのことで保護者として依頼されたらしい。

 俺としては信じられない。大学生の男二人に大事な娘を預けるかねぇ……。
 しかも二次元ポルノの良さを公然と語るようなキモい奴らに。

 いや、その辺はよくわからんし、全ての男がケダモノだとは思わない。サガ兄弟にも両親や親戚がいる。
 これは俺の失礼な妄想だろう。むしろ陽キャでイケメン大学生や、昨今のなろう系主人公よりも余程信頼が持てるだろう。

 ……まあ、仮に下心がワンチャンあったとしても、それは実現できない虚無であると認識しているはずだ。
 そう、その辺のマインドは理解できる。俺達はオタクなのだから……。

 ましてや、サガ兄弟は『アナザーディメンション』というオタクサークル連合のボスである。
 曰く、アナザーディメンションは歴史が古く由緒正しい、日本はおろか世界中にも支部を持つ巨大な大学サークル連合らしいのだ。

 そんな彼らが三次元になびいてしまっては教義に反してしまうだろう。

 それにオタクサークルが崩壊する原因が何かを彼らはよく理解しているはずだ。
 オタサーに姫など不要なのである。


「おや? ところでアイ殿のお姿、ホログラムでござるか? 前のメイド型アンドロイドはどうしたでござるか?」

『ああ、あれは壊れてしまいましてね。マスターに危害を加えてしまったので焼却処分です……』

「むむむ、イチロー殿、もしやメイド型アンドロイドに襲い掛かったのでござるか?
 いくらご主人様とメイドの背徳的な情事とはいえ……うらやまけしからんでござる。
 でも公私混同、AIには優しくしないと通報案件ですぞ!」

「ふっ、しかもわざわざソレ専用のアンドロイドではなく、汎用アンドロイドでとは……。
 マニアックが過ぎますね……。いや、故にプラトニックな関係からの堕落してゆく様を感じるのでしょう。理解はします」

 勝手に妄想して、妙に納得する兄弟。

「おい! 誤解だ! 俺を何だと思っている。……マジで事故があったんだよ、詳しく話せないけどな。
 でも、そうだな、アイちゃんのアンドロイドが無いのは少し寂しい。
 前回は通販で安物を買ったから起こった事故だと思うとしよう」

『マスター、それは違います。あの失態は人工生命体としては次などないほどの禁忌です。
 二度と起こらないように、クリステル様から厳しく言われました』

「うん、それは知ってる。俺もその場に居たしな。
 でもそれはそれ、肝心な時に俺一人だといろいろとダメな場合もあるだろうし。
 まあ、つまりは性能がいいアンドロイドならいいんじゃない? マリーさんみたいなのなら洗脳されることも無いだろうし」

『さあ、どうでしょうか。それに万が一洗脳されたら、マスターの首は一瞬で切断されてたでしょう?』

 確かに、非力な汎用アンドロイドだったから助かったが、マリーさんだと瞬殺されてたかもしれん。

「ふむ、たしかに……。そうだな。
 まあ、それはおいおい考えるとして、買い物でもしようじゃないか。そういえばサガ兄弟は『クロノス』は詳しいんだろ?
 女子達はきっとショッピングやら、お茶したりと楽しんでるはずだ。
 なら俺達は俺達で楽しもう。お勧めのオタクスポットを案内してくれよ。

 そう、ここから本題なのだが。できれば、セーラー服の美少女で、黒髪のセミロングの戦士風のアンドロイドとかあったらなって……サターン的な意味で」

 …………。

「ふふふ、さすがはイチロー殿でござる。
 我らアナザーディメンションが崇拝する土星の女神。真のサターンちゃんですな。オッケーですぞ。
 ではさっそく、カスタムアンドロイドショップにご案内でござる」

 話が早い。さすがはオタクサークルのボスだけのことはある。

「残念ながら我らの真のサターンちゃんは戦艦サターンのAIアバターには採用されませんでした。
 アナザーディメンションの組織票をもってしても一次選考で弾かれてしまったのです」

 そう言うのは弟のセイジ。

「しかし、代々の先輩方の地道な活動もあり、そのデザインは受け継がれ、マニアックなお店では密かに製品化しているのですぞ。
 コードネーム『ファイアフライ』イチロー殿なら、これだけで理解しますな?」

「っ! まじか! 一応、確認をとっておくぞ、版権はクリアしているのか?」

「……イチロー殿。なぜ、某がマニアックな店といったか理解してほしいでござる……」

「そ、そうか。まあ、俺は何も知らないし、いいよな……アイちゃんもいいよな! 俺はぜひ見てみたいんだ」

『はあ、マスター。まあ、同人レベルなら目をつぶるとしましょう。
 日系企業はその辺は寛容ですし、トラブルが起きたとしても示談で済ませることはできますか』

「よし、ならば是非もない……ここからが俺の本当の決戦のバトルフィールドだ!」

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