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第一章 プロローグ
第3話 灰色の姫様
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俺は建設組合でアルバイトをしている。
なぜなら、俺の養父であるおっちゃんは建設組合の会長だ。
両親はそこそこの冒険者だったらしいが、大規模な魔物の討伐任務に参加して仲良く死んでしまったらしい。
顔も覚えてないから実質、おっちゃん夫婦が俺の両親というわけだ。
だから少しでも役に立ちたいし、生活費も賄いたいのだ。
それに俺はこの仕事が向いている。
俺の祖先にはオーガがいたらしく。腕力は人一倍なのだ。
まあ実戦ではなんの役にも立たないけどな。ご先祖様には悪いけどどうせなら魔法の才能を授けてほしかった。
それでも建設資材を運ぶという能力おいて俺は役に立った。
今日は王都の外壁の修復作業をしているが、外壁の上に運ぶには人の手が必要になる。
現場では俺はヒーローである。重たい石材をただ運ぶ。
これだけで皆の役に立てる、うれしいじゃないか。
職人さんたちは皆、俺の様な若造にやさしい。
当然、この現場には魔法使いはいない。
みんな平民だ、だからか余計に居心地がいい。
俺だって、多少は魔法が使えて卒業後は準貴族になるといっても、ここで汗を流していた方が気分がいい。
俺の就職先は魔法使いというより皆と汗を流すのがいいのだろうか。
育ててくれたおっちゃん達は俺に期待して魔法学院に入学させたが、すまん、俺の才能ではつらいのよ。
どこにも就職できなければ、ここで雇ってもらうのも悪くないかもしれない。
俺はそんな事を考えながら石材を何往復かして運び終えた。
おっちゃんに次の仕事を聞こうと思って外壁の下に降りると。
そこには見たことのない馬車が止められており。知らない人たちとおっちゃんが話をしていた。
一人は女性のようだった。
だれだろう。貴族ではないようだ。でも綺麗な灰色の髪がよく似合う女性だ。
おっちゃんの愛人か? いや、さすがにそれはないか。随分と若いようだし。それに彼女は一人ではない。
話を聞くに旅芸人のようだ。今晩は花火をあげるとか話をしている。城壁の上で宴会でもするらしい。
おっちゃんは俺に気付くと声を掛けた。
「おい、カイル! ちょっと重たいから運ぶの手伝ってくれ」
おっちゃんは随分とにやけている。若い女性の前だと相変わらずだらしない顔になる。
「どれを運ぶんですか? って、何ですかこの樽は、おっちゃん今日は宴会ですか? 飲み過ぎに気を付けてくださいよ?」
にやけ顔の原因はこっちだった。酒だ、それも樽ごと、それに肉にチーズやら箱いっぱいに入っている。
「はっはっは、飲みすぎなくて何が職人か。それに今日はもう上がりだ。この後、城壁の上で宴会やるから後でお前もこいよ。例のなんだっけ? シャル……なんだっけ、お前のお気に入りのお嬢ちゃんでも呼んで来いよ」
「シャルロットはまだ未成年ですよ。それに俺達は別に仲がいいわけでもないですし。でも気が向いたら顔をだしますね」
この人はまったく。そして俺に荷物を運ばせると、また若い女性と楽しそうに話している。
おばちゃんに言いつけてやろうか。
いや、俺も男だ。そんな無粋なことはしまい。
「シャルロット……もしかして、そのお嬢さんってレーヴァテインという姓ではないかしら?」
突然、旅芸人の女性は俺に話しかけてきた。
驚いた、もっと年上かと思ったけど、俺とそんなに変わらないように思えた。
正面から見ると、幼さの残る容姿、どこかシャルロットと似た雰囲気があったのだ。
「お姉さん、シャルロットの知り合いですか?」
「……いいえ、知らないわ、彼女のおじい様であるレオンハルト様にお世話になったくらいかしら。そうね、昔々、彼にはとても大きな御恩があるのよ……」
「姫様、時間がありませんぜ、昔話はまた今度でお願いしやす」
彼女は「あら、ごめんなさい」と隣にいた、いかにも盗賊っぽいやせた男に止められると再びおっちゃんと何か話をしだした。
ふむ、シャルロットのおじい様ね、そういえば俺は彼女のことを何も知らなかったな。
貴族社会についてもう少し勉強するか。
今日はいつもより早く仕事が終わったのでどうしたものか。
宴会か……言われたとおりにシャルロットでも誘うか。
といってもどこにいるのか分からないし、俺達はそんな関係でもない。
決闘以外でまともに話したことなどないのだ。
それに一人で宴会に行ったとしてもおっちゃん達にからかわれて、飲まされてつぶれて終わりだ。
あの人たちは本当に酒に強い。
どんなに深酒しても翌朝にはケロッとしている。これが職人というのだろうか。
しょうがない、明日もあるしトレーニングでもして帰るとするか。
それとも、学院に戻って勉強をしたほうがいいだろうか、ラルフ・ローレン君の言ってたことももっともだ。
教養、それも大事なことだ。
よし、ならば図書館まで全力で走る。それから勉強をする、文武両道というやつだ。
なぜなら、俺の養父であるおっちゃんは建設組合の会長だ。
両親はそこそこの冒険者だったらしいが、大規模な魔物の討伐任務に参加して仲良く死んでしまったらしい。
顔も覚えてないから実質、おっちゃん夫婦が俺の両親というわけだ。
だから少しでも役に立ちたいし、生活費も賄いたいのだ。
それに俺はこの仕事が向いている。
俺の祖先にはオーガがいたらしく。腕力は人一倍なのだ。
まあ実戦ではなんの役にも立たないけどな。ご先祖様には悪いけどどうせなら魔法の才能を授けてほしかった。
それでも建設資材を運ぶという能力おいて俺は役に立った。
今日は王都の外壁の修復作業をしているが、外壁の上に運ぶには人の手が必要になる。
現場では俺はヒーローである。重たい石材をただ運ぶ。
これだけで皆の役に立てる、うれしいじゃないか。
職人さんたちは皆、俺の様な若造にやさしい。
当然、この現場には魔法使いはいない。
みんな平民だ、だからか余計に居心地がいい。
俺だって、多少は魔法が使えて卒業後は準貴族になるといっても、ここで汗を流していた方が気分がいい。
俺の就職先は魔法使いというより皆と汗を流すのがいいのだろうか。
育ててくれたおっちゃん達は俺に期待して魔法学院に入学させたが、すまん、俺の才能ではつらいのよ。
どこにも就職できなければ、ここで雇ってもらうのも悪くないかもしれない。
俺はそんな事を考えながら石材を何往復かして運び終えた。
おっちゃんに次の仕事を聞こうと思って外壁の下に降りると。
そこには見たことのない馬車が止められており。知らない人たちとおっちゃんが話をしていた。
一人は女性のようだった。
だれだろう。貴族ではないようだ。でも綺麗な灰色の髪がよく似合う女性だ。
おっちゃんの愛人か? いや、さすがにそれはないか。随分と若いようだし。それに彼女は一人ではない。
話を聞くに旅芸人のようだ。今晩は花火をあげるとか話をしている。城壁の上で宴会でもするらしい。
おっちゃんは俺に気付くと声を掛けた。
「おい、カイル! ちょっと重たいから運ぶの手伝ってくれ」
おっちゃんは随分とにやけている。若い女性の前だと相変わらずだらしない顔になる。
「どれを運ぶんですか? って、何ですかこの樽は、おっちゃん今日は宴会ですか? 飲み過ぎに気を付けてくださいよ?」
にやけ顔の原因はこっちだった。酒だ、それも樽ごと、それに肉にチーズやら箱いっぱいに入っている。
「はっはっは、飲みすぎなくて何が職人か。それに今日はもう上がりだ。この後、城壁の上で宴会やるから後でお前もこいよ。例のなんだっけ? シャル……なんだっけ、お前のお気に入りのお嬢ちゃんでも呼んで来いよ」
「シャルロットはまだ未成年ですよ。それに俺達は別に仲がいいわけでもないですし。でも気が向いたら顔をだしますね」
この人はまったく。そして俺に荷物を運ばせると、また若い女性と楽しそうに話している。
おばちゃんに言いつけてやろうか。
いや、俺も男だ。そんな無粋なことはしまい。
「シャルロット……もしかして、そのお嬢さんってレーヴァテインという姓ではないかしら?」
突然、旅芸人の女性は俺に話しかけてきた。
驚いた、もっと年上かと思ったけど、俺とそんなに変わらないように思えた。
正面から見ると、幼さの残る容姿、どこかシャルロットと似た雰囲気があったのだ。
「お姉さん、シャルロットの知り合いですか?」
「……いいえ、知らないわ、彼女のおじい様であるレオンハルト様にお世話になったくらいかしら。そうね、昔々、彼にはとても大きな御恩があるのよ……」
「姫様、時間がありませんぜ、昔話はまた今度でお願いしやす」
彼女は「あら、ごめんなさい」と隣にいた、いかにも盗賊っぽいやせた男に止められると再びおっちゃんと何か話をしだした。
ふむ、シャルロットのおじい様ね、そういえば俺は彼女のことを何も知らなかったな。
貴族社会についてもう少し勉強するか。
今日はいつもより早く仕事が終わったのでどうしたものか。
宴会か……言われたとおりにシャルロットでも誘うか。
といってもどこにいるのか分からないし、俺達はそんな関係でもない。
決闘以外でまともに話したことなどないのだ。
それに一人で宴会に行ったとしてもおっちゃん達にからかわれて、飲まされてつぶれて終わりだ。
あの人たちは本当に酒に強い。
どんなに深酒しても翌朝にはケロッとしている。これが職人というのだろうか。
しょうがない、明日もあるしトレーニングでもして帰るとするか。
それとも、学院に戻って勉強をしたほうがいいだろうか、ラルフ・ローレン君の言ってたことももっともだ。
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