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第三章 港町
第36話 西グプタ②
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「じゃあの、お二人さん。私はここでお別れだ。しばらくはこの街にいるから、顔くらいは見ることがあろう。
だが私から声を掛けることはない。なんせ忙しいからな。まあほどほどに頑張るとよい。ではな」
随分とあっさりした別れだった。
俺達もまた会いましょうと言ってベアトリクスと別れた。
さてと、ミリアムさんから貰った紹介状を持って俺達は冒険者ギルドに来ていた。
西グプタの冒険者ギルド。本部はカルルク帝国の首都ベラサグンにある。
ここは西グプタ支部だ。
いよいよ、俺達は冒険者になる。
旅を続けて三か月ほど。ようやくここまできた。
俺達は冒険者ギルドの扉を開ける。
中には冒険者たちが依頼書をみながら話をしている。軽装の戦士や魔法使いらしいマントを着た者、さすが冒険者ギルドといった光景だ。
カウンターの正面には受付の人が立っている。若い女性だ。
俺はミリアムさんの紹介状を受付の女性に渡すと、若干の沈黙の後「しばらくお待ちください」といって。奥に入っていった。
そして、二枚の冒険者カードを持って来た。
「冒険者登録は終わりました。依頼はあそこの張り紙から自分の力量にあった依頼を受けてください。注意事項はもうご存じですね?」
それは知ってるけど。
俺は一応魔法学院のレンジャーの科目を修了している。
細かい事はその土地で違うけど、重要な注意事項は一つだけ。
死んでも冒険者組合は責任は持たない。だから討伐依頼は慎重に選ぶこと。
簡単で分かりやすい。無責任に思えるけど。失敗による損失は冒険者ギルドが補填するため、家族には責任は及ばない、そこまで無責任とはいえないだろう。
「はい、大体は理解しています。しかし、登録手続きをしてませんが、それで冒険者カードをくれるんですか?」
「はい、登録手続きは必要ありません。この紹介状一枚で充分です」
俺は紹介状をみせてもらった。ミリアムさんが書いてくれたのだろう。
挨拶文から始まり、冒険者ギルドへの感謝の言葉が書かれている。そして最後の一文だ。
「――以上のことから。カイル・ラングレン、魔剣使い。ドラゴンを倒すレベルの実力者。そして彼の妹、シャルロット・ラングレン、マスター級の魔法使い。
上記の二名を冒険者として推薦する。――西グプタ盟主。ミリアム・サラザール。ベアトリクス・ドラゴンロード」
なんという事だ、随分と過大評価をされてしまった。
いや、シャルロットは本当のことだが。俺はそんなレベルじゃない。魔剣の性能のおかげだ。
「へえ、カイル、素敵じゃない。ドラゴン殺し、嘘を付いているわけじゃないし、いいんじゃない?
実力が足りてないと思うなら努力すればいいだけでしょ?」
ああ、それは正しい。しかし。これで冒険者ギルドの期待を一心に背負ってしまった。
後には引けない。
どちらにせよ、討伐任務の一つもこなせないでこの先カルルク帝国を縦断などできない。
ここからは戦いを避けて通れないのだ。
しょうがない。俺達は試しに依頼を受けることにした。
掲示板に貼られた依頼書をみる。
依頼内容は西グプタの城壁修理か。力自慢を求む。初心者歓迎。
これがいいか。俺は掲示板に貼られた依頼書を取ろうとすると、小さな手が依頼書を上から抑えつけた。シャルロットの手は随分小さいんだな。
「ちょっと! 言った側からそれ? 魔物の討伐任務を受けるんでしょうが!」
「あ、ああ。すまん、つい懐かしくなってね。決してビビってるわけじゃないぞ」
しかたなく別の依頼書を見る。
城壁の防衛任務。城壁の外側で作業中の建設ギルドの労働者を魔物から防衛する任務か。
「シャルロット、それならこれから初めて見るか」
「そうね、それならギリギリ了承してあげる。ほんとなら討伐任務がよかったんだけど。まあ、肩慣らしってところかしら」
依頼書をはがし、受付にもっていくと正式に任務受領だ。
開始は翌日から。任務完了は城壁の修理が完了するまで。
俺達が任務を受けたのを冒険者ギルドから建設ギルドに連絡し、城壁修理の作業員が現地に派遣されるのだそうだ。
よし、仕事開始は明日だ。俺達は明日に備え準備をすることにした。
ついでに街でも散策するとしよう。
遠出ではないからそこまで買い物が必要なわけではないしな。
ベアトリクスともばったり会うかもしれない。
無事冒険者になれたことのお礼もしておきたいしな。
だが私から声を掛けることはない。なんせ忙しいからな。まあほどほどに頑張るとよい。ではな」
随分とあっさりした別れだった。
俺達もまた会いましょうと言ってベアトリクスと別れた。
さてと、ミリアムさんから貰った紹介状を持って俺達は冒険者ギルドに来ていた。
西グプタの冒険者ギルド。本部はカルルク帝国の首都ベラサグンにある。
ここは西グプタ支部だ。
いよいよ、俺達は冒険者になる。
旅を続けて三か月ほど。ようやくここまできた。
俺達は冒険者ギルドの扉を開ける。
中には冒険者たちが依頼書をみながら話をしている。軽装の戦士や魔法使いらしいマントを着た者、さすが冒険者ギルドといった光景だ。
カウンターの正面には受付の人が立っている。若い女性だ。
俺はミリアムさんの紹介状を受付の女性に渡すと、若干の沈黙の後「しばらくお待ちください」といって。奥に入っていった。
そして、二枚の冒険者カードを持って来た。
「冒険者登録は終わりました。依頼はあそこの張り紙から自分の力量にあった依頼を受けてください。注意事項はもうご存じですね?」
それは知ってるけど。
俺は一応魔法学院のレンジャーの科目を修了している。
細かい事はその土地で違うけど、重要な注意事項は一つだけ。
死んでも冒険者組合は責任は持たない。だから討伐依頼は慎重に選ぶこと。
簡単で分かりやすい。無責任に思えるけど。失敗による損失は冒険者ギルドが補填するため、家族には責任は及ばない、そこまで無責任とはいえないだろう。
「はい、大体は理解しています。しかし、登録手続きをしてませんが、それで冒険者カードをくれるんですか?」
「はい、登録手続きは必要ありません。この紹介状一枚で充分です」
俺は紹介状をみせてもらった。ミリアムさんが書いてくれたのだろう。
挨拶文から始まり、冒険者ギルドへの感謝の言葉が書かれている。そして最後の一文だ。
「――以上のことから。カイル・ラングレン、魔剣使い。ドラゴンを倒すレベルの実力者。そして彼の妹、シャルロット・ラングレン、マスター級の魔法使い。
上記の二名を冒険者として推薦する。――西グプタ盟主。ミリアム・サラザール。ベアトリクス・ドラゴンロード」
なんという事だ、随分と過大評価をされてしまった。
いや、シャルロットは本当のことだが。俺はそんなレベルじゃない。魔剣の性能のおかげだ。
「へえ、カイル、素敵じゃない。ドラゴン殺し、嘘を付いているわけじゃないし、いいんじゃない?
実力が足りてないと思うなら努力すればいいだけでしょ?」
ああ、それは正しい。しかし。これで冒険者ギルドの期待を一心に背負ってしまった。
後には引けない。
どちらにせよ、討伐任務の一つもこなせないでこの先カルルク帝国を縦断などできない。
ここからは戦いを避けて通れないのだ。
しょうがない。俺達は試しに依頼を受けることにした。
掲示板に貼られた依頼書をみる。
依頼内容は西グプタの城壁修理か。力自慢を求む。初心者歓迎。
これがいいか。俺は掲示板に貼られた依頼書を取ろうとすると、小さな手が依頼書を上から抑えつけた。シャルロットの手は随分小さいんだな。
「ちょっと! 言った側からそれ? 魔物の討伐任務を受けるんでしょうが!」
「あ、ああ。すまん、つい懐かしくなってね。決してビビってるわけじゃないぞ」
しかたなく別の依頼書を見る。
城壁の防衛任務。城壁の外側で作業中の建設ギルドの労働者を魔物から防衛する任務か。
「シャルロット、それならこれから初めて見るか」
「そうね、それならギリギリ了承してあげる。ほんとなら討伐任務がよかったんだけど。まあ、肩慣らしってところかしら」
依頼書をはがし、受付にもっていくと正式に任務受領だ。
開始は翌日から。任務完了は城壁の修理が完了するまで。
俺達が任務を受けたのを冒険者ギルドから建設ギルドに連絡し、城壁修理の作業員が現地に派遣されるのだそうだ。
よし、仕事開始は明日だ。俺達は明日に備え準備をすることにした。
ついでに街でも散策するとしよう。
遠出ではないからそこまで買い物が必要なわけではないしな。
ベアトリクスともばったり会うかもしれない。
無事冒険者になれたことのお礼もしておきたいしな。
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