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僕のご主人様
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ジョイ視点
俺の新しいご主人様は…奴隷の治療をしたいと言い出した凄く変わった人だ。
前の主人には肉体労働、奴隷同士の刀剣、サンドバッグとして扱われる日々が続いていた。
碌な食事や寝床も与えられず早くこんな人生終わりたくて仕方がなかった。
ある日、奴隷同士の殴り合いをしろと命令されこのまま死んでもいいと思い殴られて続けているとついに意識が無くなりやっと終わる。そう思っていたが次に目が覚めたときは檻に入れられてどこかに輸送されていた。
何日か移動し続けていたが、硬いパンと水は毎日与えられる最高の時間だった。
しかし荷台から降ろさせるとまた奴隷として売られることを知った俺は奴隷商からの食事や治療を拒み、再び死ぬことを選んだ。
3日ほど立ち、座ることもできなくなってきた俺はあと数日でこんな人生からは解放されると思っていた。
そんなある日、ご主人様…ルナちゃんが来た。
俺に回復魔法をかけたいと言い出したと思えば次の日には買うと宣言して本当に買われてしまった。
やっと苦しみから解放されると思っていたのに…新しい従属魔法陣を背中に刻まれ最悪の気分だ。
この女は何をさせるつもりなんだ、また殴られる日々が始まることを思うと憂鬱と言う言葉では収まらない。
しかも回復魔法を使えるだなんて、死にたくても死ねない。
寿命がくるまで奴隷であることが決まったこの日、絶望した。
そして女の家に着くとすぐに傷を治すため、回復魔法を使われた。痛みがあるのが通常だった俺は久しぶりに何処も痛くない、という感覚に慣れない。
痛みがないことがこんなにも素晴らしいだなんて。
そして風呂に入るように言われたが動かないでいると腕を引っ張られ連れて行かれた。
温かいお湯をだし、これで体、これで髪の毛を洗ってね!と身振り手振りで懸命に説明したあと浴室から出ていった。
いつぶりだろうか…お湯を触ったのは。
汚れた体を洗い、髪をすすぐと人間らしい行動に涙が出てた。
風呂からでると温かいスープが用意されていた。
「ずっと食べていなかったみたいだから今日はこれだけで我慢してね。いきなり食べると胃が痛くなってしまいそうだから…明日は消化に良さそうなもの用意するね!」
女も同じスープを飲んでいた。
奴隷と同じテーブルで、同じ物を食べるなんて信じられない。
黙って口に運ぶと色んな野菜を煮たスープなのか…優しい味がした。
夜になると休むように言われ、玄関の床で寝ていたが邪魔だったのか起こされソファーで寝るように言われたが奴隷が床以外で寝るなんてありえない。
ソファーに座ったら殴られると思ったのでそのまま床に居続けたが次の日、女は俺のためにベッドと服を買ってきた。
俺を奴隷としてではなくペット。
愛玩動物として飼うと言い出した。
ペットも奴隷も同じだ。気分で可愛いがり、機嫌が悪ければ殴られて食事もなくなる。
そう思っていたが…女の機嫌が悪くなり殴られることがなかった。
それどころか回復魔法を毎日かけられたせいで傷口だけではなく、膝の古傷や火傷跡まで治ってしまった。
食事は毎日与えられるし、温かいベッドで眠る。
そして少し女の独り言を聞いていれば一緒にお菓子を食べることができた。
本当にペットとして飼うつもりなのか?
こんな生活なら普通に生きるよりも楽だ。
今までの生活とのギャップに困惑したが少しでもこの時間が続くように大人しくすることを選んだ。
いつもニコニコ、ヘラヘラしている女。
俺に笑いかけ、世話をして喜んでいる。
本当に変な女だ。
俺の新しいご主人様は…奴隷の治療をしたいと言い出した凄く変わった人だ。
前の主人には肉体労働、奴隷同士の刀剣、サンドバッグとして扱われる日々が続いていた。
碌な食事や寝床も与えられず早くこんな人生終わりたくて仕方がなかった。
ある日、奴隷同士の殴り合いをしろと命令されこのまま死んでもいいと思い殴られて続けているとついに意識が無くなりやっと終わる。そう思っていたが次に目が覚めたときは檻に入れられてどこかに輸送されていた。
何日か移動し続けていたが、硬いパンと水は毎日与えられる最高の時間だった。
しかし荷台から降ろさせるとまた奴隷として売られることを知った俺は奴隷商からの食事や治療を拒み、再び死ぬことを選んだ。
3日ほど立ち、座ることもできなくなってきた俺はあと数日でこんな人生からは解放されると思っていた。
そんなある日、ご主人様…ルナちゃんが来た。
俺に回復魔法をかけたいと言い出したと思えば次の日には買うと宣言して本当に買われてしまった。
やっと苦しみから解放されると思っていたのに…新しい従属魔法陣を背中に刻まれ最悪の気分だ。
この女は何をさせるつもりなんだ、また殴られる日々が始まることを思うと憂鬱と言う言葉では収まらない。
しかも回復魔法を使えるだなんて、死にたくても死ねない。
寿命がくるまで奴隷であることが決まったこの日、絶望した。
そして女の家に着くとすぐに傷を治すため、回復魔法を使われた。痛みがあるのが通常だった俺は久しぶりに何処も痛くない、という感覚に慣れない。
痛みがないことがこんなにも素晴らしいだなんて。
そして風呂に入るように言われたが動かないでいると腕を引っ張られ連れて行かれた。
温かいお湯をだし、これで体、これで髪の毛を洗ってね!と身振り手振りで懸命に説明したあと浴室から出ていった。
いつぶりだろうか…お湯を触ったのは。
汚れた体を洗い、髪をすすぐと人間らしい行動に涙が出てた。
風呂からでると温かいスープが用意されていた。
「ずっと食べていなかったみたいだから今日はこれだけで我慢してね。いきなり食べると胃が痛くなってしまいそうだから…明日は消化に良さそうなもの用意するね!」
女も同じスープを飲んでいた。
奴隷と同じテーブルで、同じ物を食べるなんて信じられない。
黙って口に運ぶと色んな野菜を煮たスープなのか…優しい味がした。
夜になると休むように言われ、玄関の床で寝ていたが邪魔だったのか起こされソファーで寝るように言われたが奴隷が床以外で寝るなんてありえない。
ソファーに座ったら殴られると思ったのでそのまま床に居続けたが次の日、女は俺のためにベッドと服を買ってきた。
俺を奴隷としてではなくペット。
愛玩動物として飼うと言い出した。
ペットも奴隷も同じだ。気分で可愛いがり、機嫌が悪ければ殴られて食事もなくなる。
そう思っていたが…女の機嫌が悪くなり殴られることがなかった。
それどころか回復魔法を毎日かけられたせいで傷口だけではなく、膝の古傷や火傷跡まで治ってしまった。
食事は毎日与えられるし、温かいベッドで眠る。
そして少し女の独り言を聞いていれば一緒にお菓子を食べることができた。
本当にペットとして飼うつもりなのか?
こんな生活なら普通に生きるよりも楽だ。
今までの生活とのギャップに困惑したが少しでもこの時間が続くように大人しくすることを選んだ。
いつもニコニコ、ヘラヘラしている女。
俺に笑いかけ、世話をして喜んでいる。
本当に変な女だ。
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