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第一章

第十一話 昔話

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『ーーーーーー!はやく!』
『ちょっと待て!おれは運動あんまりとくいじゃないんだって!』
目の前にいる少女はグイグイと少年を引っ張っていく。
『ねぇーーーーーーこれはなんていうの?』
『ん?』
『あぁ、それはーーだよ。それはー色だなぁ。』
『これのほかにもいろんないろがあるの?』
『そうだよ。でもお前にはこの色のがにあうなぁ。』
『えへへ~あ!ーーーーーーこれは?』
『それはなぁーーーのーーーーだよ。よく見つけたな。』
『これはめずらしいの?』
『うん。見つけるのむずかしいんだそ。』
『…』
『?どうした?』
『ーーーーーーさっきわたしにはーーーーがにあうっていってたでしょ?』
『そうだな。』
『だったらーーーーーーにはこれがにあうなぁっておもって!』
『そうか。ありがとなぁ。』
『うん!』
『ねぇ、ーーーーーー。』
『なんだ?』
『ーーーーーーっさ、なんでもしってるよね!なんだかーーーーみたい!』
『そうか?』
『そうだよ!』
『んー…ーーかぁ…なんかくすぐったいなぁ。』
『じゃあなれるまでわたしがーーーーってよぶ!』
『べつにーーーーーでいいんだぞ?』
『ダメ!もうけってい!』
『そっか。』
楽しそうに笑うふたりの足下にはーーーーーーが咲いていた。

そんなふたりを森の陰から眺める者が一人。
それはーーーーを抱えた少女だった。   
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「こんなところか。」
顔を上げたのは赤い髪をした地獄の主。
「さてさて、ここからどうなるのか…」
そう呟くと、ーーの瞳は明るく黄色に輝いた。
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