一刻センリの時案内記

田沼あげたか

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クエスチョン

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 「タイムマシーンってあると思う?」
「は、どういうことだよ。そんなことが話したかったのか?」
「いやいや普通に考えてみてよ。今は無くても未来にはできると思う?」
なにか俺は皮肉でも言われているのだろうか。こんな空想科学みたいな話を聞かせるために高遠は俺を引き止めたのか?
「さあな、わからん。でも双子のパラドックスみたいのは聞いたことあるぞ。未来には行けるのかもな。」
「そっか君は意外と理解のある側の人間なんだね。」
「小さい時に少し興味があったんだよ。自分の能力とか知識の範疇を超えてるのに、知ったふりをしたい時期が一度くらいあるだろ?それでなんだ、実はお前はタイムマシーンを開発している天才女子高生とかなのか?」
「ノンノン、残念!うーん確かに君よりは賢いかもしれないね。でもタイムマシンはね、もう存在しているんだよ。」
「なるほどな。お前は天才女子高生じゃなくSFオタク女子高生だったか。悪いが俺はあまりSFとか興味ないんだよ。」
「本当だよ嘘じゃないんだ。実際私は未来から来たんだよ。すぐに信じてくれるとは思ってないよ。でもしっかり覚えておいて。」
高遠の真剣な顔は初めて見た気がする。へらへらしてるなよ、と一喝するように鋭い眼差しでこちらを見ながら話した。
「それが仮に本当なら俺をどこかにタイムワープさせてくれよ」
「まあ、そうだよね。実際に体験しないとわかんないか。でもね私達が使うタイムマシーンは皆がもっててポケットから出てくるようなものじゃないんだよ。特定の場所に装置が設置してあるの。」
「なるほどなじゃあそこに連れて行ってくれ。」
「まあ、待ちなって。使用には申請が必要だし、それが通るかも分からないね。君が同伴だし。今日中に申請しとくよ。通ったら学校で伝えるから。お楽しみに!」
言うだけ言って高遠は小走りで手を振りながら帰っていった。変なやつもいるもんだなと思いながら俺も帰路についた。もし本当にタイムマシーンに乗って時間旅行ができるのなら、そうだなブレトン・ウッズ会議にでも参加しようか。
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