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<回想> 2月1日 付き合おう 2/2
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私の怜央の部屋観察は続いていた。
勉強机の隣には本棚。バレーボールや筋力トレーニングに関する本、それに教科書が押し込まれていた。間に漫画がいくつか挟まっている。なんだか雑な片付け方だ。
座ったベッドの上には封筒に入った新しいバレーボール雑誌が置いてあった。触らず封筒からはみ出した雑誌を見つめていると、途端に影が出来た。
「それは取材をした人が送ってきてくれたんだ。見るか?」
気がつくと怜央が私の側で立っていた。
「昨日安原さんに見せてもらったよ。『一重のクールイケメン』って怜央の事を書いてあったの読んだ」
安原さんとは女子バレーボール部に所属しているクラスメイトだ。私と同じ百六十七センチという身長で、くせ毛のショートカット。瞳が大きくて可愛い人だった。同じ身長でもくるくると表情が変わり可愛らしい。
私が雑誌の内容を思い出して微笑むと、その顔を見た怜央が頬を赤くして視線を逸らした。
「あのキャッチコピー、やめてくれって言ったのに」
怜央は私の隣に座る。私のスキニーを履いた太ももに、怜央の太ももが触れる。距離が近くて思わず身を固くしてした。怜央は気にする様子もなく両腕を後ろについて上体を反らした。
「あーあ。久しぶりの半休なのに部屋の掃除と課題なんて休んだ気がしねぇ」
喉を反らせながら伸びをすると、背中がポキポキと音を立てた。
そんな怜央の様子を見つめながら彼の身体の大きさに改めて驚いていた。
去年から身長が三センチ伸びていると聞いた。口元から喉仏のあたりを見つめていると、男性である事を意識してしまう。思わず放り出された雑誌の方に視線を戻すと、その先に綺麗にラッピングされたプレゼントボックスが置かれていた。
雑誌に載る前からファンの女の子がプレゼントを渡す為、怜央の家の前で待っている事がある。怜央の容姿はまるで男性アイドルの様で格好良い。雑誌に載った事もあり今後はもっと人気が出るだろう。
近いけれど遠い人になってしまった。私は単なる幼なじみ。怜央との間にはそれだけだ。特別な事は何もない。
私の怜央に対する恋心も諦めなくてはいけない日がもうそこまで来ているのだろう。しかも怜央とは違ってパッとしない地方予選、万年二位の選手なのだ。
何人か歳の近い幼なじみの女子達は怜央に夢中だった。違う高校に進学して、たまにしか会わなくなったけれども。怜央は女の子達と連絡をとったりしているのだろうか。今日、私を呼び出したみたいに。
プレゼントボックスを見ながらそんな事を考えていたら、身体を起こした怜央に突然肩をつかまれた。驚いて振り向くと怜央が私の顔を見つめていた。
「何?」
私はとっさにファイティングポーズを作って固まる。すると怜央が少し困った様に視線をさまよわせてから溜め息を一つついた。
「お前さこの間、野田に呼び出されていたよな?」
「ああ。野田くんね」
野田くんとは同じスポーツ科の男の子だ。サッカー部に所属している。
「呼び出しって何だったんだよ? 噂では野田がお前に告白して振られたとか聞いたけれど」
怜央が低い声で言い出した。
「違うよ。私への告白じゃないから」
「違う?」
私は野田くんに呼び出された理由について説明した。
野田くんは私の親友、紗理奈の事が好きだったのだ。英数科の紗理奈とは接点がなく、私に取り次いで欲しいとお願いをしてきたのだ。
けれども紗理奈は英数科に力也くんという彼氏がいる。野田くんはそれを知っても気持ちだけは伝えたいと言って来た。そんな事から野田くんの紗理奈への告白に立ち会った事があった。振られるのは分かっていた野田くんだったけれど、どうしても伝えたかったらしくてすっきりとした顔で去って行ったのだ。
その後クラスメイトに、野田くんが告白したのは私だと勘違いされたのだ。
「振られたのは野田くんなのに、勘違いされた事を平謝りしてくれて。良い人だよね野田くんって。あれ以来、野田くんとは何となくよく話す様になったんだ」
「紗理奈って松本が告白の相手かよ……サド好きなのか野田って。しかしエロ話ばかりする野田が良い人ねぇ……それだけか?」
前半何かぼそぼそとつぶやいた怜央が再び私に確認をする。
「それだけよ。大体私は告白されるようなキャラじゃないし」
スポーツ科の男子の中で怜央が際立って人気がある様に、女子にも可愛い子がいる。例えば先程話題に上がった女子バレーボール部の安原 緑さんとか。そういった女の子はよく告白され、彼氏がいたりするけれども私はそういった事と無縁だった。
(シルバーメダルコレクター、無表情で無冠の女王なんて、あだ名がついているからかな)
陸上大会でもいつも銀メダルばかりの私は、次第にどんな顔をしていいのか分からなくなっていったのだ。悔しがれば良いのか、喜べば良いのか。中学時代から悩んでいる内に無表情が定着してしまった。いつも写真が掲載される新聞や雑誌には銀メダルを片手に無表情で写る私が定番だった。無愛想、可愛げがない、なんだか偉そうな感じがする。一般の人からも仲間からもそんな事を言われる様になっていた。
だから「シルバーメダルコレクター、無表情で無冠の女王」と、呼ばれるのだろうか。
野田くんとの出来事を説明すると怜央は、安心した顔をしてベッドに勢いよく横になった。大きな片手で自分の顔を覆うと再び溜め息をついた。
「野田と仲良くしているとか聞いたから、まさかと思って。野田も油断ならないし。安原がお前が野田の前ではよく笑っているって言うから。焦らせやがって」
「そうだったかな?」
安原さんも野田くんも同じクラスだしよく話す方だけれども。そんなに笑っていただろうか。記憶をたぐり寄せていると再び怜央が起き上がり私の顔を横からのぞき込んだ。
「わっ」
私は地味に驚いて目を丸める。先程から落ち着きのない怜央だ。私は肩に触れるか触れないかのショートボブの毛先が揺れた。
怜央の長い前髪から覗く一重が私の顔をじっと見つめている。怜央の瞳は人より黒っぽい。真っ黒の瞳に私の顔が映っているのが見えた。怜央は無表情のまま私を見つめてそれから形の良い唇をゆっくりと開いた。
「お前さ。俺の事が好きだろ?」
「…………えっ」
一瞬何を言われたのか分からなくて口を開けたままの間抜けな顔になった。数秒して質問された意味を理解し思わず声をひっくり返してしまう。
幼なじみの女の子に「明日香は怜央の事、好き?」と何度質問されても動揺せず「幼なじみとして好きだよ」と答える事が出来るのに。まさか当の本人から質問されるとは思っていなかったのであっという間に私は顔を朱色に染めてしまった。
瞬時に染まった私の顔を見た怜央が満面の笑みを浮かべた。
「やっぱりな。前からそうじゃないかと思っていたんだ」
「なっ、なっ、なっ。ち、ち、ち」
何でよ違うから。
一言なのに、震えて告げる事が出来ない。私は恥ずかしくて両手で顔を隠し、その場でカタツムリが自分の殻の中に入る様に小さく身体を縮めた。
最・悪!
先程まで「この恋心を諦めないといけない日が来る」とかポエムじみた事を考えていたのに。何でこんな簡単にバレてしまうの。そして諦めないといけない日が突然やってくるの。
この場をどう取り繕って良いのか分からず私は半泣きになっていた。そう思った時だった。私の頭の上で怜央の声が聞こえた。
「俺の事好きなら、付き合おうぜ」
「え」
今、私は何を聞いたのだろう。表情の乏しい私が目一杯驚いた顔が相当おかしかったのか怜央は私の顔を見て吹き出していた。
「久しぶりに見た明日香のそんな顔。お前でもそんな顔をするんだな。美人のフリだけだな。驚いたり焦ったりするのは昔から変わっていない。可愛いよ」
「び、美人……えっ。かっ、かっ、可愛いって……え?」
怜央にからかわれているのだろうか。聞いた事のない言葉が次から次へと聞こえてくる。
美人? 可愛い? そんな事言われた事もなかったし、いつの間に怜央はサラリと言える様になったのだろう。頭の上から湯気が出そうなくらいテンパっている私の頬を、そっと撫でると怜央は優しく笑った。
「俺は明日香とならいいって思うし。いや、明日香だからかな」
そう言って怜央は白い歯を見せて笑い、私の目尻の涙を親指で拭ってくれた。
一生、怜央とは単なる幼なじみとしての関係だと思っていたのに。
突然怜央からの提案で恋人同士になった。その事実は広まり、次の週には学校中の一番の話題となっていた。
──明日香とならいいって思うし。明日香だからかな──
その言葉がどんなに私を舞い上がらせた事か。怜央と恋人同士の関係になるなんて一生ないと思っていた私はその夜、うれしすぎて眠る事が出来なかった。
だけれど、幼なじみという関係にも駆け引きが存在していたのだ。
努力しても結果を残せない私と、結果を残して認められていく怜央。
遠くなってしまった怜央。自分でそう感じていたくせに、彼氏になったならば私が想う怜央でいてくれると思ったのだろうか。
何も分かっていない馬鹿な私。
怜央から「好きだ」と言われていないのに。そんな事にも気づいていないのだから。
勉強机の隣には本棚。バレーボールや筋力トレーニングに関する本、それに教科書が押し込まれていた。間に漫画がいくつか挟まっている。なんだか雑な片付け方だ。
座ったベッドの上には封筒に入った新しいバレーボール雑誌が置いてあった。触らず封筒からはみ出した雑誌を見つめていると、途端に影が出来た。
「それは取材をした人が送ってきてくれたんだ。見るか?」
気がつくと怜央が私の側で立っていた。
「昨日安原さんに見せてもらったよ。『一重のクールイケメン』って怜央の事を書いてあったの読んだ」
安原さんとは女子バレーボール部に所属しているクラスメイトだ。私と同じ百六十七センチという身長で、くせ毛のショートカット。瞳が大きくて可愛い人だった。同じ身長でもくるくると表情が変わり可愛らしい。
私が雑誌の内容を思い出して微笑むと、その顔を見た怜央が頬を赤くして視線を逸らした。
「あのキャッチコピー、やめてくれって言ったのに」
怜央は私の隣に座る。私のスキニーを履いた太ももに、怜央の太ももが触れる。距離が近くて思わず身を固くしてした。怜央は気にする様子もなく両腕を後ろについて上体を反らした。
「あーあ。久しぶりの半休なのに部屋の掃除と課題なんて休んだ気がしねぇ」
喉を反らせながら伸びをすると、背中がポキポキと音を立てた。
そんな怜央の様子を見つめながら彼の身体の大きさに改めて驚いていた。
去年から身長が三センチ伸びていると聞いた。口元から喉仏のあたりを見つめていると、男性である事を意識してしまう。思わず放り出された雑誌の方に視線を戻すと、その先に綺麗にラッピングされたプレゼントボックスが置かれていた。
雑誌に載る前からファンの女の子がプレゼントを渡す為、怜央の家の前で待っている事がある。怜央の容姿はまるで男性アイドルの様で格好良い。雑誌に載った事もあり今後はもっと人気が出るだろう。
近いけれど遠い人になってしまった。私は単なる幼なじみ。怜央との間にはそれだけだ。特別な事は何もない。
私の怜央に対する恋心も諦めなくてはいけない日がもうそこまで来ているのだろう。しかも怜央とは違ってパッとしない地方予選、万年二位の選手なのだ。
何人か歳の近い幼なじみの女子達は怜央に夢中だった。違う高校に進学して、たまにしか会わなくなったけれども。怜央は女の子達と連絡をとったりしているのだろうか。今日、私を呼び出したみたいに。
プレゼントボックスを見ながらそんな事を考えていたら、身体を起こした怜央に突然肩をつかまれた。驚いて振り向くと怜央が私の顔を見つめていた。
「何?」
私はとっさにファイティングポーズを作って固まる。すると怜央が少し困った様に視線をさまよわせてから溜め息を一つついた。
「お前さこの間、野田に呼び出されていたよな?」
「ああ。野田くんね」
野田くんとは同じスポーツ科の男の子だ。サッカー部に所属している。
「呼び出しって何だったんだよ? 噂では野田がお前に告白して振られたとか聞いたけれど」
怜央が低い声で言い出した。
「違うよ。私への告白じゃないから」
「違う?」
私は野田くんに呼び出された理由について説明した。
野田くんは私の親友、紗理奈の事が好きだったのだ。英数科の紗理奈とは接点がなく、私に取り次いで欲しいとお願いをしてきたのだ。
けれども紗理奈は英数科に力也くんという彼氏がいる。野田くんはそれを知っても気持ちだけは伝えたいと言って来た。そんな事から野田くんの紗理奈への告白に立ち会った事があった。振られるのは分かっていた野田くんだったけれど、どうしても伝えたかったらしくてすっきりとした顔で去って行ったのだ。
その後クラスメイトに、野田くんが告白したのは私だと勘違いされたのだ。
「振られたのは野田くんなのに、勘違いされた事を平謝りしてくれて。良い人だよね野田くんって。あれ以来、野田くんとは何となくよく話す様になったんだ」
「紗理奈って松本が告白の相手かよ……サド好きなのか野田って。しかしエロ話ばかりする野田が良い人ねぇ……それだけか?」
前半何かぼそぼそとつぶやいた怜央が再び私に確認をする。
「それだけよ。大体私は告白されるようなキャラじゃないし」
スポーツ科の男子の中で怜央が際立って人気がある様に、女子にも可愛い子がいる。例えば先程話題に上がった女子バレーボール部の安原 緑さんとか。そういった女の子はよく告白され、彼氏がいたりするけれども私はそういった事と無縁だった。
(シルバーメダルコレクター、無表情で無冠の女王なんて、あだ名がついているからかな)
陸上大会でもいつも銀メダルばかりの私は、次第にどんな顔をしていいのか分からなくなっていったのだ。悔しがれば良いのか、喜べば良いのか。中学時代から悩んでいる内に無表情が定着してしまった。いつも写真が掲載される新聞や雑誌には銀メダルを片手に無表情で写る私が定番だった。無愛想、可愛げがない、なんだか偉そうな感じがする。一般の人からも仲間からもそんな事を言われる様になっていた。
だから「シルバーメダルコレクター、無表情で無冠の女王」と、呼ばれるのだろうか。
野田くんとの出来事を説明すると怜央は、安心した顔をしてベッドに勢いよく横になった。大きな片手で自分の顔を覆うと再び溜め息をついた。
「野田と仲良くしているとか聞いたから、まさかと思って。野田も油断ならないし。安原がお前が野田の前ではよく笑っているって言うから。焦らせやがって」
「そうだったかな?」
安原さんも野田くんも同じクラスだしよく話す方だけれども。そんなに笑っていただろうか。記憶をたぐり寄せていると再び怜央が起き上がり私の顔を横からのぞき込んだ。
「わっ」
私は地味に驚いて目を丸める。先程から落ち着きのない怜央だ。私は肩に触れるか触れないかのショートボブの毛先が揺れた。
怜央の長い前髪から覗く一重が私の顔をじっと見つめている。怜央の瞳は人より黒っぽい。真っ黒の瞳に私の顔が映っているのが見えた。怜央は無表情のまま私を見つめてそれから形の良い唇をゆっくりと開いた。
「お前さ。俺の事が好きだろ?」
「…………えっ」
一瞬何を言われたのか分からなくて口を開けたままの間抜けな顔になった。数秒して質問された意味を理解し思わず声をひっくり返してしまう。
幼なじみの女の子に「明日香は怜央の事、好き?」と何度質問されても動揺せず「幼なじみとして好きだよ」と答える事が出来るのに。まさか当の本人から質問されるとは思っていなかったのであっという間に私は顔を朱色に染めてしまった。
瞬時に染まった私の顔を見た怜央が満面の笑みを浮かべた。
「やっぱりな。前からそうじゃないかと思っていたんだ」
「なっ、なっ、なっ。ち、ち、ち」
何でよ違うから。
一言なのに、震えて告げる事が出来ない。私は恥ずかしくて両手で顔を隠し、その場でカタツムリが自分の殻の中に入る様に小さく身体を縮めた。
最・悪!
先程まで「この恋心を諦めないといけない日が来る」とかポエムじみた事を考えていたのに。何でこんな簡単にバレてしまうの。そして諦めないといけない日が突然やってくるの。
この場をどう取り繕って良いのか分からず私は半泣きになっていた。そう思った時だった。私の頭の上で怜央の声が聞こえた。
「俺の事好きなら、付き合おうぜ」
「え」
今、私は何を聞いたのだろう。表情の乏しい私が目一杯驚いた顔が相当おかしかったのか怜央は私の顔を見て吹き出していた。
「久しぶりに見た明日香のそんな顔。お前でもそんな顔をするんだな。美人のフリだけだな。驚いたり焦ったりするのは昔から変わっていない。可愛いよ」
「び、美人……えっ。かっ、かっ、可愛いって……え?」
怜央にからかわれているのだろうか。聞いた事のない言葉が次から次へと聞こえてくる。
美人? 可愛い? そんな事言われた事もなかったし、いつの間に怜央はサラリと言える様になったのだろう。頭の上から湯気が出そうなくらいテンパっている私の頬を、そっと撫でると怜央は優しく笑った。
「俺は明日香とならいいって思うし。いや、明日香だからかな」
そう言って怜央は白い歯を見せて笑い、私の目尻の涙を親指で拭ってくれた。
一生、怜央とは単なる幼なじみとしての関係だと思っていたのに。
突然怜央からの提案で恋人同士になった。その事実は広まり、次の週には学校中の一番の話題となっていた。
──明日香とならいいって思うし。明日香だからかな──
その言葉がどんなに私を舞い上がらせた事か。怜央と恋人同士の関係になるなんて一生ないと思っていた私はその夜、うれしすぎて眠る事が出来なかった。
だけれど、幼なじみという関係にも駆け引きが存在していたのだ。
努力しても結果を残せない私と、結果を残して認められていく怜央。
遠くなってしまった怜央。自分でそう感じていたくせに、彼氏になったならば私が想う怜央でいてくれると思ったのだろうか。
何も分かっていない馬鹿な私。
怜央から「好きだ」と言われていないのに。そんな事にも気づいていないのだから。
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