怪夢

カンザシ屋小噺支店

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『小休憩:Ma』

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ゲームセンターの隅、背の高い椅子に腰掛け二人、背中合わせに座り呼吸を感じ、ただただ時間を刻む、[ここに言葉は要らない] そう深く感じた。

フードを深く被った相手は、性別も顔も不確かだが、不思議な事に実の母では無いと分かり得ていながらも、静かに、暖かな沈黙を愛として与える"母親"であると確信していた。

心地良い沈黙に身を任せ、母親の温もりを感じ、幸福に幸福を重ねて行く、何という贅沢。

クレーンゲームの電源は落とされた、周囲は薄暗く空気を変える、男は席を立ち再び歩み出す、ギターケースを満たす為に。
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