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第4章 ポテンシア王国に走る衝撃
そのニュースは国境の町に届く
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ポテンシア王国の第四王子ルイスが第二王子のユリウスを殺害した。旧パース領はルイス支配のもとでパースの貴族に統治を戻すことになったというニュースは、ポテンシア王国中を一瞬で巡った。
それは国境の町も例外ではなく、レナが働くバール「アウル」にも早速情報が伝わってくる。
「まさか、王子の中でも一番政治や権力に興味の無さそうなルイス様が、ユリウス様を討つなんてね……」
マーシャが号外を手に驚いていると、マリヤは、「もう、何が起きるか分からない世の中ってことよ」とカウンターで頬杖をついて明日の我が身を憂いていた。
「いよいよ、ポテンシア中が戦地になる可能性が強くなって来たわねえ」
ミミは店内の掃除を終わらせてそろそろ自分たちも新しい場所を求めて旅立たなければいけないのかもしれないと、漠然と思っている。その3人の様子を見ながら、レナはひとりで全く別のことを考えていた。
(何故、ルイス様がパースにいたユリウス殿下を討ったのかしら……。そこには、カイが仕事で行っていたはず……)
まさか、ルイスとカイは今でも繋がっているのだろうか。以前ルイスがユリウスは酷い政治をすると言っていたが、それと関係があるのかもしれないと、一連のニュースに想像を働かせていた。
もしもルイスがレナの知っているルイスのままであれば、理由なくユリウスを討ったりはしないはずだった。残念ながら、レナの知らないところでそれは全く違ってしまっているが。
「ねえ、エレナは……このままこの国がどんどん争いに巻き込まれて行ったら、どうするの?」
不意にマーシャに聞かれて、レナはそれまで考えていたことから現実に戻って来る。
「争いに巻き込まれて行ったら……」
現実味を帯びたその言葉に、レナはどう答えるのが良いのか分からずにいた。レナには、どうするもなにも選択肢はない。
生きるためには仕事をしなければならず、どこかの国に逃げるにも当てがなかった。加えて、ブリステ公国のハウザー騎士団の誰かを頼ろうと思っていたのに入国制限にあって叶わずにいる。
「私には……何もないわ。ブリステに入ることができない限り、どうすることもできないもの」
レナは、「アウル」にブリステ公国から客が訪れる度に、どうしたらブリステに入国ができそうか尋ねて回っていた。
客は大抵喜んでレナに話をしてくれたが、ブリステ公国に入国するためには、今はブリステ人の家族がいなければ難しいだろうなと、誰からも当たり前のように言われてしまった。もう、レナがブリステに入国する道は、残されていないらしい。
「希望を捨てないで、私の大切なエレナ。あなたは毎日ステージに立って、多くの人を勇気づけて来た。多くの人が、あなたが生き別れた恋人を想っている事実を知っているわ。きっと、大丈夫よ」
マリヤがレナを抱きしめて言った。本心から、マリヤは『エレナ』に幸せになって欲しいと願っている。
「ありがとう、マリヤ」
レナが寂しそうに微笑むと、ミミがからかうように、「あんたの美男な恋人を見せてもらわないと、心残りで仕方ないわ」と付け加える。
レナはミミに向かって、「あら、私の話を疑っていたのね?」と言って含み笑いをした。
マーシャは、「疑ってはいないけど、どの程度の美男なのかは気になるじゃない?」とミミに付け加えた。
レナは、確かにそれは一理あるなと3人を見る。
本当は恋人ではないにしても、3人がカイを見たらどんな反応をするのだろうか。
「美男かどうかなんて、主観だものね」
レナが言うと、マリヤは抱きしめていたレナをくすぐって、「逃げ道作ってんじゃないわよ」となじる。
レナは笑いながら「ごめん」と言ったが、いつまでもこんな日が続けば良いのにと寂しさを紛らわせるのに必死だった。
それは国境の町も例外ではなく、レナが働くバール「アウル」にも早速情報が伝わってくる。
「まさか、王子の中でも一番政治や権力に興味の無さそうなルイス様が、ユリウス様を討つなんてね……」
マーシャが号外を手に驚いていると、マリヤは、「もう、何が起きるか分からない世の中ってことよ」とカウンターで頬杖をついて明日の我が身を憂いていた。
「いよいよ、ポテンシア中が戦地になる可能性が強くなって来たわねえ」
ミミは店内の掃除を終わらせてそろそろ自分たちも新しい場所を求めて旅立たなければいけないのかもしれないと、漠然と思っている。その3人の様子を見ながら、レナはひとりで全く別のことを考えていた。
(何故、ルイス様がパースにいたユリウス殿下を討ったのかしら……。そこには、カイが仕事で行っていたはず……)
まさか、ルイスとカイは今でも繋がっているのだろうか。以前ルイスがユリウスは酷い政治をすると言っていたが、それと関係があるのかもしれないと、一連のニュースに想像を働かせていた。
もしもルイスがレナの知っているルイスのままであれば、理由なくユリウスを討ったりはしないはずだった。残念ながら、レナの知らないところでそれは全く違ってしまっているが。
「ねえ、エレナは……このままこの国がどんどん争いに巻き込まれて行ったら、どうするの?」
不意にマーシャに聞かれて、レナはそれまで考えていたことから現実に戻って来る。
「争いに巻き込まれて行ったら……」
現実味を帯びたその言葉に、レナはどう答えるのが良いのか分からずにいた。レナには、どうするもなにも選択肢はない。
生きるためには仕事をしなければならず、どこかの国に逃げるにも当てがなかった。加えて、ブリステ公国のハウザー騎士団の誰かを頼ろうと思っていたのに入国制限にあって叶わずにいる。
「私には……何もないわ。ブリステに入ることができない限り、どうすることもできないもの」
レナは、「アウル」にブリステ公国から客が訪れる度に、どうしたらブリステに入国ができそうか尋ねて回っていた。
客は大抵喜んでレナに話をしてくれたが、ブリステ公国に入国するためには、今はブリステ人の家族がいなければ難しいだろうなと、誰からも当たり前のように言われてしまった。もう、レナがブリステに入国する道は、残されていないらしい。
「希望を捨てないで、私の大切なエレナ。あなたは毎日ステージに立って、多くの人を勇気づけて来た。多くの人が、あなたが生き別れた恋人を想っている事実を知っているわ。きっと、大丈夫よ」
マリヤがレナを抱きしめて言った。本心から、マリヤは『エレナ』に幸せになって欲しいと願っている。
「ありがとう、マリヤ」
レナが寂しそうに微笑むと、ミミがからかうように、「あんたの美男な恋人を見せてもらわないと、心残りで仕方ないわ」と付け加える。
レナはミミに向かって、「あら、私の話を疑っていたのね?」と言って含み笑いをした。
マーシャは、「疑ってはいないけど、どの程度の美男なのかは気になるじゃない?」とミミに付け加えた。
レナは、確かにそれは一理あるなと3人を見る。
本当は恋人ではないにしても、3人がカイを見たらどんな反応をするのだろうか。
「美男かどうかなんて、主観だものね」
レナが言うと、マリヤは抱きしめていたレナをくすぐって、「逃げ道作ってんじゃないわよ」となじる。
レナは笑いながら「ごめん」と言ったが、いつまでもこんな日が続けば良いのにと寂しさを紛らわせるのに必死だった。
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