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第11章 歴史を変える
恋の正体 1
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「まあ、貴女が本人なのは最初に見た瞬間に分かった。久しぶりに見ても、本人かそうでないかというのは分かるものなのだな」
ルイスは椅子に腰掛けると、その場所から離れたところに立つレナをじっと見つめている。
「生きていると分かったのに、素直に喜んで迎え入れなかった私は、婚約者失格か」
ルイスは頬杖をついて力なく笑った。いつの間にか恋仲になっていたらしいカイとレナを問いただすつもりもない。
「もう彼女の婚約者は私ですから、そこをどうこう言うのは止めましょう」
「なし崩し的に自分のものにしようとするなよ、ハウザー団長」
嫉妬心が湧いてこなかったとしても、それとこれとは別らしい。
カイは苛立ちから薄目でルイスを見つめた。その顔にブラッドが苛ついている。
「この空間、おかしすぎると思うんですよね、僕」
レオナルドが全体を見渡して、隣に立つレナに言った。レナは改めて全員を見る。
「どうして?」
「全員、ほんの1年前に思い描いた未来から、随分ずれた人生を歩いているじゃないですか」
レオナルドの言葉にレナがしみじみと頷くと、「ブラッドは……」と一度言いかけてはっとする。
「王女殿下……私が未婚なのは、別に思い描いた未来からずれたわけじゃありません」
「ごめんなさい、私、無神経なことを」
「それが一番無神経です」
ブラッドがルイスの隣に立って複雑な表情をしていると、レナの隣……レオナルドとは逆側に立つカイがレナの頬に手を置いた。
レナはその手に自分の手を重ねてカイを見て微笑む。
「なんでこの状況で2人の世界に浸ってんですか……」
ブラッドはうんざりした。カイだけは女性関係で浮いた話など出てこないだろうと安心していたが、そんなことはなかったらしい。
「何しに来たんだい」
ルイスは冷静に言った。レナとカイは見つめ合ったまま目を見開いて気付く。
「こんなところまで来て何やってるのかしら、私」
「……勘弁してくれるかな」
ルイスは眉間に皺を寄せて渋い顔をした。
*
レナはこれまでのことをかいつまんで話した。
争いを避けるために姿を消したこと、そのためにルイスに負担をかけてしまったこと、カイが自分を見つけに来てくれたこと——。
「ルイス様と婚約を決めていた時から、カイのことが好きだったんです。でも、国のために諦めるつもりでした。それが、どれだけ間違っているかも分からずに」
「間違っている……。私は、貴女がハウザー団長を囲おうと黙認するつもりだったが」
「そんなの、きっと破綻してしまうわ。だって、好きな人としかいたくないと願ってしまうもの」
レナが真っ直ぐな目で言うと、ルイスは苦笑した。
「私はね、兄を殺してその妻たちを自分の側室に迎えた。貴女の理論で行くと、好きな人ではなかったが、今は共にいる。軽蔑するかな?」
ルイスの口調がこれまでよりも穏やかになったので、レナは驚いて嬉しそうに笑う。
「その方々をちゃんとお好きでいらっしゃるようだわ。安心しました」
ルイスはレナの無邪気な笑顔に、本来はこんな顔で笑う女性だったのだなと驚いた。
「私は、貴女のことを理解できていなかったのかな。つい先ほどまで、私にとって貴女は永遠の女性だったはずなんだ」
レナは、軽く首を傾げた後で口を開く。
「恐らく……」
レナはカイの腕にしがみついた。
「私が本当の自分でいられるのは、カイ・ハウザーという男性の隣にいるからです」
「へえ、言ってくれるじゃないか」
ルイスは苦笑するとレナを見つめる。
ルイスは椅子に腰掛けると、その場所から離れたところに立つレナをじっと見つめている。
「生きていると分かったのに、素直に喜んで迎え入れなかった私は、婚約者失格か」
ルイスは頬杖をついて力なく笑った。いつの間にか恋仲になっていたらしいカイとレナを問いただすつもりもない。
「もう彼女の婚約者は私ですから、そこをどうこう言うのは止めましょう」
「なし崩し的に自分のものにしようとするなよ、ハウザー団長」
嫉妬心が湧いてこなかったとしても、それとこれとは別らしい。
カイは苛立ちから薄目でルイスを見つめた。その顔にブラッドが苛ついている。
「この空間、おかしすぎると思うんですよね、僕」
レオナルドが全体を見渡して、隣に立つレナに言った。レナは改めて全員を見る。
「どうして?」
「全員、ほんの1年前に思い描いた未来から、随分ずれた人生を歩いているじゃないですか」
レオナルドの言葉にレナがしみじみと頷くと、「ブラッドは……」と一度言いかけてはっとする。
「王女殿下……私が未婚なのは、別に思い描いた未来からずれたわけじゃありません」
「ごめんなさい、私、無神経なことを」
「それが一番無神経です」
ブラッドがルイスの隣に立って複雑な表情をしていると、レナの隣……レオナルドとは逆側に立つカイがレナの頬に手を置いた。
レナはその手に自分の手を重ねてカイを見て微笑む。
「なんでこの状況で2人の世界に浸ってんですか……」
ブラッドはうんざりした。カイだけは女性関係で浮いた話など出てこないだろうと安心していたが、そんなことはなかったらしい。
「何しに来たんだい」
ルイスは冷静に言った。レナとカイは見つめ合ったまま目を見開いて気付く。
「こんなところまで来て何やってるのかしら、私」
「……勘弁してくれるかな」
ルイスは眉間に皺を寄せて渋い顔をした。
*
レナはこれまでのことをかいつまんで話した。
争いを避けるために姿を消したこと、そのためにルイスに負担をかけてしまったこと、カイが自分を見つけに来てくれたこと——。
「ルイス様と婚約を決めていた時から、カイのことが好きだったんです。でも、国のために諦めるつもりでした。それが、どれだけ間違っているかも分からずに」
「間違っている……。私は、貴女がハウザー団長を囲おうと黙認するつもりだったが」
「そんなの、きっと破綻してしまうわ。だって、好きな人としかいたくないと願ってしまうもの」
レナが真っ直ぐな目で言うと、ルイスは苦笑した。
「私はね、兄を殺してその妻たちを自分の側室に迎えた。貴女の理論で行くと、好きな人ではなかったが、今は共にいる。軽蔑するかな?」
ルイスの口調がこれまでよりも穏やかになったので、レナは驚いて嬉しそうに笑う。
「その方々をちゃんとお好きでいらっしゃるようだわ。安心しました」
ルイスはレナの無邪気な笑顔に、本来はこんな顔で笑う女性だったのだなと驚いた。
「私は、貴女のことを理解できていなかったのかな。つい先ほどまで、私にとって貴女は永遠の女性だったはずなんだ」
レナは、軽く首を傾げた後で口を開く。
「恐らく……」
レナはカイの腕にしがみついた。
「私が本当の自分でいられるのは、カイ・ハウザーという男性の隣にいるからです」
「へえ、言ってくれるじゃないか」
ルイスは苦笑するとレナを見つめる。
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