売られて嫁いだ伯爵様には、犬と狼の時間がある

碧井夢夏

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閑話

登場人物紹介

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登場人物が多くなってきたので、次章に入る前に現在までの人物をおさらい。

■アイリーン・クライトン
18歳。163㎝ 52㎏

クライトン子爵家の令嬢。もともと美しく生まれたが、父親に賭博場に連れ回されているうちに多くの男性の視線を浴び続けるようになり、図らずも色気を纏うようになってしまった。表情もどこかセクシーで、クリスティーナより凹凸がハッキリした体型なのが大きく違っている。
父親のクライトン卿は戦争が始まった途端に足を負傷して兵役を逃れる。功績を上げられずストレス状態だった父親と、戦時中で経済状態が良くないことにストレスを感じている母親から日常的に虐待されていた。
母は恵まれた容姿のアイリーンに嫉妬していたが、富豪に嫁がせる際に高額で売りつけようと思っていたため服からは見えない場所だけを狙って虐待を繰り返していた。その古傷を最初から分かっていた屋敷の人狼たちは主人と同じような傷だらけの花嫁が来たと思って迎え入れている。
親に連れ回されて見世物になっていたため男性が苦手だが、大好きな動物との触れ合いを通して優しく育ち、好奇心も旺盛。大きな犬を飼っていたので狼も守備範囲らしい。狼のユリシーズを物凄く気に入っている。
元々は金髪碧眼だが、クリスティーナと入れ替わったため赤毛に染めている。

※名前はIを「アイ」と読ませる英語名がいいなーと思ってアイリーンに。ということでこちらのアイリーンの綴りはIrene。フランス語だとイレーヌになります。ジョージ・マクドナルド作『The Princess and the Goblin』のアイリーン姫と同じだったのもいいなと。


■ユリシーズ・オルブライト
24歳。182㎝ 73㎏

伯爵の爵位を持つ。戦争中は軍曹として歩兵部隊を率いており、その功績が恐れられて「死神伯」という通り名が生まれた。
一族の中でも圧倒的な身体能力を持つ人狼。昼と夜で人格が違い、夜は獣人化する。自身の昼の姿をDies(ラテン語で「昼」)、夜の姿をNox(ラテン語で「夜」)と区別している。
オルブライト家は代々人狼の家系で、ユリシーズは人狼の血が一族で一番濃く出たため人格までハッキリと分かれた。
満月の夜と新月の夜に身体が狼化して血を求めて彷徨う習性があるが、前夜に生き血を飲んでおくとその衝動が抑えられ、狼化を防ぐことができる。黒魔術を使って夜の姿を封じた時は人間の姿でも生き血を求める本能が出てしまい、血を浴びることによって人狼の能力が効率的に利用できた。満月と新月の夜は銀の武器以外で傷つけることはできない強靭な肉体に変わる。(※人狼伝説にそういう説があるのでそのまま活かしました)
黒髪、黒毛の人狼。目の色は銀色。暗闇でも目は見えるが、視力よりも嗅覚と聴力が並外れているため気配で大体の物を把握できる。
アイリーンにはひと嗅ぎ惚れ状態で大好物な匂いだった様子。初期からディエスはムッツリ系の妄想派でノクスはハッキリとしたタイプ。夫婦関係が進展してからはディエスも心の内を隠さなくなった。

※名前の由来はギリシア神話の英雄オデュッセウスの英語名から。読む者を拒むと言われるジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』は残念ながら未読のためノーコメントです。
こちらもアイリーンと同じように頭の字をUでユーと読む名前が良いなと思ってUlysses。
アイリーンの「I」とユリシーズの「U」、は英語で「私」と「あなた(youの意味)」になります。


■クリスティーナ・フリートウッド
19歳 162㎝ 50㎏

フリートウッド公爵家の次女。皇帝からの評価が高く、アイリーンの名で第四皇子に嫁ぐ。
皇族に嫁ぐために英才教育を施された才媛だが、両親の関心は愛情よりも家系にとっていかに有能かでしかない。ずっと息の詰まる毎日を送っていた。
アイリーンに出会い、天真爛漫なところに惹かれる。短い期間しか一緒に過ごしていないアイリーンを「わたくしの片割れ」と言って大切に思っている。
姫らしく高貴な振る舞いをするが、気が弱く、怖がりで身体も弱い。
アイリーンとよく似た顔をしており、地毛は赤毛。現在は脱色して金髪になっている。目の色は水色。

※クリスティーナとはキリスト教徒の、という意味ですが、この世界にキリスト教はないはず・・です。


■ペトラ・ウィンフィールド
17歳 162㎝ 48㎏

人狼。ユリシーズの従妹でずっとユリシーズと結婚したいと言っている粘着系。
男装をして荒っぽい話し方をするのは長い反抗期のためだと思われる。
ユリシーズに惹かれていたのは圧倒的な力。権力と腕力が大好物。優しさが取り柄の父親と結婚した母親のことが心底理解できない。権力主義のためつけ入れられ、公爵家に利用された。


■ミレイ・ウィンフィールド
37歳 158㎝ 46㎏

ユリシーズの叔母。少女のような可憐な見た目でほんわかした雰囲気の人狼。オルブライト家で厩務員をしていた心優しい現在の夫にベタ惚れして結婚している。
家でも夫にベタベタなのでペトラに疎まれているが本人は気にしていない。
オルブライト家では気が向いた時に裁縫などの仕事をしているが、仕事をしなくても生活はできているため、ただ夫の職場にいたいだけ説が噂されている。


■ジュディ・ワイルド
48歳 167㎝ 62㎏

オルブライト家のメイド長。厳しくて優しい。本人は人間だが人狼の料理長とは夫婦関係でシンシアの母。
職場のオルブライト家ではシンシアの上司。娘だからといって特別扱いはしない。職場ではしっかりしているのに家では相当抜けており、自宅の家事は大抵夫の料理長が担当している。茶髪、眼の色は茶色。


■シンシア・ワイルド
17歳 160㎝ 49㎏

明るくてはきはきとした元気娘。白い耳と白い尻尾を持つ人懐こい人狼。
愛想が良いので笑顔を振りまき、その明るさにやられる男性もいるらしい。母親であるジュディが職場で上司の態度で厳しいので周りから心配されているが、本人はいたって普通。
髪の毛は栗色、眼の色は茶色。アイリーンに懐く。


■ザッカリー・ワイルド
46歳 178㎝ 88㎏

オルブライト家の料理長。白い毛を持つ人狼。人の姿の時は白い髭を蓄えている。鋭い嗅覚を活かした料理を作る。シンシアの父でジュディの夫。白髪交じりの灰色の毛。目の色は灰色。
器用なタイプで比較的なんでもできる。シンシアはザッカリー似。
アイリーンによるボール投げが行われた時、誰よりも頑張って走っていたのを屋敷のみんなに目撃されている。シンシアとは仲良し親子だが、職場ではあまり接点がない。


■ヘクター・バートレット
67歳 176㎝ 59㎏

オルブライト家の執事。灰色の人狼。髪も目も灰色。頭が良く計算が早い。
領地経営の数字も全て把握しており、オルブライト伯爵領はバートレットがいなければ潰れている。
全ての使用人をまとめている敏腕のはずが、いつも主人のユリシーズ(主にノクス)に振り回されている。あまり他人と親しくしないタイプだが、料理長のザッカリーとは比較的馬が合うらしい。
若者に譲ろうとアイリーンによるボール投げには参加しなかったが、ユリシーズはじめ屋敷の人狼たちが入り乱れて楽しむ様子を見て嫉妬と後悔の念に地団駄を踏んだらしい。
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