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燈坂 もと

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ゲーム

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それは毎日、唐突に始まる。
攻からの突然のゲームの提案。


「俺、今からパー出すから。じゃんけんしよ。」
「えっ。急になに。」
「じゃーんけーん」
「えっ、えっ?!」
「ぽん!」「ぽ、ぽんっ!」

突然始まるゲームはいつも簡単なモノで。

ちょっと頭を使えば勝ててしまう様なそんなゲーム。
攻は俺に毎日の様に吹っ掛けてきては俺は頭の処理が追いつかなくて負ける、というのを繰り返していた。
今も放課後ふたりで話をしていて何の脈絡も無く始まったストレートに行けば勝てるじゃんけんを物凄い勢いで開始され。
パーを出すという情報があったのに俺は思わずグーを出してしまったのだ。

「俺の勝ち。チョキ出してれば勝てたのに。」
「や、なんか……咄嗟に出たのがグーだったんだよな……え、なんか悔しい。」

攻がパーをだす。
分かっていた事なのに手が自然にグーになっていた。

俺の意識はどう頑張っても攻に勝てない様に出来ているらしい。
まあそうだろう。俺は攻に片思いをしている。
気持ちに気付いて、かれこれ半年は経っているんじゃないだろうか。
この気持ちを伝えたら今の関係を壊してしまいそうで怖くて俺は気持ちは伝えずに、このままでいようと思っている。

「じゃあ……今から俺が喋った後に絶対『いいよ』って言って?言えなかったり、それ以外の言葉を言ったら受の負けな?」
「……っ!い、『いいよ』!」

この最初の問いに『いいよ』と言えなければ負けだと必死に返したら、攻がド級のかっこいい笑顔をくれた。
有難うございます。かっこいい。眼福。

「……ははっ。引っ掛かんなかった。……じゃ、俺と、ゲームして?」
「……『いいよ』」
「おっ!いいね!……俺の宿題、手伝って?」
「……っ?!……『いいよ』……?!」
「ラッキー✌️後で、俺ン家な。宿題手伝う時、俺の部屋で俺の横に座って?」
「……『いいよ』」
「ふぅん。……そ。……じゃ、家行く前に今、横、座って……い?」
「『いいよ』」
「……うん。そっか。ありがと。……よいしょ。」

机を挟んで俺の前にいた攻が立って俺の横に椅子を持ってきて。
ぴっとりとくっくつ状態で座った。
俺的には嬉しいけど……ち、近すぎないか???

す、と攻の両腕が俺の肩にのっかって。
攻の手が俺の頬をなぞった。

(え、ちょ、な、どういう、状況???)

「……ね。受……?俺と……付き合って……?」

これはゲームか?本気か?
訳が分からんが「いいよ」って言って「なに言ってんの」って言われたら「ゲームだから俺の勝ちだろ!」って逃げれるなって思って半年分の想いをゲームにかこつけて思わず吐露してしまった。

「……い、いよ」
「……っ。嬉しい……大事に、する。……じゃあ……ここに、キス、して、いい……?」
「……っ。……いい、よ……ん、」

(……これは、夢か?幻か???)

攻の口唇が俺の口唇にゆっくり重なって。
ありえない現実に頭が追っついていかない。

「……ん、……受……好き……」
「……俺、も。……ふ、」
「受の、負け。……罰ゲーム、な。」
「……へ……?」
「……今日と明日、俺の家……一日中、誰も居ないんだよね。明日は土曜日だから。罰ゲーム、沢山……しよっか。家に外泊の連絡、して?……さ!かえろー!」
「へ、ちょ、攻……?!どういう、事」
「……受と……罰ゲーム。沢山、したい。……いい?」

この後の事が容易に想像できる甘い空気に、心臓がいたい。
でも、この機を逃すと後悔する気がして。

俺は、攻に向かって「……いいよ。」って返事したら攻が満面の笑みで俺に近づいて耳元で「今日は、付き合った記念日だね。いっぱいお祝いして、いっぱい受の事教えて」って急に囁くから、爆発してしまった。



<終>

攻は受がずっと好きで何とかして変な空気にせず、えっまで持って行こうと策略して見事受をゲットしたそんなお話。攻の勝利でした。



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