<完結> βの俺が運命の番に適うわけがない

燈坂 もと

文字の大きさ
81 / 107
< 本編 >

81. 執務室と寮の部屋でキミと

しおりを挟む




その日の授業が終わって、祥くんは遼とクラス担当の教授のところに用事があるから、少し遅れてから来る、と聞いていたので俺はひとりで生徒会室に向かった。

生徒会室へ向かう途中で、スマホを手に取り咲耶にチャットを飛ばした。
すぐに既読はついたけど、咲耶からの返信はなくて。
見る気力はあるけど返信するまでは難しいんだろうなと思って気にならなかった。

最近、何だか変だったのは体調が悪かったからだろう。
前の、元気な太陽みたいに笑う咲耶に会いたくて。
早く良くなれ~とスマホに向かって念を送った。

課後業務中は各々の部屋に直行して仕事を行うため、生徒会室は誰もいないだろうなと思いながら、目の前の生徒会室の扉にノックをしようと手を上げた途端に扉が開いた。
開いた先には、俺の大好きな婚約者がいて。
俺の顔は思わず綻んだ。

「……!……ふふ。自動ドア、みたい。ありがとう。」
「君の自動ドアになれるのなら本望だ。さ、執務室へ行こう。」

彼の手が俺の腰を引き寄せて、密着したまま執務室へ移動した。

ついさっきまで、重なっていた彼の身体が近くにある事に……お腹の奥がきゅ、と、なる。俺の身体がまだ、物足りない、って言ってる様で……でも、今日はこれ以上はしない、って決めたから、心を鬼にしなきゃいけない。
時折、移動中に頭頂部の匂いをすんすん嗅がれて、吃驚して彼を見やると「いい匂いがする、ずっと嗅いでいたい」と、うっとりした恍惚な表情で言われて色々爆散しそうだった。
あまーい!めちゃくちゃにえっちな事したくなっちゃう……!やめて欲しい……!

何とか彼の誘惑(?)を掻い潜り、執務室へ到着してすぐ、俺は圭介さんに物申そうと口を開いた。

「ね、圭介さんに、おこ、しなきゃいけない事があるんだけど……聞いてくれる?」
「……?……おこ、とは……?……怒る、という事か……?何かな、君に怒られる事をした記憶は……微塵もないが……聞こうか。士郎は、何に怒っているんだ?」
「……こ、これ!この首の……!コレは……ダメだと……思う……!」

襟元の赤い跡を彼に見せて、俺は彼に訴えた。
クラスの子にも、道ゆく人々にも、赤い顔でじ、っと見られて……俺は恥ずかしさで耐えられなかったのだ。

「……なんだ、キスマークの事か。俺のモノだって、知らしめたくてな。これでも付けたりないんだが……ダメだったのか?」
「ひょえ……!まだ付けるつもり、だったの……?!こんな……見えるところに、付けちゃだめダメ……!さっきのえっちの時は……感覚がぽわぽわしてて付けられてるの……全然、気付かなかった……」
「ふふ。士郎……大胆だったもんな……かわいかった……今夜も、後ろからも前からも俺ので沢山突いて、ぽわぽわしたところでキスマークを付ける予定だったが……今夜は、しない、もんな?」
「……っ!そ、そうだよ、しない……!」
「ふーん?ま、いいが。早急に終わらせて、俺の部屋へ行こう。君との時間を出来るだけ沢山確保したい。さ、業務をしよう。士郎、このデータをこっちの資料通りに整理してくれ。」
「わ、わかりました!」

……あれ?もっと誘惑が……あるかな、と思ってたのに……全然、だったな。ちょっと……物足りない、なんて。
俺からえっちはしない、って言っておきながら、何て勝手なんだ俺。
さっき移動中に軽く触れられたせいで、少しお尻が湿ってビリビリしているのを隠しながら、俺は課後業務に勤しんだ。
いや、もう、俺の身体……えっちしたくてしょうがなくなってきている……!


課後業務が終わって、圭介さんの部屋に移動をした。
圭介さんの部屋は執務室の横の仮眠室にある扉を開けると寮へ繋がる通路があった。

この移動中も腰に手を添えられて……頭頂部を偶に嗅がれて……俺は、ゾクゾクしながら下半身が反応してるのをバレない様に身動ぎして移動した。

激しい事は何もされてないのに、身体がぽわぽわし始めてる。ど、どうしよう……えっちしないって気持ちが……揺らぎ始めてる……ヤバい……!



「……わ!圭介さんの部屋……広い……!」
「ひとり部屋で、俺以外誰もいないから……好きに使ってくれ。と言っても、俺は士郎と離れるつもりはないから……ずっと一緒に……くっついて、いたい……士郎、おいで……?」

おいでって言葉に……俺は、弱い。
ベッドに座った彼は手を広げて俺の受け入れ体制は完璧だった。
そんな彼の膝の上に足を広げて乗り、ぎゅ、と抱きつく。
じんわりと触れ合ってるところから愛しさが込み上げる。

彼から……長い、長い溜息が聞こえた。

「今日も、長かった……やっと、ゆっくり……君に触れられる……」
「ふふ。おつかれさま……圭介さん……だいすき……」
「……俺もだ……ん、」

口唇を塞がれて、ちゅ、ちゅ、と啄まれて。
舌を絡めたくて口を開いた時に、彼の顔が俺から離れた。

「……士郎……?勉強、しようか。ポイントを教えよう。寝室だと、集中できないだろうから……ダイニングへ行こう。俺の首に捕まって?連れて行こう。」
「……へ……は、はい……!分かり、ました……!」


えっちを、しないと決めたのは俺だ……!俺だけど……!

何だか、生殺しの気分……!!!




しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

αが離してくれない

雪兎
BL
運命の番じゃないのに、αの彼は僕を離さない――。 Ωとして生まれた僕は、発情期を抑える薬を使いながら、普通の生活を目指していた。 でもある日、隣の席の無口なαが、僕の香りに気づいてしまって……。 これは、番じゃないふたりの、近すぎる距離で始まる、運命から少しはずれた恋の話。

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!? 学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。 ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。 智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。 「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」 無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。 住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

胎児の頃から執着されていたらしい

夜鳥すぱり
BL
好きでも嫌いでもない幼馴染みの鉄堅(てっけん)は、葉月(はづき)と結婚してツガイになりたいらしい。しかし、どうしても鉄堅のねばつくような想いを受け入れられない葉月は、しつこく求愛してくる鉄堅から逃げる事にした。オメガバース執着です。 ◆完結済みです。いつもながら読んで下さった皆様に感謝です。 ◆表紙絵を、花々緒さんが描いて下さいました(*^^*)。葉月を常に守りたい一途な鉄堅と、ひたすら逃げたい意地っぱりな葉月。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中

処理中です...