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食事
3.
しおりを挟む久々に会って昔の思い出話をしつつ、就職してからの聡太がどんな生活を送っていたのか気になった。
「仕事はどんな感じ?やっぱり大変?」
聡太は学生の時から夢だったホテルマンになりたくて、バイト先のホテルにそのまま就職した。
あの頃は一生懸命働く姿がキラキラしていて夢いっぱいという感じだったけれど、やはりバイトと社会人は違うもの。
苦労することもあっただろうな、と別れてしまった私が今さら心配しても何の役にも立たないけど、友人としてなら話を聞くくらいはできるだろう。
「ん~、まあ初めの頃は慣れるのに時間はかかったけど、今は自分でスタッフをまとめたり、お客様とのやりとりも任せてもらえたりして責任ある仕事が増えてきてるんだ。そのうち管理部門に行って経営も学んでみたいと思ってるところだよ」
聡太は嫌な顔せず、昔と変わらずキラキラした瞳で語ってくれた。その表情を見て少しホッとしたところもある。
近くで励ますこともできなくて辛いこともあっただろうなと胸が痛かったから。
「そうなんだ、ちゃんと夢に向かって着実に進んでるんだね。聞いて安心したよ」
「ありがとうな。そういう千春はどうなんだ?秘書になって大変そうだよね。大手だし」
「私の場合はそうでもないよ。まだまだ分からないことも沢山あるし先輩に助けてもらってばかりだから」
それに聡太みたいに夢があるわけじゃない。
おまけになんの因果か、昂良先輩にも再会してしまったし……。
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