先輩、お久しぶりです

吉生伊織

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招待

15.

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「悪い、そんなつもりで言ったんじゃなくて、なんなら俺のケーキも食うかって言おうとしただけで」

「いえいえ、クマちゃんは先輩が食べてください」

「いや、欲しかったらやるよ」

「いいですって!これ以上食べたら太っちゃうし」

「千春は太っても可愛いから大丈夫だよ」

「なっ!?」


変なところから声が出てしまった。

か、可愛いって!な、ななな何言ってるのこの人は!?
カァー!っと赤くなったのが自分でも分かるくらい顔が上気して、変な汗が出てきた。


さっきからむず痒くなるような甘い言葉ばっかり吐いて、私相手に本当どうしちゃったんだろ!?


「せ、先輩だって女性をあしらうの上手くなりましたよね」

「は?なんだよ急に」


本心で言ったかどうかは分からないけど、からかわれてるなら上手になったものだと感動すらしてしまう。
昔はぶっきらぼうで相手を喜ばせる言葉なんて聞いたこともなかったから。この5年で筋肉に磨きがかかったのと同じで、恋愛スキルも磨いてきたのかもしれない。


「前はそんなこと言うような人じゃなかった」

「何をだ?」

「太っても、か……可愛いとか……」


自分で言ってて恥ずかしくなる。
いや、お世辞に過剰に反応する私もどうかしてるけど。


「素直な感想を言って何が悪い」

「そういうとこですよ!私相手にそんなこと言ったことなんてなかったのに」

「勘違いしてると思うけど、千春は可愛いよ。ただ昔も今も生意気なだけで」
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