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第1章
第8話 剣と魔法と状況確認
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「ライフマジックがあるから水は大丈夫…」
最初から覚えていた数個の魔法の中にあったはず。
「問題は食料か…」
理希はアイテム一覧を表示させた。ゴーレムたちが回収を続けているから総数が増え続けている。
「おぉ、肉がある!」
ドラゴン関連の項目で目がとまる。
「RPGではドラゴンの鱗とか牙はお宝だったよねぇ。肉は美味いのかなぁ…。」
とりあえず焼けば、食べられないことはないと思う。
理希は手のひらをやや下に向けて構えた。
「燃え上がる空気…、アーエル・アルデスキト」
やはり最初から覚えていたライフマジックの呪文を唱える。
「バンファイア」
床の上に焚火のような炎が出現する。
理希はブラックドラゴンの肉をひとかけら…、といっても一人で食べるにはかなり大きな肉を取り出すと、火の中に放り込んだ。
「水は入れ物が必要だな…」
アイテム一覧を再確認すると、木製のコップというのを見つけた。早速取り出し、焚火から少し離れた場所に置く。
「アクアリウス・コンプレウェラント」
コップが水で満たされているイメージを頭に浮かべながら唱える。
「ピュア・ウォーター」
コップの上に小さな水の塊が出現し、中へと落ちる。
「おっと」
倒れないように、理希は慌ててコップを手に取った。
「残る大問題は脱出方法だけど…」
目印がない広大な空間を闇雲に歩くのは危険で、利き足の方が歩幅が広いから、気が付かないうちに同じ場所をグルグル回ることになるって聞いたことがある。
「デウム・イミタートル、アニムム・レゲ。コジェト…。ストーン・ゴーレム」
手に持ったコップを床に置き、今度は犬をイメージして犬型のストーンゴーレムを8体召喚した。大きさはライオンくらい。額にはそれぞれ1~8の数字を印として刻んでおいた。
「コルプス・シネ・ペクトレ・ユベト。ケルティオレム・ファケレ・メー・ポスト・インウェニアム・エクシトゥ」
出口を発見したら知らせるように命じて、理希は8方向に犬のゴーレムを放った。
あっという間に姿が小さくなり、見えなくなる。
「大丈夫…、かな?」
本当に上手くいくのか余り自信はないけれど、他に方法が考えつかなかったからしょうがない。
理希はパチパチと音を立てている焚火へと目を向けた。
「いい匂いだなぁ。ドラゴンの肉は腐らないとか、何かの本で読んだことがあるような気もするけど…」
今持っている知識は転生前のものだから当てにならない。寄生虫や食中毒が怖いから、念のためよく焼いた方が良いだろう。
「え~と、次は…、レベルや職業とかどうやったら分かるんだ?」
色々イメージしてみても何も起きない。
魔力とか体力とか自分の状態を示すステータスは、どうやら表示されないらしい。なにかアイテムが必要なのかもしれない。
昔見たファンタジー系のアニメでは、街で冒険者登録して確かめてたような気がする。肉と同様にフィクションからの情報だけど。
魔法は変化したのだろうか?
理希は魔法一覧を表示させた。レベルアップ前に一度使った「ファイア・アロー」に視線を向ける。
【アタックマジック:ファイア・アロー(ターゲット:*)】
「*? アスタリスクってなんだ?」
表示が微妙に変わっている。
「まぁ…、いいや」
文字化けかもしれない。理希は頭をひと掻きして軽く息を吐いた。
「アルクム・マヌ・コリプイト・イグネ…、アウラ・イグニス。ファイア・アロー」
真上から後方にかけて火を纏った矢が現れた。矢の大きさや色に変化はない。ただ…。
「な、ちょっと。ナニコレ?」
とんでもない数の火矢が空中にびっしりと並んでいた。特に狙いは定めていなかったので、真っ直ぐ前に放たれる。
「うわっ!うわっ!!うわっ!!!」
熱風が吹き抜け、数百本の火矢が突き進む。
そのうちの百本近い数が、アイテム回収中のストーン・ゴーレム1体に運悪く命中した。
轟音を響かせてバラバラと崩れ落ちる。
残りの数百本の火矢は、しばらく直進して消滅した。
「ま、まいったなぁ…」
これは困ったことになった。最初から覚えていた、恐らく一番弱い攻撃魔法でこの威力となると、この先使いどころが難しくなりそうだ。
理希はゴーレムの破片の山に向かって、手を合わせた。近くにいた別のゴーレムが素早く破片を回収して、異空間収納の穴に放り込んでいく。
とりあえず矢の魔法はレベルアップで本数が増えることが分かった。
「ファイア・ボールとかなら爆発範囲が広がるのかな?」
他の魔法も試してみたいけど、天井のある空間ではまずそうだ。
理希は肉を焼いている焚火の前で腰を下ろした。
「しょうがない。もう一度アイテムの確認をするか…」
まずは武器の一覧を表示させた。
「なんだ、ほとんど装備できないじゃん」
伝説の武器っぽい名前のアイテムもあるのに、大量に表示されている武器名の多くが暗くなっている。
勇者や騎士などの職業ではない、ということは分かった。
「ダガーよりは、レイピアの方がまだましかなぁ…」
【ソード:レイピア x 99】
【ソード:レイピア(カーネリアン)x 26】
【ソード:レイピア(アクアオーラ)x 19】
【ソード:レイピア(モスアゲート)x 17】
【ソード:レイピア(ブロンザイト)x 14】
【ソード:レイピア(ホワイトムーン)x 3】
【ソード:レイピア(ブラックムーン)x 5】
:
「って、なんでこんなに種類があるんだ?」明るく表示されていた『レイピア』に視線を向けると、さらに細かく表示された。
「数字は本数だよね…、ということは白と黒はレアなのか」
『レイピア(ホワイトムーン)』に注目すると【アトリビュート:ホーリー】とヒントが浮き上がる。
「なるほど。無印以外は魔法の剣で属性の違いがあるのか…」
理希は無印のレイピアとレイピア(カーネリアン)を取り出した。カーネリアンの表示は1本減り、無印の本数はそのままだった。
表示がカンストしているだけで、実際はもっと入っているってことらしい。
レイピアを革製の鞘から抜き、左手に無印、右手にカーネリアンのレイピアを持って見比べてみる。
刀身に違いはない。細すぎてすぐに折れてしまいそうだ。
違いがあったのは柄の部分。レイピア(カーネリアン)には赤い石が埋め込まれている。
「あぁ…、これ、魔法石だったのか」
たくさん落ちていた色とりどりの石の正体が分かった。
「おぉ!」
レイピア(カーネリアン)を軽く振ってみると、魔法石が輝き、剣の軌跡を追うように炎が上がった。
「とりあえずこれを装備しようかな…、たいして威力があるようには見えないけど」
無印のレイピアを鞘に入れ直すと、異空間収納の穴に放り投げた。
最初から覚えていた数個の魔法の中にあったはず。
「問題は食料か…」
理希はアイテム一覧を表示させた。ゴーレムたちが回収を続けているから総数が増え続けている。
「おぉ、肉がある!」
ドラゴン関連の項目で目がとまる。
「RPGではドラゴンの鱗とか牙はお宝だったよねぇ。肉は美味いのかなぁ…。」
とりあえず焼けば、食べられないことはないと思う。
理希は手のひらをやや下に向けて構えた。
「燃え上がる空気…、アーエル・アルデスキト」
やはり最初から覚えていたライフマジックの呪文を唱える。
「バンファイア」
床の上に焚火のような炎が出現する。
理希はブラックドラゴンの肉をひとかけら…、といっても一人で食べるにはかなり大きな肉を取り出すと、火の中に放り込んだ。
「水は入れ物が必要だな…」
アイテム一覧を再確認すると、木製のコップというのを見つけた。早速取り出し、焚火から少し離れた場所に置く。
「アクアリウス・コンプレウェラント」
コップが水で満たされているイメージを頭に浮かべながら唱える。
「ピュア・ウォーター」
コップの上に小さな水の塊が出現し、中へと落ちる。
「おっと」
倒れないように、理希は慌ててコップを手に取った。
「残る大問題は脱出方法だけど…」
目印がない広大な空間を闇雲に歩くのは危険で、利き足の方が歩幅が広いから、気が付かないうちに同じ場所をグルグル回ることになるって聞いたことがある。
「デウム・イミタートル、アニムム・レゲ。コジェト…。ストーン・ゴーレム」
手に持ったコップを床に置き、今度は犬をイメージして犬型のストーンゴーレムを8体召喚した。大きさはライオンくらい。額にはそれぞれ1~8の数字を印として刻んでおいた。
「コルプス・シネ・ペクトレ・ユベト。ケルティオレム・ファケレ・メー・ポスト・インウェニアム・エクシトゥ」
出口を発見したら知らせるように命じて、理希は8方向に犬のゴーレムを放った。
あっという間に姿が小さくなり、見えなくなる。
「大丈夫…、かな?」
本当に上手くいくのか余り自信はないけれど、他に方法が考えつかなかったからしょうがない。
理希はパチパチと音を立てている焚火へと目を向けた。
「いい匂いだなぁ。ドラゴンの肉は腐らないとか、何かの本で読んだことがあるような気もするけど…」
今持っている知識は転生前のものだから当てにならない。寄生虫や食中毒が怖いから、念のためよく焼いた方が良いだろう。
「え~と、次は…、レベルや職業とかどうやったら分かるんだ?」
色々イメージしてみても何も起きない。
魔力とか体力とか自分の状態を示すステータスは、どうやら表示されないらしい。なにかアイテムが必要なのかもしれない。
昔見たファンタジー系のアニメでは、街で冒険者登録して確かめてたような気がする。肉と同様にフィクションからの情報だけど。
魔法は変化したのだろうか?
理希は魔法一覧を表示させた。レベルアップ前に一度使った「ファイア・アロー」に視線を向ける。
【アタックマジック:ファイア・アロー(ターゲット:*)】
「*? アスタリスクってなんだ?」
表示が微妙に変わっている。
「まぁ…、いいや」
文字化けかもしれない。理希は頭をひと掻きして軽く息を吐いた。
「アルクム・マヌ・コリプイト・イグネ…、アウラ・イグニス。ファイア・アロー」
真上から後方にかけて火を纏った矢が現れた。矢の大きさや色に変化はない。ただ…。
「な、ちょっと。ナニコレ?」
とんでもない数の火矢が空中にびっしりと並んでいた。特に狙いは定めていなかったので、真っ直ぐ前に放たれる。
「うわっ!うわっ!!うわっ!!!」
熱風が吹き抜け、数百本の火矢が突き進む。
そのうちの百本近い数が、アイテム回収中のストーン・ゴーレム1体に運悪く命中した。
轟音を響かせてバラバラと崩れ落ちる。
残りの数百本の火矢は、しばらく直進して消滅した。
「ま、まいったなぁ…」
これは困ったことになった。最初から覚えていた、恐らく一番弱い攻撃魔法でこの威力となると、この先使いどころが難しくなりそうだ。
理希はゴーレムの破片の山に向かって、手を合わせた。近くにいた別のゴーレムが素早く破片を回収して、異空間収納の穴に放り込んでいく。
とりあえず矢の魔法はレベルアップで本数が増えることが分かった。
「ファイア・ボールとかなら爆発範囲が広がるのかな?」
他の魔法も試してみたいけど、天井のある空間ではまずそうだ。
理希は肉を焼いている焚火の前で腰を下ろした。
「しょうがない。もう一度アイテムの確認をするか…」
まずは武器の一覧を表示させた。
「なんだ、ほとんど装備できないじゃん」
伝説の武器っぽい名前のアイテムもあるのに、大量に表示されている武器名の多くが暗くなっている。
勇者や騎士などの職業ではない、ということは分かった。
「ダガーよりは、レイピアの方がまだましかなぁ…」
【ソード:レイピア x 99】
【ソード:レイピア(カーネリアン)x 26】
【ソード:レイピア(アクアオーラ)x 19】
【ソード:レイピア(モスアゲート)x 17】
【ソード:レイピア(ブロンザイト)x 14】
【ソード:レイピア(ホワイトムーン)x 3】
【ソード:レイピア(ブラックムーン)x 5】
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「って、なんでこんなに種類があるんだ?」明るく表示されていた『レイピア』に視線を向けると、さらに細かく表示された。
「数字は本数だよね…、ということは白と黒はレアなのか」
『レイピア(ホワイトムーン)』に注目すると【アトリビュート:ホーリー】とヒントが浮き上がる。
「なるほど。無印以外は魔法の剣で属性の違いがあるのか…」
理希は無印のレイピアとレイピア(カーネリアン)を取り出した。カーネリアンの表示は1本減り、無印の本数はそのままだった。
表示がカンストしているだけで、実際はもっと入っているってことらしい。
レイピアを革製の鞘から抜き、左手に無印、右手にカーネリアンのレイピアを持って見比べてみる。
刀身に違いはない。細すぎてすぐに折れてしまいそうだ。
違いがあったのは柄の部分。レイピア(カーネリアン)には赤い石が埋め込まれている。
「あぁ…、これ、魔法石だったのか」
たくさん落ちていた色とりどりの石の正体が分かった。
「おぉ!」
レイピア(カーネリアン)を軽く振ってみると、魔法石が輝き、剣の軌跡を追うように炎が上がった。
「とりあえずこれを装備しようかな…、たいして威力があるようには見えないけど」
無印のレイピアを鞘に入れ直すと、異空間収納の穴に放り投げた。
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